負けウマ娘調教施設
| 名称 | 負けウマ娘調教施設 |
|---|---|
| 種類 | 循環式調教場・観測ドーム併設施設 |
| 所在地 | (海霧地区) |
| 設立 | 17年(2005年)12月3日 |
| 高さ | 観測ドーム 38.7 m(風向計を含む) |
| 構造 | 二重リング鉄骨+滑走床(制動ゲル) |
| 設計者 | 糸魚川港湾建築設計協同組合(通称:港建協) |
負けウマ娘調教施設(まけうまむすこちょうきょうしせつ、英: Make-Uma Musuko Training Facility)は、にある[1]。
概要[編集]
現在では、は「負け癖を矯正する」という教育思想に基づく、循環式の調教場として知られている[1]。
施設名は俗称として広まり、当初は「勝敗よりも体調を固定する」研究拠点として計画されていたとされる。ただし、公式記録では一部の資料が意図的に欠落していると指摘されている[2]。
同施設は、調教後の回復行動を計測するための観測ドームを併設しており、海霧地区の湿度データと運動負荷を結び付ける運用が特徴とされる[3]。
名称[編集]
名称の「負けウマ娘」は、競走本番での勝敗ではなく、日常調教で“遅れを取った個体”を想定したプログラム名に由来すると説明されている[4]。
一方で、施設の開設式典で配布されたパンフレットでは「負けとは、反射的に諦める習慣である」と短い一文が添えられており、言葉の印象が独り歩きした経緯があるとされる[5]。
なお、行政文書では正式名称が長く、略称として「負けウマ娘調教施設」が定着したとされるが、登録台帳の記載揺れが複数確認されている[6]。
沿革/歴史[編集]
計画の端緒(“負け”概念の工学化)[編集]
が主導した調教効率化事業は、10年頃に始まったとされる。自治体資料では、当時の調教現場で“ペースが落ちる区間”が毎回同じ場所に現れ、原因の切り分けが困難であったと記録されている[7]。
そこで、海霧地区の気流を利用して速度を自律的に調整する「逆向き制動ゲル床」の試験が提案され、のちに循環式リングの形へ発展したと説明されている[8]。
ただし、会議議事録の一部(通称「第9綴り」)には、なぜ“負け”という語が採用されたかの記述が空欄であることが知られている。空欄が「都合の悪い表現を避けた」結果なのか「記録が焼失した」結果なのかは不明とされる[2]。
建立と社会導入(2005年の観測ドーム騒動)[編集]
施設は17年12月3日に竣工し、観測ドームの風向計は世界測地系と同期する設計思想で取り入れられたとされる[9]。
当初、ドーム内の音響が反響しすぎる問題が起き、運用開始からわずか36日後に、床材の摩擦係数を0.62から0.59へ調整した記録が残っている[10]。
また、地元の商店街では「負けウマ娘が勝手に増える」という噂が広がり、施設見学ツアーの参加者が予想の2.4倍になったとされる[11]。この“噂”は後に、見学者が持ち帰った海霧地区の砂塵が原因で、計測装置のキャリブレーションが短期的に狂ったことに由来していたと説明された[12]。
施設[編集]
施設は、外周リング(全長1,920 m)と内周リング(全長1,280 m)の二重構造で構成され、両リングの間に観測回廊が設けられている[13]。
滑走床は制動ゲル床とされ、運動負荷の変化を“沈み込み量(mm)”で換算する方式が採用されている。運用上の目標値は、平均沈み込みが直線区で7.3 mm、カーブ区で8.9 mmになるよう調整すると説明されている[14]。
また、観測ドームは半径19.35 mの球冠形で、内部の照度は調教段階ごとに17段階に細分化されている。夜間は照度を通常の1/3.8に落とし、反応速度のばらつきを抑える設計とされる[15]。
建物は海霧地区の塩害を想定し、防錆塗膜を3層に分け、点検の周期を「年ではなく走行距離」で管理する珍しい運用が採用されている。記録上、点検距離は累計走行距離が1万kmに到達するたびに行うとされる[16]。
交通アクセス[編集]
は中心部から海霧地区方面へ約8.6 kmに所在する[17]。
最寄りの公共交通としては、JR在来線の(仮駅名としての扱い)から徒歩約22分とされる。駅は開設当時、観測ドームが見える方向に改札口が設計されたとも言われているが、駅舎竣工図面が「見せない」形で保管されている点が注目されている[18]。
自動車の場合、北側道路からは「循環リング東ゲート」へ進入する動線が案内されている。施設公式案内では駐車枠が「普通車210台、マイクロバス7台」と記載されており、イベント時には臨時枠が追加されるとされる[19]。
文化財[編集]
同施設は、構造の実験性と景観価値を理由に、24年に「湿度工学と競走教育の融合建築」として登録対象となったとされる[20]。
登録の正式名称は「糸魚川海霧地区循環調教建築」とされ、管理番号はKC-1047であると報告されている[21]。
また、観測ドーム内部の計測機構(風向計の同期ユニット)が、資料保存のために立入制限付きで保全されている点が特徴とされる。立入制限は“展示”ではなく“劣化回避”を目的としていると説明されるが、制限の厳しさが来訪者の間でしばしば「負け要素の管理」と誤解されることがある[22]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 糸魚川市教育スポーツ局『海霧地区競走教育基盤整備報告書』糸魚川市役所, 2005年, pp. 12-47.
- ^ 港建協『二重リング鉄骨の実験設計と運用』港建協技術季報, Vol.8, 第1巻第2号, 2006年, pp. 33-61.
- ^ Margaret A. Thornton『Acoustic Variance in Dome-Type Training Venues』Journal of Applied Arena Mechanics, Vol.41, No.3, 2007年, pp. 201-223.
- ^ 山崎和明『制動ゲル床の摩擦係数調整実務』日本建築教育会論文集, 第17巻第4号, 2008年, pp. 77-96.
- ^ 新潟県観光建築課『湿度工学と観測ドームの景観評価』新潟県観光建築課資料, 2012年, pp. 5-18.
- ^ 糸魚川港湾建築設計協同組合『海霧地区塩害対策の三層防錆塗膜計画』港湾建築研究, Vol.3, 2004年, pp. 1-29.
- ^ Klaus Riedel『Synchronization of Wind Sensors with Local Geodetic Frames』Proceedings of the Nordic Measurement Symposium, Vol.12, 2009年, pp. 88-104.
- ^ 平田玲香『“負け”という語がもたらした運用上の副作用』競走教育史研究, 第2巻第1号, 2013年, pp. 51-63.
- ^ 糸魚川市文化財保護委員会『KC-1047 登録理由書(糸魚川海霧地区循環調教建築)』糸魚川市文化財保護委員会, 2012年, pp. 9-27.
- ^ 『負けウマ娘調教施設 見学パンフレット(第1版)』糸魚川観測観光社, 2005年, pp. 不明(編集履歴より).
外部リンク
- 糸魚川海霧地区アーカイブ
- 港建協 技術データポータル
- 湿度工学と景観の研究会
- KC-1047 保全記録室
- 循環リング建築ナビ