権道 伝右衛門(KENDO Daemon)
| 名前 | 権道 伝右衛門 |
|---|---|
| 本名 | 権道 伝次(ごんどう でんじ) |
| ニックネーム | 伝右衛門(でんえもん)、KENDO |
| 生年月日 | 1979年〈昭和54年〉11月3日 |
| 没年月日 | |
| 出身地 | [[東京府]][[台東区]] |
| 血液型 | AB型 |
| 身長 | 172 cm |
| 方言 | 江戸っ子調(東京方言の作法寄り) |
| 事務所 | [[羅布楽]] |
| 活動時期 | 2003年-現在 |
| 受賞歴 | R-1ぐらんぷり2011ファイナリスト(審査員特別で“次点の次点”を獲得) |
| 公式サイト | 権道伝右衛門 公式活動記録 |
権道 伝右衛門(ごんどう でんえもん、英: KENDO Daemon)は、[[東京府]]出身の[[日本]]のお笑い芸人である。[[羅布楽(らぶがく)]]所属のピン芸人として活動し、暗算のように早いツッコミで知られている[1]。
略歴/来歴[編集]
権道 伝右衛門は、[[東京府]][[台東区]]で生まれ、幼少期から「言葉の残響」を測る癖があったとされる。小学校の音読テストでは、同じ文章を3回読むたびに最後の助詞だけ変える“母音置換”を行い、先生を困らせたという[1]。
彼の芸名は、ある都市伝説的な出来事から名付けられたとされる。[[2001年]]、雷雨の夜に浅草近くの小劇場で停電が起き、舞台に残った古い看板の文字が反射して「権道 伝右衛門」と読めたためである、という説明がファンの間でよく語られる。もっとも本人は、後年のインタビューで「看板は読めるが、読まれる側は選べない」と語っており、由来には複数の説がある[2]。
[[NSC]]のような養成学校に相当する[[羅布楽放送芸術学院]]の第17期に入学し、演芸の基礎と同時に“笑いの誤差解析”を学んだ。ここで彼は、ネタの着地点を「観客の瞬きの周期」に合わせる手法を身につけたとされ、現在の早口ツッコミの原型になったと推定されている[3]。
人物[編集]
伝右衛門は、食事中に箸を一定間隔で置く癖があることで知られる。関係者によれば、箸の着地音が「ドン・チッ・ドン」と揃うまで食べるのを止めるため、焼き鳥屋では店員が先に串を回して調整することがあるという[4]。
また、彼は“道”に異様なこだわりを見せる。単なる語感ではなく、[[道路交通法]]の標識や、駅の構内誘導の矢印を「論点の置き場」として扱うためである。舞台上でも、ネタ終盤に指で空中へ矢印を描きながら「この角度なら、笑いが曲がって戻ってくる」と説明したことがある[5]。
私生活では、深夜の散歩を日課にしており、散歩の距離を毎回「[[信号機]]17基分」と表現する。彼自身は「メートルで言うと嘘っぽくなるから」と語ったが、実測では平均して約2.3 km前後とされる[6]。この“嘘っぽさ回避”が、後述する独特のネタ作りにも反映されている。
芸風/作風[編集]
権道伝右衛門の芸風は、主に一人漫才に近い構成のピン芸である。ボケは抑えめで、相手がいるように見せる「幻の相槌」を多用し、最後にツッコミを畳みかけるタイプとして知られている[7]。
ネタの技法として、彼は自作の“[[権道メトロノーム]]”を持ち込む。これはステージ袖に置かれた小型の打音装置で、舞台照明の点滅と連動して時刻を刻む。本人は「笑いはテンポ芸、誤差は設計である」と述べ、2019年の単独ライブでは“クリック音83回でオチが落ちる”というルールを公開したという[8]。
さらに、社会風刺の方向性が特徴である。彼は企業の説明資料を模した語りを行い、数式や工程表のような文体で日常の会話を破壊する。例えば「コンビニのレジが遅いのは人ではなく、情報の[[遅延]]が人格を持つからだ」と言い、聞き手の同意を待つ“疑似討論”を挟む。観客が困った顔をした瞬間にツッコミが刺さるよう計算されているとされる[9]。
受賞歴[編集]
伝右衛門は、[[R-1ぐらんぷり]]で2011年にファイナリストへ進出した。本人は結果よりも「審査員の左目が瞬いた瞬間」をネタ帳へ書き留めたことで話題になった[10]。
また、[[キングオブコント]]に相当する地域大会「[[浅草即興笑劇]]」では、2014年に“準優勝相当”の称号を獲得したとされる。この大会では順位表が上から順に重ね印刷されており、スタッフがうっかり2位欄だけ裏返して配ったことがあり、その紙を見た観客がSNSで拡散したのがきっかけになったという。公式発表は「次点の次点」として扱われている[11]。
その後、[[2018年]]にはラジオの企画で「伝右衛門の深夜・口説き定規」が評判となり、番組内特別賞を受けた。賞状には、なぜか“定規の目盛りが一部欠けている”ことが印字されていたと伝えられる[12]。
出演[編集]
テレビでは[[東京チャンネル8]]のバラエティ『[[深夜の誤差]]』にレギュラーとして出演し、1回の収録で必ず3回だけ「本気で謝る」コーナーを担当したとされる。これは彼の照明同期ギミックが原因で、スタッフが毎回“謝罪用の空気”を用意したという[13]。
また、ラジオでは[[FM文庫]]の『[[権道 伝右衛門の矢印相談室]]』が長寿番組として知られる。相談内容は恋愛よりも町の導線や駅の階段の向きが多く、「上りの階段は人生、下りの階段は家計」といった断定調が定番化した[14]。
映画では、ドキュメンタリー風の架空作『[[最後の案内板]]』(2017年)に本人役として出演した。予告編では本人が無言で矢印だけを指し続ける場面が使われ、公開後に“あれはどこからどこまでが演技か”が議論になったとされる[15]。
作品[編集]
CDとして『[[クリック音の約束]]』(2013年)をリリースしている。このアルバムは、実際のネタ音声とともに、トラックごとに「笑いの到達見込み秒数」が併記された体裁をとっていた。ファンの間では、到達秒数の予想が当たるたびに公式で“拍手換算”が行われたという[16]。
DVD『[[幻の相槌全集]]』(2016年)では、同じボケを“相槌の質”によって3種類に分岐させる編集がされている。視聴者がどの分岐で笑ったかをSNS投票で報告し、次回ライブのネタの修正に反映されたとされるが、本人は「修正というより、戻しである」と言い換えた[17]。
近年は配信での短編動画『[[矢印だけの30秒]]』を継続しており、毎回ラストの指差し角度だけがわずかに異なる。角度差は“6分の1度”単位で語られているが、実際の計測方法は明らかにされていない[18]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡邉精一郎『現代ピン芸の誤差設計』東都出版社, 2009.
- ^ Marta A. Thornton「Tempo-Based Audience Response in One-Person Comedy」『Journal of Applied Laughter』Vol.12 No.4, pp.77-96, 2012.
- ^ 橋爪咲良『笑いの矢印:導線哲学の芸能応用』文眞堂, 2015.
- ^ 権道伝次『クリック音と謝罪の社会学』羅布楽文庫, 2018.
- ^ 佐倉緑『停電看板学の基礎と応用』台東学術会報, 第7巻第2号, pp.31-44, 2003.
- ^ Hiroshi Kuroda「The Metronome Stage Device and Timing Illusions」『International Review of Stage Timing』Vol.3 No.1, pp.1-19, 2016.
- ^ 谷川慎也『ラジオ相談室の言葉遣い実験』FM文庫研究所, 第2巻第9号, pp.203-219, 2020.
- ^ Caroline M. Weiss「Arrow-Gesture Semantics in Japanese Variety」『Studies in Gesture Comedy』Vol.8, pp.55-73, 2017.
- ^ 神谷真琴『浅草の導線、人生の導線』雷鳥書房, 2014.
- ^ 『権道伝右衛門出演記録(修正版)』東京チャンネル8編, pp.10-44, 2021.
外部リンク
- 権道伝右衛門 公式活動記録
- 羅布楽 公式アーカイブ
- FM文庫 番組アーカイブ
- 東京チャンネル8 深夜の誤差
- 浅草即興笑劇 記録倉庫