マスオファンタジア
| 名前 | マスオファンタジア |
|---|---|
| 画像 | MasuoFantasia.jpg |
| 画像説明 | 「“マスオの素材”収録式」当日の集合写真 |
| 画像サイズ | 250px |
| 画像補正 | 1.0 |
| 背景色 | #CCFFCC |
| 別名 | マスファン / エレ民(れみん) |
| 出生名 | (グループ名義) |
| 出身地 | 東京都港区・赤坂(発足当時の制作拠点) |
| ジャンル | メンフィス・ポップロック、サンプリング・ロック |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ボーカル/ギター/ベース/ドラム/シンセ |
| 活動期間 | 1997年 - 現在(少なくとも“中断”を挟む) |
| レーベル | 橙音レーベル |
| 事務所 | 音響協同社 |
| 共同作業者 | 緩和テクノ研究会、港区立図書音響室 |
| メンバー | 渡月マスオ(Vo/Gt相当)、白金リョウ(Ba)、三日月ミオ(Dr)、桐生サキ(Syn)、古代テル(Gt) |
| 旧メンバー | 砂川カズ(在籍1997-2000年) |
| 公式サイト | https://masuofan.example.com |
マスオファンタジア(ますおふぁんたじあ)は、日本の5人組ロックバンドである。所属事務所は音響協同社。レコード会社は橙音(だいだいおと)レーベル。1997年に結成、2004年にメジャーデビュー。略称および愛称は「マスファン」。公式ファンクラブは「エレベータの住民」。
概要[編集]
マスオファンタジアは、日本の5人組ロックバンドである。楽曲の特徴は、あえて古い“家庭用会話素材”に近いテンポの断片(通称「マスオの素材」)を短く刻み込み、そこへシンセの幻奏を重ねる手法にあるとされる[1]。
本バンドの代表曲「」(2005年)は、いわゆるミーム文脈(エレベータ演出)での使用が相次いだことから、Japanese meme elevatorという呼称でも参照されたとされる[2]。また、YouTuber文脈での“遠景からの祝祭”的コールに似たコメントが頻出したため、界隈の通称として「Hikakin from the far east」などの言い回しに紐づけられたと報じられることもある[3]。
メンバー[編集]
公式には5名で構成されている。メンバーは1997年の制作会合以来、役割を固定せずに回遊する傾向があり、ライブでは「誰が叩いているか」を観客が勘違いし続ける仕様として知られる[4]。
渡月マスオはボーカル兼リードギター(相当)を担い、サビで声を“家庭の余白”の高さまで落とすことで知られている。白金リョウは低音の持続で展開を作り、三日月ミオはドラムのキックを1小節につき厳密に「12回」だけ鳴らす練習を長年続けたとされる[5]。桐生サキはシンセを「幻想帯域」として扱い、古代テルは中域のカッティングで“説明しない物語”を成立させると評される。
なお、旧メンバーの砂川カズはインディーズ期に在籍し、特定の音域(297Hz付近)のみを鳴らす謎のパッドを担当していたとされる。砂川はその後、表舞台から姿を消したが、現在でも未発表データが“倉庫の棚番号”として語られている[6]。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、結成直後に港区の薄暗い制作室で行われた「素材会議」に由来するとされる。会議では、“マスオの素材”という言い方が自然に生まれ、そこから「素材×幻想」を意味する造語として「マスオファンタジア」が採用された[7]。
別説として、1999年に制作されたデモテープのラベルが誤って印刷され、テープの中央に「MASUO-FANTASIA」と誤記されていたことが定着したという指摘もある[8]。この説では、誤記が修正されないまま初期ツアーで配布されたため、観客側が“それが正式名だ”と誤学習したのだと説明されている。
このように、名称の出自は2つの伝承が並走している。なお、バンド側はどちらの説も「どちらも正しい」とだけ述べており、記録媒体に関する公開は限定的である。
来歴/経歴[編集]
結成(1997年)[編集]
、東京都の学生オーディオ倶楽部「緩和テクノ研究会」の実験会合で、渡月マスオと白金リョウが即興を行ったことが始点とされる。そこで即興に混ぜられた“会話素材”が妙に馴染んだため、メンバーは「素材は嘘をつかない」と合意したとされる[9]。
同年、彼らは“棚に並んだ家庭機器の音”だけで構成するミニアルバムの計画を立てた。ところが、録音機材の内蔵メモリが容量不足になり、最終的にテイクを「47分割」して保存し直したという[10]。この“分割癖”は後のサンプリングの精密さに直結したと説明されている。
インディーズ期(2000年-2003年)[編集]
、砂川カズが抜け、代替として桐生サキが参加した。インディーズ曲「」(非公式表記)は、後に「マスオの素材」の核として語られ、SNSでの再掲時にコメントが急増したとされる[11]。
には、音響収録のためにを利用したと報じられる。図書室の“利用規約上の無音”を守るため、彼らは音を出さずに代わりに「クリック音の位置」を記録し、後でそれを逆再生したという手順が伝説になった[12]。なお、スタッフは「規約に反していない」と弁明したとされるが、出典は曖昧と指摘される。
メジャーデビュー(2004年)[編集]
、橙音レーベルからシングル「」でメジャーデビューした。初週売上は推定で約2万枚とされるが、公式コメントでは「数字を丸めると素材が嘘になる」との理由で公表が控えられた[13]。
に発表した「」は、ミーム文脈での使用が増えるきっかけになったとされる。バンドはエレベータ会社とのタイアップ契約があったかのように語る一方、契約書の公開はなく、SNSでは“契約ではなく偶然の同期”と揶揄された[14]。一方で、プロデューサーの緩和テクノ研究会は「偶然は設計である」として同期を擁護している。
ブレイクと再編(2008年-2012年)[編集]
、ライブ映像「」が発売され、累計視聴はストリーミングで約3.1億回を突破したとされる[15]。ただし当時の配信は“国別の最適化”が強く、海外での伸びは相対的に遅かったとされる。
には活動の一時停止が報じられたが、実際にはメンバーの休止ではなく“素材の再編集”に時間を費やしていたという説明が主流である。記者の取材に対し渡月マスオは「サビの前の0.93秒が違うと全部が違う」と述べたとされる[16]。この発言は過度に細かいとして一部で笑いものになったが、その後の新譜の精度に結び付いたと評価された。
最近の活動(2016年-現在)[編集]
、アルバム「」がリリースされ、以後は“素材の出どころを曖昧にする”作風が定着したとされる。観客の間では、曲中の一部フレーズが誰かの家庭録音に似ているという噂が流れたが、公式は否定も肯定もしなかった[17]。
以降はライブを簡略化し、代わりに“都市の音”を組み込む展示型コンサートを増やした。展示は内の複数のホールを巡り、来場者が同じエレベータの扉音を聴くことで“同時体験”を成立させる趣向が話題になった[18]。
音楽性[編集]
マスオファンタジアの音楽性は、サンプリング・ロックを基盤にしつつ、歌詞よりも声の“形の余韻”を重視する点に特徴があるとされる。特に「」と呼ばれる断片は、明確な意味を持たないのに聴き手の記憶だけを起動するように設計されていると語られる[19]。
楽曲の構成は、イントロ8小節→素材切替1.5拍→サビで音域を落とす、という固定ルールがライブでも再現されると報じられる。ただし、このルールは“絶対”ではなく、2012年ツアー終盤からは素材切替の位置が0.25拍ずれた版も存在するとされる[20]。
また、彼らはミュージックビデオでエレベータの鏡面反射を多用し、視聴者が自分の姿を探す余白を残したと評価される。一部の評論家はこれを「参加型ミームの音楽化」と呼んだとされるが、評論家名は資料に記載がない。
人物[編集]
渡月マスオは、ステージ上で“台詞”をほとんど言わない代わりに、曲間で発話のかわりにボタン操作音を鳴らす癖があるとされる。これは観客が「言葉の代わりに何を想像すべきか」を考えるためだと説明されている[21]。
白金リョウは、低音の定位を正確に保つため、練習前に必ず水温を測ることで知られている。水温が24.0℃のときに最初のテイクが安定するという個人的な経験則があり、スタッフはそれを“儀式”として扱っていたとされる[22]。
一方で、三日月ミオは社会的な評価を嫌い、インタビューでは「評価は後から来る」とだけ答える傾向があるとされる。このため報道記事の中身が少なく、ファンによって補完された逸話が公式のように広がることがある[23]。
評価[編集]
国民的バンドと称されることもあるが、評価は分かれている。肯定側は、家庭の記憶に似せた素材を音楽へ昇華した点を高く評価しており、「言語化できない感情の編集」だと説明する[24]。
否定側は、素材の出どころが曖昧である点を問題視し、盗用ではないかという疑念が周期的に再燃してきた。特に「」がミームとして拡散したことで、曲の意味よりも“使われ方”が先行したとされ、バンドの意図が薄まったとの批判がある[25]。
ただし橙音レーベルは、素材の権利関係について「音の位置情報として管理している」としており、制度の説明としてはやや抽象的だと指摘されている[26]。
受賞歴/賞・記録[編集]
の日本レコード大賞(架空の新設部門)では、シングル部門で「」が金賞相当として紹介されたとされる[27]。なお、この年の受賞形態は資料により表記が一致せず、一部では“特別賞扱い”とされている。
にはストリーミング認定で、楽曲「」が累計で5,000万回再生の壁を突破したと報道された[28]。また同年のライブでは、チケット購入者のうち約18.7%が“エレ民”名義でファンクラブに登録したとされる[29]。
には公式MVが「ミラー映像の実験賞」を受けたとされるが、授賞機関の名称がファンサイトのみに現れるため、出典の信頼性が議論されたと記録されている[30]。
ディスコグラフィ[編集]
シングル・アルバムを中心に、配信限定の作品も多い。以下では代表的な作品を列挙する。
- シングル:『』(2004年)、『』(2002年・インディーズ先行)、『』(2005年) - CDシングル:『』(2006年) - 配信限定シングル:『』(2010年)、『』(2014年) - アルバム:『』(2016年)、『』(2019年) - ベスト・アルバム:『』(2022年) - 映像作品:『』(2008年)、『』(2017年)
ストリーミング認定[編集]
公式に整備されたストリーミング認定の数値として、アルバム『』の主要曲が累計で合計約2.6億再生を記録したとされる[31]。また、配信限定曲『』は公開から最初の72時間で約310万再生を達成したと報道された[32]。
一方で、ミーム文脈での二次利用により、認定よりも“引用回数”が先行して語られることがある。そのため、ストリーミング認定が必ずしも社会的な拡散を正確に反映していない可能性も指摘されている[33]。
タイアップ一覧[編集]
タイアップは多岐にわたるとされるが、実際には“広告というより演出”に近い形で語られることが多い。
にはの展示施設「ミラーシティ」内で曲の断片を流すタイアップが行われたとされる[34]。にはゲーム番組風の配信企画で「」が背景BGMとして採用されたと報じられた[35]。
また、エレベータ関連企業とのタイアップが“契約ベース”で語られることがあるが、公式に明確な文書が提示された記録は見当たらない。とはいえ、ライブでは必ず特定機種の扉音が入るため、視聴者はこれを実質的な提携と受け取っている[36]。
ライブ・イベント/ライブ・コンサートツアー[編集]
ライブは段階的に進行し、終盤で“素材の読み替え”を行う演出が特徴とされる。代表的なツアーとして、に始まった「エレ民巡礼ツアー」(全41公演)が知られている[37]。
の「幻奏エレ民第1号ツアー」では、会場ごとに天井高が異なるため反響が変わり、同じ曲でも聴こえ方が少しずつ変化したとされる。この点が“ファンが現場の違いを語る”文化を強めたと評価された[38]。
以降は都市音響展示と組み合わせた「素材の静電気フェス」を実施した。主催側は「音は移動する」と説明し、来場者が入口から出口までの導線で曲の断片を段階的に受け取る仕組みを採用したとされる[39]。
出演(テレビ/ラジオ/映画/CM)[編集]
テレビ出演としては系列の音楽番組に「素材の余白」企画で出演したとされる[40]。ただし放送回の特定が困難で、ファン間では“夏の臨時放送”として伝わっている。
ラジオでは、を連想させる番組「夜の素材編集室」にゲスト出演したとされる[41]。映画では、港区を舞台にした青春小説の実写化作品に、本人名義ではないが“扉音演出”として関与したという噂がある[42]。
CMではエレベータのメーカーではなく、音響機器のブランドに「幻想帯域テスト」が採用されたと報じられた[43]。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
にへ初出場したとされる。曲目は「」で、ステージ上では歌詞の代わりに“素材の文字起こし風字幕”が表示されたと報じられた[44]。
ただし、紅白における字幕の内容は複数の記録で差異があるため、演出の細部は未確定とする見解もある[45]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡月マスオ『素材は嘘をつかない:5人組ロックの現場記録』橙音レーベル, 2006.
- ^ 白金リョウ『低音の定位と水温の相関(研究ノート)』港区立図書音響室出版, 2010.
- ^ 三日月ミオ「“0.93秒”の設計思想」『音響研究季報』第18巻第2号, pp. 41-58, 2011.
- ^ 桐生サキ『幻想帯域の生成:シンセの余白を測る』緩和テクノ研究会, 2014.
- ^ 古代テル「家庭録音に似せる作曲法:メンフィス・ポップロックの実験」『現代サンプリング音楽論文集』Vol. 3, No. 1, pp. 77-95, 2015.
- ^ 橙音レーベル編集部『マスオファンタジア・クロニクル』橙音レーベル, 2023.
- ^ 田中明次『ミラー映像とミームの接続点』メディア音響学会, 2019.
- ^ Margaret A. Thornton『Internet Elevator Culture and Short-Form Sound Design』Nebula Press, 2020.
- ^ Eiko Sakamoto「Appropriating Domestic Silence in Sampling Rock」『Journal of Meme Music』Vol. 12, No. 4, pp. 201-219, 2022.
- ^ 鈴木啓介『日本レコード大賞の“非公式部門”』幻の年鑑社, 2009.
外部リンク
- マスオファンタジア 公式サイト
- エレ民のための歌詞保管庫
- 橙音レーベル アーカイブ
- 緩和テクノ研究会 特設ページ
- 港区立図書音響室 デジタル閲覧室