松沼兄弟
| コンビ名 | 松沼兄弟 |
|---|---|
| 画像 | 架空の公式写真(ユニフォーム風) |
| キャプション | 出囃子直前のキャッチボール風の所作 |
| メンバー | 左ボケ:松沼イチロー(まつぬま いちろう)/右ツッコミ:松沼ノリオ(まつぬま のりお) |
| 結成年 | 1989年12月 |
| 解散年 | 現時点では活動継続 |
| 事務所 | マスカット・スポーツ事務所 |
| 活動時期 | 1989年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才、野球コント |
| 公式サイト | 松沼兄弟公式(架空) |
松沼兄弟(まつぬまきょうだい、英: Matsunuma Brothers)は、マスカット・スポーツ事務所所属のお笑いコンビである。1989年12月結成。NSC07校F期生で、M-1グランプリ2014年王者とされる[1]。
概要[編集]
松沼兄弟は、ボケ担当を“左オーバースロー”、ツッコミ担当を“右アンダースロー”に見立てる漫才・コントで知られるコンビである[1]。芸名は、西武ライオンズに在籍した投手の兄弟に由来するとされ、当時の実況テープが「兄弟の呼吸が同じ」と噂になったことがきっかけであるという説明が存在する[2]。
なお、彼らのネタ作成は「投球フォームの角度」「球速の比喩」「甲子園の勝敗表」を部品化して行う方式で、舞台上の所作が競技中継の再現に近いことから、テレビのスポーツ番組と相性が良かったとされる[3]。一方で、角度計算の精度があまりに細かく、観客からは「野球より計算が本体では?」との声も寄せられたと報じられている[4]。
来歴/略歴/経歴[編集]
松沼兄弟の前身は、埼玉の大学落語研究会から枝分かれした即興ユニット『ダイヤモンド・ランナー』であるとされる[5]。当時の二人は別々のクラブチームで投手をやっていたが、片方は「左肩が冷えると滑舌が落ちる」、もう片方は「右腕の疲労が“間”に出る」という体質的な理由で、ネタの役割分担が自然に固定されたと説明される[6]。
1989年12月、当時のNSC(架空の養成機関)07校のF期同期として合流し、同月に“兄弟コンビ”として初舞台を行った。最初の公演では、出囃子に合わせてユニフォーム風衣装を半秒ずつずらして着替える演出がウケたが、衣装費が高すぎたため翌月は「ハンカチだけで投球フォームを表現する」方式に切り替えたとされる[7]。
1990年代後半には、上京を機に活動拠点を東京都の港区に移し、バラエティ番組の“球界トーク枠”に抜擢された。彼らの“兄弟由来”の説明はしばしば誇張され、実際の選手名の候補が複数出て混乱を招いたという。特に2003年の特番では、テロップに「兄弟投手の実名」と思われる表記が一瞬出たため、関係者が慌てて訂正したとする逸話が残っている[8]。
メンバー[編集]
左ボケの松沼イチローは、舞台上で左腕の“投球軌道”を意識して語尾を伸ばす癖があるとされる。本人は「左オーバースローは、言葉を“外角高め”に投げる感じになる」と述べており、ネタでは“ボール球率”を比喩として多用する[9]。
右ツッコミの松沼ノリオは、右アンダースローに見立てた低い声と短い間で応答するのが特徴である。彼はツッコミの速度を「毎秒2.3回転で返す」と表現し、実際の会話でも相槌の回数が1回ではなく“2回1セット”になっているとリスナーが報告している[10]。
二人は血縁関係ではないものの、互いの出身地を「兄」「弟」と呼び合う習慣が定着している。結果として、ファンの間では“松沼兄弟はプロ野球兄弟を換骨奪胎した存在ではないか”といった神話的解釈も広がったとされる[11]。
芸風(漫才/コント)[編集]
松沼兄弟の中心は、漫才の各フレーズを“球種”に対応させる技法である。ボケ担当は、同じ文でも「ストレート:語尾きり」「スライダー:言いよどみ」「カーブ:比喩の落ち」として崩し、ツッコミ担当はそれを受けて「判定:ボール/ストライク/ファウル」を口上で返す[12]。
特に名物とされるコント『七回の沈黙』では、観客の笑いが途切れた瞬間に計時係が“架空のスコアブック”をめくる演出が入る。台本には「客席の笑声がC帯(500〜900Hz)に収束したら、次のツッコミを0.7秒早める」といった数式めいた指示が記されており、舞台監督が「読まされるスタッフの気持ちが一番先に打ちのめされる」と語ったという[13]。
このように、野球的メタファーと放送向けのテンポを両立させたことが、スポーツ番組への出演を加速させた要因だと分析されている[14]。ただし、細かな“投球角度”の設定が後年のファンで再検証され、矛盾点が見つかって「芸は数学より感情だったのでは」という反論も生まれている[15]。
エピソード[編集]
デビュー直後の地方公演では、舞台袖に置かれた架空のスピードガンが誤作動し、表示が時刻を示すようになった。松沼イチローはその数字を拾って「この球、打たれたというより“時計に支配されてる”」とボケ、松沼ノリオは「アナログでやれ、アナログで!」と追い込んだ結果、会場が爆笑して“誤作動回”が名物回になったとされる[16]。
また、M-1グランプリ出場準備期には、ネタの“勝ち筋”を作るために台本用紙を厚さ0.38mmの競技用ノートに統一し、ページの端を必ず鉛筆で擦ることで紙鳴きを起こす工夫をしたとされる[17]。この紙鳴きは審査員の耳にだけ聞こえる周波数帯で調整されていた、という噂が残っているが、真偽は不明とされる(要出典)[18]。
2011年のある深夜番組では、二人が出囃子代わりに“キャッチャーミットの開閉音”を効果音で再現したところ、スタジオのSEが先に再生されてしまい、ツッコミのタイミングが一度だけ崩れた。その崩れをそのままネタにして「今のは、判定が先に走る“先走り三振”です」と回収し、以後“崩れを回収する兄弟芸”として定着したと報じられている[19]。
出囃子・賞レース成績[編集]
出囃子は、本人たちの説明によれば「『球跡カウント』(作者:港区在住の作曲家、架空)」であり、冒頭の和音が“ストライクの拍”に一致するよう調整されているという[20]。登場時は、ボケ担当が一拍目で左肩を落とし、ツッコミ担当が二拍目で右手を“アンダーに落とす”動作を行うことで、審査員の注意を固定させる狙いがあったとされる[21]。
賞レースでは、M-1グランプリ2014年に優勝したほか、キングオブコント2015年にファイナリストとして選出されたとされる。キングオブコントでは「“七回の沈黙”が長すぎる」と一部審査員から指摘が入ったが、直後の回収が評価され準優勝に相当する“特別加点枠”が適用された、とする記述が残っている[22]。ただし、その加点枠の存在については公式資料が確認できないとされ、編集者が脚注で“要検証”を付した経緯がある[23]。
なお、彼らの受賞歴はしばしば野球関連賞と混同される。たとえば“球界芸人大賞”のような表彰が、別の年に開催されていたという誤情報が流通したが、後に情報が整理され「松沼兄弟は“芸人”としての評価が中心」とまとめ直されたとされる[24]。
出演・作品(テレビ/ラジオ/舞台)[編集]
テレビ番組では、冠番組として『松沼兄弟の外角高め雑談』(毎週30分枠、架空の地上波)を2016年から2020年まで放送したとされる[25]。この番組では“投球フォーム選手権”が内包され、視聴者が腕の角度をスマホで測って送る企画があった。放送後に、角度計測の解像度が高すぎてクレームが来たという珍事件があり、説明文を「指ではなく肘で測定してください」に変えたとされる[26]。
ラジオでは『マスカット放送局・7回裏の深夜』で、松沼ノリオが“低いツッコミ”を意識して喉を開く練習を毎回報告したとされる[27]。二人は舞台にも積極的で、単独ライブ『左オーバー、右アンダー、笑いはストライク』を全国9都市で開催したという記録がある[28]。
作品面では、CD『兄弟式・スコアブック漫才集(Vol.1)』とDVD『七回の沈黙(完全版)』が販売されたとされる。DVD特典には「失敗したツッコミのテイク集」も含まれていたとされ、ファンの間で“回収の上手さ”を学べる教材のように扱われた[29]。
批判と論争[編集]
松沼兄弟の“野球パラメータ化”には、賛否があった。支持派は「言葉のタイミングが明確で、初心者でもリズムが理解できる」と述べた一方、批判派は「試合観戦の知識がないと比喩が空中分解する」と指摘したとされる[30]。
また、芸名の由来が西武ライオンズの兄弟投手にあるという説明について、球団側が関係性を否定した時期があったとされる。もっとも否定内容の詳細は公表されず、「芸名は“敬意”であり“実在の本人”を指すものではない」という曖昧な整理に落ち着いたと報じられている[31]。
さらに、ネタ中の計算描写があまりに具体的であることから、芸人が“現場の野球経験者”でないのではという疑念も広がった。これに対し松沼イチローは「左オーバーは生まれつきではなく、笑いのために作るものだ」と反論したとされるが、当人の証言の一部に食い違いがあるとの指摘も存在する[32]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 山口バルド『笑いの球種表—松沼兄弟の数式漫才』幻冬舎, 2018.
- ^ 松沼イチロー『左オーバーで育てる言葉』マスカット出版, 2016.
- ^ 高橋寛治『テレビバラエティとスポーツ実況の交差点』NHK出版, 2015.
- ^ Catherine Wells, “Timed Laughter in Baseball Metaphors: A Performer’s Toolkit,” Journal of Broadcast Comedy, Vol.12 No.3, pp.44-61, 2019.
- ^ 井上清『審査員の耳はどこにあるか—M-1の評価設計』講談社, 2014.
- ^ 佐藤ミナ『コントにおける沈黙の設計—七回裏の間隔理論』東京芸能大学紀要, 第7巻第2号, pp.120-138, 2020.
- ^ Nakamura Ryo, “Throwing Angles and Punchlines: An Anecdotal Study,” International Review of Comedy Performance, Vol.5 No.1, pp.1-19, 2017.
- ^ 『第26回M-1グランプリ記録集(架空)』フジ映像編集局, 2014.
- ^ 松田丈『出囃子の音響学と舞台の注意固定』音響協会誌, 第33巻第4号, pp.210-229, 2012.
- ^ 編集部『球界芸人アワード大全(誤記訂正版)』スポーツ出版社, 2021.
外部リンク
- 松沼兄弟公式(架空)
- マスカット・スポーツ事務所 ライブ情報
- 外角高め雑談 視聴者投稿アーカイブ
- 七回の沈黙 公式ライナーノーツ
- 球跡カウント 音源研究室(架空)