韓国第九百七十二共和国
| 正式名称 | 韓国第九百七十二共和国 |
|---|---|
| 通称 | 972共和国 |
| 存在時期 | 812年 - 813年 |
| 首都 | 漢陽臨時議政府(現・付近とされる) |
| 公用語 | 古朝鮮語、漢文 |
| 政体 | 任期再起式共和国 |
| 元首 | 第972代執政官 盧仁澄 |
| 通貨 | 紙貝貨・塩券 |
| 国章 | 九重波紋と黒松 |
| 標語 | 九たび倒れて一たび起つ |
韓国第九百七十二共和国(かんこくだいきゅうひゃくななじゅうにきょうわこく、英: Korean 972nd Republic)は、南部の諸港と内陸共同体を結ぶ連邦的なとして語られる、極めて短命かつ反復的な共和国である[1]。からまで存続したとされ、後代には「再宣言を重ねることで国家を更新した制度」として知られる[2]。
概要[編集]
韓国第九百七十二共和国は、末期の港湾同盟と山岳商人連合が、租税と治水をめぐる対立を調停するために採用した特殊な共和国体制である。元首が代を重ねるたびに国号へ通算番号を付す制度を採り、これが後世に「第九百七十二共和国」と記録される理由であるとされる。
同国は実際には一度の統一国家ではなく、・・の三系統の議政院が、年貢再配分のたびに同一憲章を再署名した連合体であった。なお、九百七十二という数は実在の継承順ではなく、暦法上の欠番を埋めた結果であるとの指摘がある[3]。
建国[編集]
塩路同盟の成立[編集]
建国の契機は、に沖で発生した塩積み替え難破事件である。これにより沿岸の塩商、寺院、漁村が共同で備蓄制度を構築し、の内陸諸邑へ供給網を伸ばしたことが、後の国家形成の原型とされる。初期の指導者としては、僧籍商人のと、港務官僚のが挙げられる[4]。
九百七十二の起源[編集]
国号の「第九百七十二」は、最初の執政会議で用いられた台帳番号に由来する。会議の席上、書記のが誤って「第九百七十二議」と記入したところ、参加者がこれを「先例が多すぎて逆に信頼できる」と受け止め、そのまま憲章に採用したとされる。もっとも、この逸話は所蔵の複製本にしか見られず、真偽は確定していない[5]。
発展期[編集]
漢陽再編と議政の定例化[編集]
、首府機能は漢陽の河岸段丘に集約され、毎月初八日に「再宣言式」が行われるようになった。これは国家の存続を祝う行事であると同時に、各州が前月の脱税・洪水・婚姻件数をまとめて報告する実務会議でもあった。特にの氾濫後には、執政官が竹簡を舟に載せて審議したという記録があり、後代の政治風刺画で好んで引用された。
制度の妙な完成[編集]
第972共和国の行政は、三人一組の共同署名制を特徴とした。命令文は必ず「一、税を定める」「二、水路を守る」「三、反対意見を添える」の順で起草され、反対意見がない文書は無効とされた。この慣行により行政効率は低かったが、地方反乱の発生率は時点の年平均14件から、には6件まで低下したとされる[6]。
全盛期[編集]
交易圏の拡大[編集]
最盛期にはから、さらにの外港へ至る海上交易が整備され、絹、干魚、墨、薬草が循環した。とりわけ「塩券」と呼ばれる紙片通貨は、湿気に弱いにもかかわらず信用が高く、には一枚で牛半頭と交換されたという。こうした金融慣行は、後世の商人から「破れることで価値を証明する貨幣」と評された。
学芸の振興[編集]
また、同国では議政官の暇を埋めるために暦学と地誌学が発達した。の観測院では、星の位置ではなく「潮の機嫌」を基準に農期を決めるが編纂され、後世の農書に大きな影響を与えたとする説が有力である。なお、潮星表の末尾には必ず「昨年の予報は半分当たった」と注記されており、当時の実務家精神を示すものとして注目される。
衰退と滅亡[編集]
代に入ると、再宣言式の頻度が増えすぎたため、各地で「誰が本当の第何代か」をめぐる争いが起こった。とりわけ方面の税倉をめぐる対立は激しく、執政官が一週間で三回交代したことから、年代記ではこれを「三度の国号疲れ」と呼んでいる。
滅亡の直接要因は、冬の大寒波ではなく、記録係が凍結した墨壺を落として憲章の最終条文を失ったことであると伝えられる。これにより、国の正統性を裏づける「972」の章番号が欠落し、諸州の代表がそれぞれ独自に新共和国を名乗り始めた。結局、統一的な継承は維持されず、後代の史家はこれを「紙が先に滅び、国家があとから従った事件」と評した。
遺産と影響[編集]
韓国第九百七十二共和国の制度は、その後の朝鮮半島における地方自治と帳簿文化に長く影響した。特に、官庁で異議申立てを必須とする慣行は、前期の院政書式にまで継承されたとされる。
また、の古文書商の間では、同国の塩券や再宣言札は「国家が失敗しても台帳は残る」ことを示す象徴として珍重された。現代ではの特設展示「番号でできた国」において、同共和国の復元議政印が公開されている。ただし、印章の九つ目の波紋だけが毎回欠けて見える理由については、今なお説明が一致していない。
研究史[編集]
近代史学における再評価[編集]
、の朝鮮史講座に属するが、地方寺院の納塩簿から第972共和国の存在を再構成し、従来は伝説とされた政体に実証的裏づけを与えた。これ以後、同国は「過剰な番号付けが国家を生む稀有な例」として研究対象となった。
現代の論争[編集]
一方で、のは、972という数が実際には執政官の数ではなく、徴税印の押印回数である可能性を指摘した。この説は支持を集めたが、印の配置が毎回ほぼ美しく九重に並ぶことから、かえって「美しすぎる史料」であるとして慎重論も根強い。
脚注[編集]
[1] 国家としての定義は後代の分類による。 [2] 反復的な国号制度については諸説ある。 [3] 欠番処理の仕組みは史料により異なる。 [4] 『群山塩商帳』の写本に基づく。 [5] 漢城府文書館複製本は原本と細部が異なる。 [6] 地方反乱件数は推定値である。
関連項目[編集]
脚注
- ^ 高橋澄夫『朝鮮半島港湾同盟の再宣言制度』岩波書店, 1934.
- ^ 金海琳『番号国家論:第九百七十二共和国を中心に』釜山学術出版社, 1998.
- ^ 朴允浩『漢陽臨時議政府文書集成』韓国史料叢書刊行会, 1972.
- ^ Erik M. Lund, 'Salt Credits and Republic Numbers in Early Coastal Korea', Journal of East Asian Institutional History, Vol. 18 No. 2, pp. 44-79, 2007.
- ^ Margaret A. Thornton, 'The 972nd Republic: Numeric Sovereignty on the Korean Peninsula', Asian Polities Review, Vol. 11 No. 4, pp. 201-228, 2011.
- ^ 李成洙編『潮星表と農期決定の実務』漢陽文化研究所, 1891.
- ^ Choi Mun-gyu, 'Re-declaration Rituals and Fiscal Memory', Korean Historical Quarterly, Vol. 29 No. 1, pp. 5-31, 1986.
- ^ 渡辺精一郎『東アジアにおける紙貨の湿潤耐性』東京経済史学会, 第7巻第3号, pp. 112-140, 1964.
- ^ S. R. Bellamy, 'When States End Before Their Seals Do', Proceedings of the Maritime Archives Society, Vol. 6 No. 1, pp. 9-22, 2015.
- ^ 申徳衡『第九百七十二議の誤記について』地方文書研究, 第2巻第9号, pp. 1-8, 821.
外部リンク
- 国立中央博物館デジタルアーカイブ
- 漢城府文書館公開目録
- 東アジア架空王朝研究会
- 韓半島歴史番号学データベース
- 潮星表復元委員会