水戸市立うんちぶりぶり楽団ホール
| 所在地 | 茨城県水戸市千波町3-47-8 |
|---|---|
| 施設種別 | 公立ホール(音楽・教育・即興系イベント) |
| 開館 | (水戸市教育文化重点整備期) |
| 収容人数 | 約612名(可動席・段差式) |
| 主な用途 | 市立楽団演奏会、公開講座、参加型サウンドワーク |
| 運営 | 水戸市教育文化局 文化振興部 施設活用課 |
| 公式愛称 | うんぶりホール |
| 特徴 | 床下共鳴ダクトと“笑い返し”照明制御 |
水戸市立うんちぶりぶり楽団ホール(みとしりつ うんちぶりぶりがくだんホール)は、にある多目的な文化施設である。地域の演奏会・公開講座・即興イベントを統合して運用する仕組みが特徴とされる[1]。
概要[編集]
水戸市立うんちぶりぶり楽団ホールは、音楽文化の普及を目的に設計された公立施設である。利用形態は固定公演だけにとどまらず、学校連携の講座、参加型の即興セッション、音響を体感するワークショップまで含むとされる[1]。
同施設は、観客の反応を“音響入力”として扱う独自の制御方式でも知られている。具体的には、客席側の反響パターンと拍手のリズムを参照し、舞台照明と残響の初期減衰を自動調整する「共鳴ダクト制御」が採用されたと説明される[2]。
名称については、市民公募で「うんちぶりぶり」を含む語が候補上位に残ったという経緯が語られる。なお、この公募の一次審査基準は“音の立ち上がりが滑らかであること”とされ、審査員が実際に候補語を口にして確認したと記録されている[3]。
歴史[編集]
構想の出発点:教育局の“笑い耐性”研究[編集]
施設計画は、が主導した授業内音楽活動の拡張構想から始まったとされる。1990年代初頭、同局には「児童の聴取負荷は笑いで減衰する」という仮説が持ち込まれ、学習成果の再現性を確かめるための実験会場が検討された[4]。
試験会場として選ばれたのは、当時「千波町の旧倉庫群」と呼ばれた一帯である。倉庫の壁面は石灰モルタルで統一され、反響が平均化しやすいと評価された一方、天井高が不揃いであるために、最終的には本格的なホール建設へ移行したとされる[5]。
また、音響設計には「拍手を“自然な打楽器”として扱う」方針が採用されたと伝えられる。この方針は、内の学校吹奏楽団の練習データを解析したの報告書に基づくとして引用されている[6]。
開館まで:市立楽団の初回公演と“うんぶり誓約書”[編集]
開館準備は、楽団の初回定期演奏会と同時に進められたとされる。1994年の計画では、初回公演のリハーサル回数を“合計13回、うち2回は夜間微風(風速0.8〜1.1m/s)”と細かく定めたことが議事録に残っている[7]。
さらに、舞台裏では「うんぶり誓約書」と呼ばれる内部文書が配布されたとされる。内容は、演奏者が本番当日“うんちぶりぶり”という語を発声しないこと、代わりに言い換え語(例:うんうん、ぶりり、音ぶり)を用いること、という一見滑稽な規則である。ただし文書作成の目的は発声によるマイク汚染を避けることだと説明された[8]。
初回公演では、ホールの床下共鳴ダクトが試験稼働し、観客には「反応指数」を記録するリストバンドが配布されたとされる。記録項目は“笑いの立ち上がり(秒)”“鼻息の乱れ(段階)”“拍手の遅延(ms)”など、妙に生々しい指標で構成されており、後に“当時の科学が勢いを超えた好例”として校正担当が嘆いたという[9]。一方で、そのデータが後年の照明制御の精度向上に寄与したともされる。
運用の変化:即興イベントの制度化と論争[編集]
開館後、同ホールは「鑑賞中心」から「参加型」へ比重を移したとされる。転機となったのは、1998年に導入された“3分だけ参加”制度である。参加者は舞台袖に入り、3分間だけ楽団と同じリズムを踏むことが許され、残りの時間は客席で聴く仕組みとされた[10]。
この制度は市民に好評だった一方、学術的には「即興の境界が曖昧になる」との指摘もあった。特に、音楽教育を所管する内で、参加者のリズムが演奏の自由度を奪うのではないかという懸念が議論されたと記録されている[11]。
なお、2012年からは“笑い返し”と呼ばれる照明制御の調整値が公開されるようになった。公開された調整値は「初期減衰係数0.41〜0.53」「色温度は昼白色の中間域(およそ5200K前後)」など、実務者向けの数値が並んだとされ、一般市民にはやや理解が難しかったと伝えられる[12]。
批判と論争[編集]
施設の愛称である「うんぶりホール」については、命名に関する“語感優先”の採点が過剰ではないかという批判が出た。特に、市議会の一部では「文化施設における審査で言葉の下品さが混ざるのは適切でない」という主張がなされたとされる[13]。
一方で、支持側は「笑いは音の包絡に影響し、結果として残響制御の精度が上がる」と反論したとされる。照明制御の仕組み自体は合理的だと説明されており、拍手のタイミングを手掛かりに舞台側の減衰を微調整する点が評価されている[2]。
また、“反応指数”のような生理指標に近い記録が含まれることについて、プライバシーの観点から不安の声もあった。ただし運営側は「数値は個人特定に使用されない」こと、集計は無記名で実施されることを強調し、最終的に運用指針の文言が改められたとされる[14]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 水戸市教育文化局『文化施設整備の基礎資料(平成5年度)』水戸市教育文化局, 1993.
- ^ 佐藤礼次『拍手の時間構造と残響初期減衰の関連について』『日本音響教育研究』第12巻第2号, 1996, pp. 31-48.
- ^ Margaret A. Thornton『Audience Response as Acoustic Control Input』『Journal of Civic Acoustics』Vol. 7 No. 1, 2001, pp. 11-26.
- ^ 鈴木みどり『参加型音楽イベントの設計倫理:反応指数の扱い』『音楽教育政策研究』第4巻第1号, 2005, pp. 77-96.
- ^ 東京音響工学研究会『学校吹奏楽データ解析報告書:拍手遅延の統計』東京音響工学研究会, 1992.
- ^ 中村健太郎『公立ホールにおける可動席運用と観客反射率の推定』『建築音響ジャーナル』第19巻第3号, 1998, pp. 205-229.
- ^ 水戸市『市議会会議録(平成6年・第3回定例会)』水戸市議会事務局, 1994.
- ^ 高橋幸子『“うんぶり誓約書”再読:舞台裏運用とマイク汚染回避』『舞台技術と現場資料』第2巻第4号, 2010, pp. 60-74.
- ^ 田代真理『文化施設の命名と市民合意形成:語感評価の制度設計』『地域文化ガバナンス研究』第8巻第2号, 2014, pp. 1-18.
- ^ Unclear Committee『Guidelines for Laughter-Responsive Lighting Systems』(タイトルがやや不明瞭)『Proceedings of the Informal Acoustics Conference』Vol. 15, 2003, pp. 99-113.
外部リンク
- うんぶりホール公式アーカイブ
- 水戸市教育文化局 文化振興部 施設活用課
- 共鳴ダクト制御技術メモ
- 千波町イベントカレンダー
- 観客反応指数(公開Q&A)