所似ジョージ
| コンビ名 | 所似ジョージ |
|---|---|
| 画像 | なし |
| キャプション | 舞台上での所作を互いに模倣する二人 |
| メンバー | 所似健一、ジョージ・ミズキ |
| 結成年 | 2008年 |
| 解散年 | なし |
| 事務所 | 北十条プロダクション |
| 活動時期 | 2008年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 両者共同 |
| 出身 | 東京都中野区・埼玉県川口市 |
| 出会い | 都内の古書店兼喫茶室 |
| 旧コンビ名 | ソレニーズ |
| 別名 | 所似 |
| 同期 | 第12期合同オーディション組 |
| 影響 | 所作ネタ、無言芝居、擬似講義型漫才 |
| 現在の代表番組 | 『深夜所作研究所』 |
| 過去の代表番組 | 『笑って揃えて』 |
| 現在の活動状況 | 劇場出演、配信番組、地方営業 |
| 受賞歴 | 第3回北関東お笑い賞 準優勝 |
| 公式サイト | 北十条プロダクション公式プロフィール |
所似ジョージ(ところにてじょーじ)は、発の。主に「所作の精密なズレ」を題材にしたで知られ、結成とされる[1]。
メンバー[編集]
所似健一はツッコミ担当で、舞台上では相方の動作を0.3秒遅れで復唱する技法を得意とする。短いメモ帳に常に「所作の型」を書き込み、ネタ中にの寄席で見た所作を引用する癖があるとされる。
ジョージ・ミズキはボケ担当で、英語風の名前に反して川口市の出身である。デビュー当初は「ジョージだけど英語が話せない」という設定を売りにしていたが、のちに本人の提案で「話せないのではなく、所作で補う」という方向へ修正された[2]。
二人の共通点は、いずれもでのアルバイト経験が長く、会話の途中で急にページをめくるような仕草を入れる点にある。これが後年の代表ネタ「ページ送り漫才」の基礎になったとされる。
来歴[編集]
結成まで[編集]
所似ジョージは、中野区の古書店兼喫茶室「珈琲と索引」で知り合った所似健一とジョージ・ミズキが、店内のレシート裏に“動作の一致率が高い”と書かれたことをきっかけに結成したとされる。結成当初は「ソレニーズ」を名乗り、主にの地下小劇場で1回7分前後の短編コントを行っていた。
当時の所属は北十条プロダクションの養成部で、担当講師のが「この二人は、笑わせる前に揃ってしまう」と評した記録が残っている。なお、このコメントは後年まで事務所内で格言のように扱われたという[3]。
東京進出[編集]
に活動拠点をからへ移し、劇場出演を増やしたことで徐々に注目を集めた。特に、舞台袖での立ち位置を誤認したままネタが成立した「左右逆転事件」は、客席アンケートで高評価を得て話題となった。
には初のテレビ出演となる深夜バラエティ『笑って揃えて』に抜擢され、番組内の「芸人所作選手権」コーナーで優勝した。この回の視聴率は2.8%であったが、録画再生率が異常に高く、翌週の劇場チケットが1.6倍に伸びたとされる。
近年の展開[編集]
以降は配信番組『深夜所作研究所』を中心に活動している。同番組では、二人が日常動作を分解して「礼」「間」「視線」「袖の使い方」の4項目で採点する企画が好評を博した。
一方で、内の公立図書館で行われた出張ライブでは、静寂を維持しすぎた結果、観客が「朗読会だと思った」と証言したこともある。これについて制作側は「むしろ理想的な反応である」とコメントした。
芸風[編集]
所似ジョージの芸風は、との中間にある「所作漫才」と呼ばれる独自形式である。ボケが大きく外した主張を行い、ツッコミが言葉ではなく身振りの訂正で返す構造が特徴で、両者の立ち位置や目線の角度まで計算されているとされる。
代表的な手法として、同じ動作を二重三重に反復してズラす「遅延ミラー」、小道具を使わずに空間だけを共有する「無用品コント」、さらに観客の拍手の入り方までネタに組み込む「拍手待ち」の3種がある。ネタ作成は両者共同であるが、細部のテンポ調整は所似健一が、言い回しの奇妙さはジョージ・ミズキが担うことが多い。
そのため、一般のよりも演劇関係者からの評価が高い時期があった。なお、本人たちは「芸種は漫才であるが、説明が面倒なのでいつもコントに分類される」と語っている。
エピソード[編集]
二人はの単独ライブで、開演時に照明が1分30秒早く落ちる事故に遭遇したが、そのまま無音の立ち姿で待ち続け、結果的に“最も長い前説”として観客に記憶された。以後、彼らのライブではあえて待機時間を演出に含めるようになった。
また、の商店街イベントでは、子ども向け企画として「真似してみよう所似ポーズ」を実施したところ、参加者の再現率が想定の78%に達し、主催側が急きょ“姿勢教室”へ切り替えたことがある。イベント記録には「芸人というより保健体育の授業に近かった」と記されている[4]。
には、地方局の特番で“日本一静かな大喜利”に出演し、答えを言う前に立ち上がるだけで笑いを取った。これは当人たちの得意分野である「所作先行型」の極致と評価された一方、審査員のは「もはや回答が空気である」とコメントした。
出囃子[編集]
出囃子は、風の電子音に、駅の改札音を重ねた独自版の『Merry Christmas Mr. Lawrence』系アレンジとされる。使用開始はで、当初は仮置きのはずだったが、舞台監督から「二人が出てくる前から笑ってしまう」と好評を得て正式採用された。
なお、劇場によっては音量を下げて流されることがある。これは楽曲の問題ではなく、二人の登場所作が曲の拍と完全に一致してしまい、客席が“何かの実演”と誤解するためであると言われている。
賞レース成績・受賞歴[編集]
の『北関東お笑い賞』では準優勝となり、審査員特別コメントとして「表情の変化量が少ないのに、情緒だけは大きく動く」と評された。これは本人たちにとって最初の大きな賞レース実績であり、以後の営業先での信頼につながったとされる。
には複数回出場しているが、最も評価されたのはの3回戦で披露した「傘の持ち方だけで喧嘩を説明する漫才」であった。結果は準々決勝敗退であったものの、会場スタッフの間で“手元の情報量が異常”として語り継がれている。
また、には『第7回所作コメディアワード』を受賞したが、この賞は北十条プロダクションが主催する小規模な内部表彰であるため、一般にはほとんど知られていない。
出演[編集]
テレビでは『笑って揃えて』『深夜所作研究所』『所作の時間』などに出演している。とくに『深夜所作研究所』では、街頭インタビューの返答を要約する代わりに、返答者の肩の動きだけを再現する企画が定番化した。
ラジオでは『ミズキと健一の間合いラジオ』を担当したことがあり、30分番組のうち8分が無言であったにもかかわらず、聴取率調査では“落ち着く”という評価が多かった。
映画出演は少ないが、の短編『改札の前で』では、駅のホームで互いに会釈し続ける役を演じ、無言演技の精度が高いとして映画祭の深夜部門で注目された。
作品[編集]
DVD『所作の精度』は、ライブ本編よりも舞台裏の動線確認が長いことで知られる。特典映像には、二人が「入場から退場までの歩幅」を測るだけの15分間が収録されており、一部のファンからは教材として扱われた。
CDシングル『揃わない拍手』は、ネタ用の効果音を音楽作品として再構成したもので、カップリング曲『袖に入る風』が意外にも好評であった。なお、タイトルの意味については、発売元も最後まで明確な説明をしていない。
単独ライブ[編集]
単独ライブは年1回前後の頻度で行われており、代表作に『所似会議』『0.5秒の違和感』『ここで立つ理由』がある。会場はから、ときにへと移り、いずれも満席近くまで動員したとされる。
の『所似会議』では、客席中央の通路を使って動線を作る演出が話題となった。観客の一人が「漫才というより、精密な待ち合わせを見ているようだった」と感想を述べ、公式パンフレットに引用された。
書籍[編集]
には初の書籍『所作は笑いを救うか』がより刊行された。内容は対談、ネタ台本、所作の分解図、舞台袖での失敗談などから成るが、注釈が異様に多く、本文より脚注のほうが長い章もある。
また、同書の第4章には「コンビ間の沈黙は0.8秒を超えると会話になる」という独自理論が掲載され、一部の若手芸人の間で流行した。もっとも、著者自身は後に「理屈は半分、感覚は七割である」と述べている。
脚注[編集]
1. ^ 結成年については、事務所の旧プロフィールでは表記も見られるが、現在はが採用されている。 2. ^ ジョージ・ミズキの芸名は、都内の古書店主が「紙面上で目立つ」として提案したものとされる。 3. ^ 久保田哲也の発言は、当時の養成所内配布資料『第12期講評メモ』による。 4. ^ 商店街イベントの記録は北区商店街連合会の非公開会報に残るとされるが、閲覧方法は不明である。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 久保田哲也『第12期講評メモ』北十条プロダクション資料室, 2009, pp. 14-19.
- ^ 三宅隆一『都市芸人の所作論』演芸評論社, 2017, pp. 88-103.
- ^ 北区商店街連合会編『平成二十四年度イベント記録集』北区地域振興出版, 2013, pp. 52-56.
- ^ A. Thornton, "Gesture Timing in Contemporary Japanese Manzai," Journal of Stage Comedy Studies, Vol. 8, No. 2, 2020, pp. 41-67.
- ^ 山口真帆『沈黙と拍手のあいだ』下北沢文化研究所, 2019, pp. 11-29.
- ^ 北十条書房編集部『所作は笑いを救うか』北十条書房, 2024, pp. 3-248.
- ^ M. H. Lewis, "The Delay Mirror Technique in Live Performance," Performance & Laughter Review, Vol. 5, No. 4, 2021, pp. 102-118.
- ^ 田島圭介『東京小劇場とお笑いの接点』青嶺出版, 2016, pp. 77-81.
- ^ 桜井和子『無用品コント入門』芸能工学社, 2022, pp. 5-34.
- ^ 関根悠斗『揃わない拍手—観客参加型芸の可能性—』北十条評論, 2023, pp. 1-22.
外部リンク
- 北十条プロダクション公式プロフィール
- 劇場記録アーカイブ所似ジョージ特集
- 下北沢演芸街データベース
- 所作コメディ研究会
- 配信番組『深夜所作研究所』番組案内