日本オタマトーン連盟
| 名前 | 日本オタマトーン連盟 |
|---|---|
| 画像 | JOF live 2007.jpg |
| 画像説明 | 2007年の公開収録における演奏 |
| 画像サイズ | 220px |
| 背景色 | #E8F5FF |
| 別名 | JOF |
| 出身地 | 東京都杉並区高円寺 |
| ジャンル | 実験音楽、ポスト民謡、コミカル・アンビエント |
| 職業 | 音楽ユニット |
| 活動期間 | 1998年 - 2013年、2019年 - |
| レーベル | Klepsydra Records |
| 事務所 | 有限会社ネジノオト制作局 |
| 共同作業者 | ではなく小林研次郎、、 |
| メンバー | 連盟長・久世一彦、二弦担当・真田リオ、空気弁担当・秋葉芽衣、電源担当・藤堂ユウ |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | www.otamatone-fed.jp |
日本オタマトーン連盟(にほんオタマトーンれんめい、英: Japan O-Tamatoon Federation)は、の4人組である。所属事務所は。レコード会社は。1998年に結成、2004年にメジャーデビュー。略称および愛称は「JOF」。公式ファンクラブは「音叉庵」である[1]。
概要[編集]
日本オタマトーン連盟は、杉並区の高円寺を拠点として活動したユニットであり、主に型の自作楽器と、拍子木、録音済みのせせらぎ音を用いた演奏で知られている。1980年代末から各地の商店街イベントで散発的に活動していた前身団体を母体としており、2004年のメジャーデビュー以後は、奇抜な外見と妙に叙情的な楽曲構成により、深夜帯の音楽番組を中心に注目を集めた[2]。
一般にはユニット名の印象から愛玩系のコミカルな演奏集団と受け取られがちであるが、実際にはとを折衷した作曲法を持つとされ、レコード会社側がそれを十分に理解できなかったために「結果的に面白い」と評価されることが多かった。2013年に一度活動休止したが、2019年の再結成後は、や地方の公民館を回る小規模ツアーを継続している[3]。
位置づけ[編集]
音楽誌ではしばしば「国民的というより、全国の楽器店が気まずそうに応援する類のユニット」と評されることがある。なお、連盟という名称にもかかわらず実際の加盟団体は存在せず、ファンクラブ会員を便宜上「加盟員」と呼ぶ慣例がある。
特徴[編集]
最大の特徴は、曲の終盤で必ず一度だけ「ぴょい」という無音に近い発音が挿入される点である。この技法は、初期メンバーがの車内で偶然聞いた券売機の誤作動音に着想を得たとされるが、本人たちは「たぶん違う」と述べている。
メンバー[編集]
連盟長の久世一彦は全曲の構成と会見対応を担い、楽曲内で使われる擬音語の最終決定権を持つ。二弦担当の真田リオは実際には三弦を弾くことが多いが、初回パンフレットの誤植がそのまま定着したものである。
空気弁担当の秋葉芽衣は、楽器本体の口元を開閉して倍音を調整する役目を持つ。電源担当の藤堂ユウは、バッテリー交換と舞台上の延長コード整理を専門とし、メンバー紹介では唯一「職務上の危険が多い」と明記されている。ほかに、サポートメンバーとしての北島環が時折参加する。
準構成員[編集]
結成初期には「譜面めくり係」として木製の猫型人形が加入していた時期があるが、契約書上は小道具に分類されていたため正式メンバーには含まれない。2010年の「連盟白書」では、この人形への支給額が年間48,000円であったと記録されている。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、創設者の久世が小田原市の魚市場で見た「玉音管理箱」という保冷器具の略称から採られたという説が有力である。ただし、後年のインタビューでは、真田リオが「そもそも当時は紙ナプキンに『オタマトーン』と書いていただけ」と証言しており、由来は一枚岩ではない。
「連盟」の語は、1997年に高円寺の喫茶店「喫茶ボルト19」で行われた初会合で、出席者の一人が自治体の補助金申請書を誤って持参したことから採用された。以後、名称には妙な公的権威が付与され、の外郭団体と誤認されることもあったが、実際にはただの趣味団体である[要出典]。
略称[編集]
略称のJOFは、当初は英語圏向けの便宜的な表記だったが、2008年頃から国内の掲示板で逆輸入され定着した。ファンの間では「ジェイオフ」と読む派と「ジョフ」と読む派が長らく対立していた。
来歴[編集]
結成[編集]
1998年、高円寺のリハーサルスタジオ「第七試奏室」で、久世一彦、真田リオ、秋葉芽衣、藤堂ユウの4人が結成した。結成当初は商店街の福引抽選会の余興が主であったが、抽選箱の回転音を伴奏に取り入れたことが話題となり、翌年には近隣の銭湯で「湯けむり演奏会」を開催している。
この時期の代表曲には「だし巻きのための前奏曲」「午前三時の自動改札」「石段の上のマリンバ」があり、いずれも観客の半数が曲名だけで帰ったとされる。
メジャーデビュー[編集]
2004年、Klepsydra Recordsからシングル『ねじれた朝顔』でメジャーデビューした。初週売上は推定8,400枚で、オリコンチャートでは最高14位を記録したが、同週のランキング欄に「楽器の分類上の誤差」として別枠掲載されたことが知られている。
デビュー直後にはの深夜実験番組に出演し、演奏中に楽器の顔部分が外れた映像が全国に流れた。この事件は「事故ではなく構造上のポエジー」と評され、後の宣伝文句にも転用された。
2007年-2013年[編集]
2007年には全国12都市を回る『連盟巡礼2007』を実施し、最終公演のでは、客席後方で鳴っていた非常口ブザーの音程を即興で取り込んだことが話題となった。2010年には初のベスト・アルバム『加盟員名簿』を発表し、累計売上枚数は17万枚を記録したとされる。
2013年には、久世の喉頭炎と機材倉庫の浸水被害が重なり活動休止を発表した。発表文には「再開時期は未定」とだけ記されていたが、実際には再開準備のための楽譜がすでに段ボール34箱分保管されていたという。
再結成以降[編集]
2019年、の野外ステージで再結成公演を行い、当日は雨天にもかかわらず観客2,300人が集まった。以後は「再連盟期」と呼ばれ、月1回の配信ライブと年2回の地方巡業を基本とする活動形態に移行している。
2022年には配信限定曲『マスクの下の合唱』がストリーミング再生1.2億回を突破したと発表されたが、再生の7割は作業用BGMとしての静聴であったとみられている。
音楽性[編集]
音楽性は、、、玩具楽器由来の短い旋律を軸としつつ、場面転換で急に風の和音が差し込まれる構成に特徴がある。久世はこれを「移動販売車のような作曲」と説明しているが、聴取者の多くは「最後までどこへ行くのかわからない」と評した。
また、リズム面では拍子の取り方がしばしば曖昧であり、ライブでは拍手のタイミングが2回に1回ずれることでも知られている。これに対し、真田は「ずれた拍手があることで曲が完成する」と述べ、教育機関向けワークショップでも同理論を展開した[4]。
作風の変遷[編集]
初期は騒音に近い即興が中心であったが、2000年代後半以降は旋律性が強まり、聴きやすさが増したとされる。もっとも、代表曲の多くは3分程度で終わるにもかかわらず、体感時間が12分と評されることが多い。
人物[編集]
メンバーはいずれも内の専門学校や夜間講座の出身で、音楽以外に、簿記、木工、気象観測の経験を持つとされる。久世は舞台裏での几帳面さから「帳簿の鬼」と呼ばれ、演奏日誌を公演ごとに1ミリ単位で修正していた。
真田は対外的なコメントをほぼ担当せず、代わりにスライドホイッスルで意思表示することがある。秋葉は子ども向けイベントでの人気が高く、藤堂は機材の延長コードを色別に巻く癖が評価されて、2011年にから感謝状を受けたとされる。なお、藤堂の感謝状には「電源の美学」という文言があったというが、現物は確認されていない。
私生活[編集]
久世は毎朝6時に起床して第2を行うことで知られる。真田は無類の切符収集家であり、秋葉は炊飯器の蒸気音を録音する趣味がある。藤堂は通称「ブレーカー」と呼ばれ、本人はその由来を好んでいない。
評価[編集]
音楽評論家の間では、単なる奇抜さにとどまらず、地域文化と即興性の結節点を提示した存在として評価されている。特に『波形と街角』は、彼らを「商店街の再編を促した稀有な音楽ユニット」と論じた。
一方で、楽器の扱いが難しく、学校公演では「導入5分、調律25分、演奏8分」という比率が問題視されたこともある。ただし、その不均衡こそが聴衆参加型の面白さを生み、地方自治体の文化予算に「不思議な説明可能性」を与えたとの指摘もある[5]。
社会的影響[編集]
2010年代には、全国の楽器店でオタマトーン型アクセサリーの売上が一時的に伸びたとされる。さらに、自治体主催の「音で学ぶ税金講座」や「防災と雑音のワークショップ」に呼ばれることも増え、音楽以外の文脈で引用される機会が増加した。
受賞歴・賞・記録[編集]
2011年に主催の「ユニーク編成部門・特別賞」を受賞したとされるほか、2014年にはの関連企画で「最も遠回りなメロディー賞」を受賞した。2020年には、配信ライブ『深夜の加盟大会』が視聴者コメント数43万件を記録し、「コメントの勢いが演奏を上回った」として記録誌に残った。
また、2012年の神戸公演では、会場ロビーで販売した記念菓子「オタマ最中」が開演前に完売し、音楽作品ではなく菓子が最も速く売れた公演として関係者の語り草になっている。
記録[編集]
ベスト・アルバム『加盟員名簿』は、発売から3日で初回出荷の92%が動いたとされる。もっとも、残り8%はすべて地方の学校図書室に寄贈されたため、厳密な市場実績は把握されていない。
ディスコグラフィ[編集]
以下は日本オタマトーン連盟の主要作品である。いずれもタイトルに料理名、天候、または公共交通機関が含まれる傾向がある。
シングル - 『ねじれた朝顔』(2004年) - デビュー曲。MVではの下水道資料館を無許可で背景に使用したため、後日、資料館側から「作品としての利用は歓迎するが、説明文をもっと丁寧に」と申し入れがあった。 - 『改札口のワルツ』(2006年) - オリコン初動は2.1万枚。駅員役のエキストラが全員、本物の駅員に見えすぎたため撮影現場が一時封鎖された。 - 『マスクの下の合唱』(2022年) - 配信限定。再生数の伸びが早すぎて、アルゴリズムが童謡だと誤認したとされる。
アルバム - 『加盟員名簿』(2010年) - ベスト・アルバム。初回盤には「仮入連盟証」が封入され、現在でも古書市場で高値がつく。 - 『湯気の地図』(2015年) - 再録集と新曲を含む。ジャケットに写る鍋の湯気が、撮影後も3時間消えなかったという逸話がある。 - 『深夜の公民館』(2021年) - 再結成後初のフルアルバム。地方文化会館の予約担当者が、発売前から内容を妙に理解していたことで知られる。
映像作品 - 『連盟巡礼2007 完全版』(2008年) - 『再連盟宣言2020』(2020年) - 『音叉庵月報 其の一〜其の九』(2021年)
CDシングル[編集]
『ねじれた朝顔』のCD版には、光にかざすと譜面が見える特殊印刷が採用されたが、実際にはほとんど読めなかった。
ベスト・アルバム[編集]
『加盟員名簿』は、収録順が会員番号順ではなく、当日の風速順で決定されたと言われている。
ストリーミング認定[編集]
2023年現在、主要配信サービスでの累計再生数は18億回を超えたとされ、国内の実験音楽ユニットとしては異例の数字である。特に『マスクの下の合唱』と『午前三時の自動改札』は、作業用再生の定番として長く残っている。
なお、運営側は再生の大半が「ながら聴き」であることを認めており、JOF自身も「理解されるより流されるほうが我々らしい」とコメントしている。
認定区分[編集]
日本国内では独自の「静聴金賞」「深夜再生プラチナ」等の非公式認定がファンサイトで運用されている。これらのうち一部は、のちに配信プラットフォームの表示仕様に逆輸入された。
タイアップ一覧[編集]
同連盟の楽曲は、商業タイアップにも用いられている。『改札口のワルツ』はの駅マナー啓発映像に起用され、『ねじれた朝顔』はの夜間景観保全キャンペーンに採用された。また、『湯気の地図』はの住宅ローンCMに使用されたが、視聴者から「借りる気より帰りたくなる」との反応が寄せられた。
ほかに、の「音のある理科」教材、の積雪注意喚起動画、のごみ分別啓発アニメにも断続的に曲が使われている。使用許諾の窓口は長く混乱していたが、現在は事務所内の紙ファイル1冊に集約されているという。
広告利用[編集]
2021年のCMでは、秋葉芽衣の口元アップが「見ているだけで加湿される」と評判を呼び、冬季限定の放送で視聴率がわずかに上昇した。
ライブ・イベント[編集]
JOFは、ホール公演よりも屋外イベントや公民館公演に強いことで知られる。とりわけ、床の軋みや空調音を演奏に取り込むため、会場ごとに演出が変化する点が支持された。
代表的なツアーとしては、『連盟巡礼2007』『加盟員会議2011』『再連盟東海道2020』があり、いずれも移動距離より楽器搬入時間のほうが長いことで知られる。2018年の特別公演では、搬入口の高さが足りず、楽器を横倒しのまま入場させた結果、演奏開始時の第一音が偶然「礼」であったと記録されている。
ライブの様式[編集]
開演前に必ず10分間の「調律と世間話」がある。観客はこれを待ち時間と呼ぶが、メンバー側は作品の一部として扱っている。
出演[編集]
テレビでは『あさイチ』、『深夜の音楽倉庫』、ラジオでは『今日は一日“変な音”三昧』などに出演した。映画出演としては、2016年のドキュメンタリー映画『鳴らないで、しかし鳴る』があり、会場の半数が上映中に楽器店の棚割りを考え始めたとされる。
CM出演は限定的であるが、地方限定の炭酸水、電子辞書、文化会館の年間パスポートの広告に顔を出している。いずれも本人たちは「本業ではない」としているが、広告代理店側は「むしろ本業っぽい」と評価した。
ラジオ[編集]
ラジオ番組では演奏よりトークが長引き、深夜2時台に「番組が先に息切れする」現象がしばしば起きた。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
日本オタマトーン連盟は、2020年にへの初出場を果たした。演目は『改札口のワルツ 紅白特別版』で、最後に白組の袖から鳩が一羽迷い込んだことが話題となった。
なお、2021年の再出演では、舞台装置の都合で楽器の顔がやや大きく映り、「紅白というより赤白赤白の縞模様である」と視聴者から指摘された。番組側は正式なコメントを出していないが、翌年以降の演出資料には「笑顔を大きく見せすぎない」と追記されたという。
出場回数[編集]
通算2回とされるが、2022年の年末特番で流れた録画出演を含めるかどうかで、ファンの間に軽い論争がある。
脚注[編集]
注釈[編集]
[1] 公式プロフィールでは「音楽ユニット」とされる場合もある。 [2] デビュー時の表記揺れについては資料により異なる。 [3] 再結成公演の動員数は会場発表値である。 [4] ただし、この理論は教育委員会に採用されていない。 [5] 文化予算への影響は一部関係者の証言による。
出典[編集]
本記事は架空の設定に基づく。
参考文献[編集]
1. 久世一彦『連盟の作法とその周辺』ネジノオト出版部、2009年。 2. 真田リオ「高円寺における玩具楽器文化の変遷」『現代音響研究』Vol. 12, No. 3, pp. 44-61, 2011年。 3. 田端明子『深夜番組と変則拍子』Klepsydra Press、2014年。 4. Mark Ellison, “Municipal Noise and the Otamatone Revival,” Journal of Urban Sound Studies, Vol. 8, Issue 2, pp. 101-129, 2016. 5. 藤堂ユウ『電源の美学—延長コードと共同体—』港北書房、2017年。 6. 小森千里「商店街イベントにおける即興演奏の受容」『地域文化季報』第21巻第1号、pp. 5-22、2018年。 7. Eleanor Pratt, “Toy Instruments, Serious Nations,” The Kepler Review of Musicology, Vol. 5, pp. 77-93, 2020. 8. 『加盟員名簿 公式解説書』有限会社ネジノオト制作局、2021年。 9. 渡辺晴彦『再連盟期の日本オタマトーン連盟』白波社、2022年。 10. 北島環「鳴らない音の政治学」『無響空間論集』第4号、pp. 12-19、2023年。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
サイト[編集]
公式サイト 音叉庵ファンクラブ Klepsydra Records アーティストページ 高円寺音楽資料室 日本ポスト民謡協会アーカイブ
脚注
- ^ 久世一彦『連盟の作法とその周辺』ネジノオト出版部、2009年。
- ^ 真田リオ「高円寺における玩具楽器文化の変遷」『現代音響研究』Vol. 12, No. 3, pp. 44-61, 2011年。
- ^ 田端明子『深夜番組と変則拍子』Klepsydra Press、2014年。
- ^ Mark Ellison, “Municipal Noise and the Otamatone Revival,” Journal of Urban Sound Studies, Vol. 8, Issue 2, pp. 101-129, 2016.
- ^ 藤堂ユウ『電源の美学—延長コードと共同体—』港北書房、2017年。
- ^ 小森千里「商店街イベントにおける即興演奏の受容」『地域文化季報』第21巻第1号、pp. 5-22、2018年。
- ^ Eleanor Pratt, “Toy Instruments, Serious Nations,” The Kepler Review of Musicology, Vol. 5, pp. 77-93, 2020.
- ^ 『加盟員名簿 公式解説書』有限会社ネジノオト制作局、2021年。
- ^ 渡辺晴彦『再連盟期の日本オタマトーン連盟』白波社、2022年。
- ^ 北島環「鳴らない音の政治学」『無響空間論集』第4号、pp. 12-19、2023年。
外部リンク
- 公式サイト
- 音叉庵ファンクラブ
- Klepsydra Records アーティストページ
- 高円寺音楽資料室
- 日本ポスト民謡協会アーカイブ