村上冷泉
| コンビ名 | 村上冷泉 |
|---|---|
| 画像 | — |
| キャプション | ネタ中に氷点下の“身振り手振り”を行うことで知られる |
| メンバー | 村上 凍馬(むらかみ とうま)、冷泉 透(れいせん とおる) |
| 結成年 | 2009年 |
| 解散年 | 現時点で活動継続 |
| 事務所 | 冷泉観測倶楽部 |
| 活動時期 | 2010年代前半〜現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| ネタ作成者 | 主に凍馬、監修は透 |
| 公式サイト | reizens-official.example |
村上冷泉(むらかみ れいせん)は、冷泉観測倶楽部所属の日本のお笑いコンビである。[[2009年]]結成。[[M-1グランプリ]]2018年ファイナリストとして知られる[1]。
概要[編集]
村上冷泉は、[[漫才]]と[[コント]]を軸に、日常の“温度”を極端に数値化しながら滑稽な結論へ導くスタイルで知られる。観客に説明する前から、舞台上の空気を「公式の気象データに換算する」ような振る舞いが入る点が特徴である[1]。
コンビ名の由来は、冷えた川や湧水を“芸能的に再現する”という発想にあるとされる。特に冷泉 透は「名前は地質学の比喩で、凍馬は“ボケを冷蔵庫に入れる”担当である」と述べ、以後の役割分担が定着したとされる[2]。
メンバー[編集]
村上凍馬(むらかみ とうま)は[[ボケ]]担当である。発話速度は一定だが、言い終わり直前だけ声のピッチが0.8 Hz下がる癖があり、そこを合図に観客が笑いの準備を始めると語られる。
冷泉透(れいせん とおる)は[[ツッコミ]]担当である。ツッコミは短く、代わりに拳の角度で“採点”をする。事務所内の報告書では透のスタイルを「視覚的採点ツッコミ」と呼んでいる[3]。
両者の衣装は基本的に統一されており、凍馬は“温度計の文字盤”がプリントされたネクタイ、透は“湧水マップ”風のマントを着用する。視覚要素が先に成立するため、後述の数字ギャグが聞き取れない場面でも笑いが起きるとされる。
来歴/略歴/経歴[編集]
村上冷泉は[[2009年]]に結成された。公式には同年[[4月]]、東京都内の小劇場で行われた即興ライブ「氷結プロトコル」で知り合ったとされる[4]。ただし当時のライブ台本には“出会いは[[2008年]]夏、駅前の自販機の前”とも記されており、関係者は「数字はネタの一部だから気にしない」と語っている。
2013年、[[NSC]]ではなく“生活実験教室”の修了イベントを経て、2人は本格的にテレビ向けの構成へ移行した。冷泉透が「説明口調を漫才の部品に変える」と言ったことで、以後は“観測→換算→宣言”の順で進むようになった[5]。
2017年には東京進出を発表し、活動拠点を[[東京都]][[新宿区]]の簡易スタジオ「第3冷却庫」に移した。スタジオは実際には倉庫であり、彼らは「倉庫を“冷却している”ことにした」と笑っていたという[6]。
芸風[編集]
村上冷泉の芸風は、[[漫才]]では相手の発言を“測定値”として扱い、[[コント]]では“温度差”が物語の論理法則になる仕組みである。たとえば凍馬が「眠いです」と言うと、透は「現在の眠気指数は17.3(単位不明)」と即答し、次に“単位の訂正”へ話題をずらす。
ネタ作成は凍馬が担当するが、透は必ず「誤差」を入れる役回りをする。公式には誤差は0.7%以内に調整されるとされるが、裏方の証言では“0.7%は嘘で、実際は気分で±3.2%動く”とされる[7]。
また、彼らは観客参加型の小道具として「湧水メジャー」を使う。これはただの定規だが、演目によって長さが“換算される”。単独ライブでは最短が19.0 cm、最長が“語られなかったが大きい”とされ、会場によって伝説が更新されている。
エピソード[編集]
代表的なエピソードとして「氷点下告白事件」が挙げられる。[[2018年]][[9月]]、地方番組の公開収録で凍馬が告白系のセリフを言いかけた際、透がマイク越しに“告白温度”を読み上げた。温度は-4.6℃、告白の成功確率は22.41%とされ、観客は一斉に「恋が数字になった」と理解したという[8]。
次に有名なのが「冷蔵庫スポンサー騒動」である。彼らは実在しない企業「[[冷蔵水酸化株式会社]]」のCM風ネタを披露したが、現場スタッフが勘違いしてテロップを出してしまったとされる。翌週、事務所は“商品ではなく比喩としてのスポンサー”であると説明し、透は「誤解は温度で解ける」と付け加えた[9]。
さらに、冠番組「[[冷泉観測チャンネル]]」では、ネタの途中で突如、当日の天気を[[気象庁]]の発表から“笑いの指数”に換算するコーナーが入った。ここで算出式は毎回変わり、ある回では「笑い指数=降水確率×湿度/13.0」と説明されたが、最後に凍馬が「最後に13.0を足すのは僕の癖」と暴露した[10]。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は「[[氷原オーバーチュア]]」とされる。実際の音源は“オーケストラ”ではなく、電子レンジの加熱音を編集したものだと紹介されたことがあるが、本人たちは「レンジは楽器で、楽器はうそをつく」と語ったという[11]。
[[M-1グランプリ]]では2016年に2回戦敗退、2017年に3回戦進出、そして2018年にファイナリストへ進出した。2018年準々決勝では最終順位が「参加者の体感で決まる」として発表され、結果的に審査員の一人が“体感偏差値”で採点したとされる[12]。
そのほか、[[キングオブコント]]2019年はセミファイナルまで進み、持ちネタ「湧水の履歴書」で“説明の途中に結論を作る技術”が評価されたと報じられている。一方で、観客投票では“説明が長いほど伸びる”とされ、専門家の間では「コントの皮をかぶった漫才ではないか」との指摘もあった[13]。
出演[編集]
テレビでは[[日本テレビ]]のバラエティ枠「冷却バラエティ研究所」に[[2016年]]から不定期出演している。ラジオでは[[TBSラジオ]]の「夜間温度計」内で、ネタの裏設定を朗読するコーナーを担当したとされる。
近年の代表番組としては、前述の「冷泉観測チャンネル」([[BS日本]]で放送、全24回)と、[[NHK]]の短編バラエティ企画「一歩手前の結論」でのゲスト出演が挙げられる。なおNHK側は“出演枠は実験目的”としており、透は「芸人の顔で研究をするのが一番研究っぽい」と語ったとされる[14]。
舞台では全国ツアー「第2冷却庫ツアー」を行い、[[大阪府]][[大阪市]]では追加公演が決まった。追加分のチケットは発売開始から8分で完売したと報告されるが、凍馬は「売れたのか、単に冷たかったから逃げただけか、わからない」と言い残している[15]。
作品・単独ライブ・書籍[編集]
CD/DVDとしては、2019年発売のライブ映像「[[冷却的前進]]」(約78分)がある。収録内容には“拍手のタイミングをずらす”演出が含まれ、会場によって拍手の波が記録されるため、視聴者が「自分の家でも起きてる」と錯覚するとも言われる[16]。
単独ライブでは、最初期の「氷結プロトコル」(2012年)から「湧水の履歴書」(2018年)へ移行した。近年は「-0.0℃の告白」(2022年)と題し、タイトルだけが観測史料のように配布される形式をとっている。中身は通常のネタだが、透が「-0.0℃は“ゼロじゃない”」と強調するため、最後まで“数学の話”に聞こえる人もいるという。
書籍は、2023年に出版された随筆兼台本集「冷泉観測手帳:笑いの補正式」である。第3章では、ネタの修正手順が「差分を0.0001単位で積み上げる」と記されており、編集者の一人が「実務的には無理だが、読み物として成立している」と述べたとされる[17]。
批判と論争[編集]
村上冷泉は数字で説得するスタイルゆえ、誤解を招くことがあるとして批判されてきた。「数値が増えるほど面白い」という方針が、視聴者の理解負担を増やすのではないか、という指摘があったとされる[18]。
また、「氷点下告白事件」以降、恋愛を温度や確率で表す表現が“冷たさの助長”につながるのではないかという意見も出た。一方で本人たちは「恋は元々、心の温度に左右される“観測不能量”だ」と反論したとされる。
さらに、出囃子の由来が電子レンジ音である点についても、音響関係者から「楽器としての権利処理が曖昧では」との指摘があった。ただし事務所は「サンプリングではなく作曲だ」と説明し、議論は収束したとされる。もっとも、公式に明かされない部分が多く、「要出典」になりかけた箇所もあったとの証言もある[19]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 冷泉観測倶楽部編『村上冷泉 公式観測記録 第1巻』冷泉観測倶楽部出版局, 2019年.
- ^ 村上凍馬『笑いの温度換算表:0.7%の誤差論』青藍書房, 2020年.
- ^ 冷泉透『湧水マップで読む舞台構成』月光企画, 2021年.
- ^ 山田エリナ『“数字を先に出す”漫才の技法』笑芸研究会紀要, 第12巻第2号, pp.45-62, 2017年.
- ^ Mark D. Havel『Comedy as Measurement: Audience Calibration in Japanese Duo Acts』Journal of Performative Laughter, Vol.8 No.1, pp.101-129, 2020.
- ^ 佐藤真琴『コントにおける誤差と納得の関係』演芸学研究, 第5巻第3号, pp.9-28, 2018年.
- ^ 北村修一『出囃子は楽器か?:電子音の文化史』音響芸能学会誌, 第21巻第4号, pp.201-220, 2022年.
- ^ 林和馬『公開収録の現場学:氷点下告白事件の再検証』テレビ作家協会論集, 第3巻第1号, pp.77-95, 2019年.
- ^ 一部資料『冷蔵水酸化株式会社 テロップ問題整理』非売品, 2018年.
- ^ World Temper Index Project『Humor Index Formulae in Amateur Broadcasts』W.T.I. Press, 2016年.
外部リンク
- reizens-official.example
- 冷泉観測倶楽部 公式ファンクラブ
- 氷結プロトコル 公開アーカイブ
- 冷却バラエティ研究所 公式ページ
- 湧水メジャー 開発メモサイト