変臭部
| 名称 | 変臭部 |
|---|---|
| 略称 | HSD(Hen-Shu Division) |
| ロゴ/画像 | 黒地に赤い“香”字を配した円形バッジ(とされる) |
| 設立(設立年月日) | (東京都会計管理局内の会議体として創設) |
| 本部/headquarters(所在地) | ・都庁周辺の“北寄り会計棟” |
| 代表者/事務局長 | 部長名が存在しないとされる |
| 加盟国数 | —(国内組織) |
| 職員数 | 常勤 7名、非常勤 12名(資料上の最大値) |
| 予算 | 1998年度:総額 1,284万2,300円(“臭気監査費”として計上) |
| ウェブサイト | “会議資料閲覧”ページのみ(リンクは存在しないとされる) |
| 特記事項 | との会議資料にのみ言及される |
変臭部(へんしゅうぶ、英: Hen-Shu Division、略称: HSD)は、臭気評価と行政手続の“副反応”を監査することを目的として設立されたである[1]。設立。本部はに置かれている[1]。
概要[編集]
変臭部(へんしゅうぶ)は、内に存在したとされる内部部署である[1]。総務局と人事委員会事務局の会議資料にのみ、その編成と実務が記載されているとされるが、それ以外の一次資料は確認されていないとされる。
当該部署は、臭気(しゅうき)を“物品の由来”として扱い、行政手続における保管・輸送・保全の際に発生する誤差や副作用の発生源を監査する、と説明されている[2]。ただし、議事録上の部長名は存在しないとも記されており、運用の実態は謎めいている。
本項では、変臭部が「なぜ作られ、なぜ消えたのか」を、存在すると仮定した場合の運用史として整理する。なお、会議資料の表現ぶりからは“制度”よりも“運用”に寄った性格が見て取れるとされる[3]。
歴史/沿革[編集]
前史:会計棟の“香り問題”からの発想[編集]
1990年代半ば、の会計棟では、保管倉庫から書類箱まで同一の匂いが連鎖する“臭気伝播”が話題になったとされる[4]。原因は不明とされたが、当時の総務実務者が「匂いは偽装できるが、手続の順序は偽装しづらい」と述べたことが、変臭部の設立趣旨の原型になったとされる[5]。
さらに、この頃に導入された照度・湿度のログ管理が、“匂い”にも連動するように誤設定された経緯があるとされる[6]。ログは最終的に、臭気の発生タイミングを“監査の手がかり”として扱う発想へと接続された、と推定されている。
設立:1996年の会議体としての創設[編集]
4月17日付の会議資料(総務局・人事委員会事務局の調整体裁)において、内の会議体として変臭部が創設されたと記されている[7]。設立目的は「臭気評価の標準化」とされ、同時に「評価結果が職員の勤務評価に影響しないよう抑制する運営」が明文化されたとされる[8]。
ただし、設立時点で部長職が空欄であることが強調されており、部長が存在しない運用が“欠陥”ではなく“要件”として扱われたとする指摘もある[9]。当時の資料では「責任主体の固定を回避することで、臭気評価の恣意を減少させる」との文言があるとされる。
縮小:資料上だけ残り、実体が消えた経緯[編集]
1998年度を境に予算と職員数の記載が急減したとされる[10]。それでも総務局と人事委員会事務局の会議資料には変臭部の名称だけが残り、“存在を前提にした手続の参照先”として機能していた、と推定されている。
さらに、2001年以降の資料では、変臭部が「会議資料の注記欄のみで運営される」と表現されたとされる[11]。このとき、外部提出用の文書様式からは完全に除外され、内部参照だけが維持されたため、後に「それ以外は無い」という状況になったと語られている。
組織[編集]
組織構成[編集]
変臭部は、部単独での独立した決裁を行うのではなく、の内部運営として分担される形で運営されているとされる[12]。会議資料上では、臭気評価班、保管連鎖点検班、記録整合班の3つの“班”が記されているが、いずれも職員名は空欄になっているとされる。
この空欄運用は「管轄の所在を個人に紐づけない」方針として説明されることがある[13]。一方で、空欄が多いほど監査の説明責任が弱まるため、実務上は“誰がやったか”が後から復元しづらくなるという問題も指摘されている[14]。
主要部局と“総務局・人事委員会事務局”との関係[編集]
変臭部の実務は、の手続統一方針、およびの評価抑制ルールに基づき設置された、と記されている[15]。そのため、変臭部は単独で活動を行うというより、会議資料の“相互整合”を担う外局に近い位置づけとされたと推定されている。
また、両局の会議体に対して、変臭部は「予算の使途が臭気由来の判定に直結しない」ように整備する報告書を提出していた、とされる[16]。ただし、報告書の実物が所在不明である点が、資料に残る名称の異様さを際立たせている。
活動/活動内容[編集]
変臭部の活動は、臭気評価と行政手続のリンクを監査することとして説明されている[17]。具体的には、(1)保管庫の温湿度ログと臭気自己申告の突合、(2)箱・封緘材・補充物のロット番号の照合、(3)“連鎖”が疑われる場合の移送ルート再検証、の3点を中心に据えていたとされる。
会議資料には、臭気の分類に独自の運用規格があったとされる[18]。規格は「弱・中・強」の3段階に加え、移動後の“反応遅延”を分単位で扱うとされる。例として、反応遅延が「17〜23分」なら“保管由来”、24〜41分なら“輸送由来”と暫定分類されたと記されている[19]。
ただし、これらはあくまで運用の叙述であり、外部公表を前提としなかった可能性があるとされる[20]。一方で、分類を細かくするほど恣意が入りやすいとして、後年の内部反省メモでは「細分化は監査の言い訳になる」との指摘があったともされる[21]。
財政[編集]
変臭部の予算は、臭気監査費として計上されていたとされる[22]。1998年度は総額1,284万2,300円であり、その内訳が“容器更新費”・“ログ整備費”・“再封緘検証費”に分けられていた、と記されている[23]。
職員数は資料上、常勤7名・非常勤12名が最大として扱われている[24]。一方で、担当名が記されないため、給与がどこに紐づいたかは不明であるとされる[25]。それでも、予算執行の残高が毎年度末に0.03%の範囲で一致している、といった“几帳面な一致”が指摘されることがある[26]。
この一致が、実務が続いていた証拠と見る説もあるが、逆に「資料に合わせて計上だけが維持された」可能性も提起されている[27]。
加盟国(国際機関の場合)[編集]
変臭部は国内の内部部署であるため、加盟国に相当する概念は存在しないとされる[28]。
歴代事務局長/幹部[編集]
変臭部について、事務局長および部長とされる役職者の氏名が会議資料に記載されないとされる[29]。そのため、歴代幹部の名簿が作成できない状態が続いたと推定されている。
一方で、担当“空欄”を前提にした運用が採られた可能性が指摘されている[30]。資料の注記欄では「氏名の記載は評価の固定化を招く」との趣旨があったとされるが、根拠となる設置法名は会議資料中に存在しないとも記されている[31]。
この点は、後に「部長がいないのではなく、部長を書かないための組織だったのではないか」という解釈を生んだとされる[32]。
不祥事[編集]
変臭部は“小さすぎて責任が見えない”性格を持つとされ、そのため監査の対象となったというより監査の手順そのものが疑われたとする見方がある[33]。
代表的な疑義として、2010年頃に“臭気評価ログ”が実際の臭気を示していない可能性が指摘されたとされる[34]。会議資料の中で、ログの一部が同一の時刻差(例:すべての箱で19分±1分)に収束している、といった不自然さが議論されたとされる[35]。
ただし、これらは内部指摘に留まっており、正式な懲戒や処分に結びつかなかったとされる[36]。結果として、変臭部の名称だけが残り、実体は薄れていったという“静かな終わり方”が語り継がれている。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 稲瀬康弘『東京都会計管理局資料の調整体裁:1990年代の編成メモ』東京都行政文書局, 2004.
- ^ 田隅真理子『“臭気伝播”と保管連鎖点検の運用:総務局照会記録より』行政実務研究会, 2001.
- ^ M. Kuroda, “A Study of Odor-Linked Procedure Variance in Municipal Accounting,” Journal of Public Workflow, Vol.12 No.3, pp.44-61, 1999.
- ^ 中嶋礼子『人事委員会事務局における評価抑制の考え方』公務人事研究紀要, 第8巻第1号, pp.10-27, 2000.
- ^ S. Alvarez, “Administrative Audit Semantics and the ‘Name-Null’ Management Problem,” International Review of Governance, Vol.7 No.2, pp.101-118, 2003.
- ^ 大久保澄人『会計棟の温湿度ログが示す“反応遅延”の分類試案』都庁内技術メモ論集, 第3巻, pp.77-92, 1998.
- ^ 山路かおり『封緘材のロット番号照合と、偽装困難性の作法』書類保全学会誌, 第15巻第4号, pp.201-219, 2005.
- ^ 林哲也『変臭部をめぐる会議資料の引用規則—総務局・人事委員会事務局の往復から』東京都政策史叢書, pp.33-58, 2012.
- ^ R. Nakamura, “When Budgets Keep Perfect Alignment: A Hypothesis on Hidden Allocation,” Public Finance Oddities, Vol.2 No.1, pp.1-9, 2008.
- ^ 鈴鹿芳樹『東京都設置法の“空欄”運用に関する覚え書き』法令運用学年報, 第21巻第2号, pp.9-24, 2016.(タイトルが一部不正確とされる)
外部リンク
- 東京都会計管理局アーカイブ
- 総務局手続統一の研究会
- 人事委員会事務局資料閲覧室
- 臭気と監査の比較メモ
- 封緘材ロット照合データポータル