魔女狩りは悪魔の祝福と共に
| タイトル | 魔女狩りは悪魔の祝福と共に |
|---|---|
| 画像 | (架空) |
| ジャンル | ホラーアクションRPG(悪魔探索) |
| 対応機種 | アーカイヴVR・PSVR風端末・PC(VRモード) |
| 開発元 | ネオン・グリモワール制作所 |
| 発売元 | 黒曜出版社ゲーム事業部 |
| プロデューサー | フィオナ・レイヴンズフォード |
| ディレクター | カシアン・ヴェルタール |
| 発売日 | 2017年10月12日 |
| 売上本数 | 全世界累計120万本(VR同梱版含む) |
『魔女狩りは悪魔の祝福と共に』(英: Witch-Hunt Comes With the Devil’s Blessing、略称: MWBD)は、にのから発売された用コンピュータゲームである。の第2作目として位置づけられている[1]。
概要[編集]
『魔女狩りは悪魔の祝福と共に』は、プレイヤーが主人公の少女となり、魔女狩りの火あぶりで命を落とした姉の復讐のために、相棒の少女と共に「悪魔」を探し出すことを目的としたホラーアクションRPGである。
本作は、シリーズの第2作目であり、前作で確立された「祝福スキル」と「裁定ジャーナル」の仕組みを拡張し、VR没入時に限り“祝福が逆流する”演出が追加されたとされる[2]。開発側はキャッチコピーとして「呪いは燃え尽きない。だから、祝福は探せ。」を掲げた。
また、ゲーム内の宗教裁判記録を読み進めることで、現実の地名に見える架空の街路網が段階的に生成される点が話題となり、発売直後からホラー実況では「足音が先に聞こえる」といった反応が多数投稿されたとされる[3]。ただし、検証では音は常に後から鳴っていることが後日示されたため、主に心理効果として説明された。
ゲーム内容[編集]
ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの核は、戦闘中に使用するメーターと、探索中に開くである。プレイヤーは敵に接近するほど祝福熱量が低下し、逆に儀式灯(かがりび)に近づくほど増えるとされるが、実際には「姉の記憶フラグ」に連動して変動する仕様であると、攻略コミュニティが早期に推定した[4]。
祝福熱量が尽きると武器が霧化し、通常攻撃が“燃えるはずのない火”として判定される。この状態で敵に当てると、一定確率でが敵側に移り、プレイヤーが不利になる。ただし、シリーズ経験者の間では「不利を引き受ける方が、最短で復讐に近づく」との俗説が広まった。
戦闘・アイテム・協力プレイ[編集]
戦闘はアクションRPG形式で、敵の拘束攻撃を回避するほどが増加し、成功すると“火あぶりの残響”を焼き切るエフェクトが発生する。武器は打撃系の、斬撃系の、儀式系のに分かれ、それぞれ祝福の色相が異なるとされる[5]。
アイテムは壺型の、紙片の、VR専用のなどがあり、特に冷却指輪は溶岩のようなエリアで“時間を押し戻す”操作感として宣伝された。協力プレイは非対戦の救援形式で、相棒シムはAIとして常に追従し、協力プレイヤーが参加するとシムの台詞が増える仕様であるという。
ただし、発売後のアップデートで一部台詞が削除され、「物語進行のための重要情報だけが残った」との指摘が寄せられた。開発は“恐怖演出のテンポ調整”と説明したが、当時の編集記事では「削除されたのはバグだったのではないか」とも書かれている。
ストーリー[編集]
本作の舞台は、霧の湿原と石畳の迷路に挟まれた街である。ノナは火あぶり刑を目前にした姉の最期の言葉を、VR内では“文字ではなく息”として受け取る。メルは「悪魔の祝福と共に狩りが来る」と告げ、姉妹の道筋だけが世界線のように折り畳まれたとされる[6]。
ノナとシムは、裁判所跡の地下に隠された記録庫から、過去に存在した“祝福の装置”の設計を読み解く。ここで登場するのが、教区局である。彼らは魔女狩りを「秩序回復の礼式」と呼び、悪魔を封じるために火を使ったと主張したとされる。しかし記録の行間には、封印ではなく“呼び出し”が書かれていると指摘された。
終盤、ノナは悪魔の足跡が残る井戸へ入り、祝福熱量を反転させる儀式を行う。そこで明かされる“祝福の正体”は、火刑の犠牲者から搾り取った感情を燃料に変える装置だとされるが、この真相に至る分岐は3種類あると、発売からわずか2週間で解析コミュニティが報告した[7]。なお、そのうち1つはゲーム内で到達条件が示されないため、見つけたプレイヤーが「たぶん悪魔に案内された」と語ったとして広まった。
登場キャラクター[編集]
主人公と仲間[編集]
は18歳前後の少女で、幼少期に姉から“燃えない火”の歌を聞かされたとされる。彼女の攻撃は、対象の恐怖反応を読み取ってダメージが変わる“観測型”の仕組みであると説明され、説明書では「痛みを武器にする」と表現された[8]。
は同年代の相棒で、夜間探索で照明を灯すのではなく、影を“立てる”ように案内する。シムの台詞は裁定ジャーナルの進度に合わせて断片化し、時々プレイヤーの視線方向に合わせた言い回しが変化する。これが後に「開発がプレイヤーのクセを学習したのでは」という噂に繋がったが、公式は否定したとされる。
敵と組織[編集]
敵は大きく、裁き人()と、燃焼生体()に分かれる。灰冠の監査官は火刑の手順を模した攻撃を行い、成功すると祝福熱量が“味方側”へ移る稀なイベントが起きるとされる。もっとも、その直後に逆転することが多く、プレイヤーの間では「味方化は罠の前振り」とまで言われた。
組織としてはのほか、街の利害を調整する市政局が存在する。評議庁は表向きに“迷信の撲滅”を掲げるが、実際は悪魔探索を投資案件として扱うと、終盤の報告書で示唆される[9]。この描写が、当時のネットでは「行政の言葉はだいたい信用できない」というジョークを呼んだ。
用語・世界観[編集]
本作の世界観では、「魔女狩り」と「悪魔の祝福」が矛盾するようで連動する点が特徴である。魔女狩りは単なる迫害ではなく、祝福熱量の増減を制御するための儀式として組み込まれたと説明される。一方で悪魔は“召喚”ではなく、“奪取”として描かれるとされ、プレイヤーは祝福を取り戻すために敵の儀式を崩していく。
用語面では、祝福熱量の上昇を促す儀式灯がと呼ばれ、焔標の設置数が章ごとに異なる仕様が細かく語られる。たとえば第7区では焔標が“正確に38基”配置されているとされるが、探索を進めると“同じ場所に別の基が増える”現象が発生する。開発は「世界の再裁定」と表現したが、当時の攻略サイトは「ただの読み込みバッファの挙動では」と推測した。
また、裁定ジャーナルの記述は、紙面が増えるのではなく“読んだ分だけ空気が濃くなる”仕様とされる。これにより、プレイヤーは息苦しさを恐怖の指標として扱うことになり、ホラーゲームとしての没入感が強化されたとされる[10]。ただし、VRの換気状態により不快感が変わる点が議論にもなった。
開発/制作[編集]
制作経緯[編集]
制作は、ライターが「魔女狩りの言葉を“祝福装置の操作文”に置き換えると物語が生まれる」と主張したことに始まるとされる。プロデューサーのは、復讐を正義として描きすぎるとホラーが薄くなるため、悪魔を“敵”ではなく“契約者”として設計したと語った。
制作チームはの街割りを、実在する地図ソフトの“ラベルだけ”を参考にし、道路の長さだけを人工的に揃えたとされる。結果として、ゲーム内の交差点は実在都市のように見えるが、距離感だけが微妙にズレる。これが「散歩しているだけで焦る」という評価に繋がったとされる[11]。一方で、当初は方向感覚が破壊されすぎてゲームバランスが崩れたため、βテストでは焔標の配置が16回も調整されたと開発日誌に記載されている。
スタッフ[編集]
ディレクターは“恐怖は説明しない方が怖い”という方針から、台詞を最小化し、代わりに足音と呼気の同期で恐怖を作るよう指示したとされる。デザイナーは、姉の記憶をUIとして残さず、プレイヤーが気づいたときだけ表示される“隠し字幕”方式を採用した。
プログラマーは、祝福熱量の反転条件を複数の状態変数に分散し、「攻略サイトが答えを出しても、プレイヤーの感情が違うと成立しない」ことを狙ったとされる。音楽は作曲家が担当し、鐘の残響を時間伸縮する手法で“燃えているのに冷たい”曲調を追求したとインタビューで述べたとされる。
音楽[編集]
サウンドトラックは『死火の契約 オーケストラ残響編』として発売され、全18曲で構成されるとされる。オープニングのは、低周波の弦が耳の奥で揺れる作りになっているとされ、VRヘッドセットの設定によって聞こえ方が変わる。
終盤曲のは、合唱パートを一切録らず、代わりにプレイヤーが拾った裁定ジャーナルのテキストを音程に変換したと公式説明に記載された[12]。ただし、発売後の検証では実際にはサンプル合唱が混ざっていたとされ、制作側は「聞こえない合唱を聞こえるようにするための工夫」と回答した。
その結果、本作の音楽は“怖さ”だけでなく“誤解させる気配”まで担当していると評価され、ホラー実況ではBGMを消しても恐怖が消えないという珍しい評が出回った。
評価・売上[編集]
発売直後、本作は日本国内で初週売上が約42万本に達し、全世界累計でも120万本を突破したと発表された[13]。レビューでは、戦闘のテンポと物語の繋ぎが高評価であり、特に裁定ジャーナルの読み上げ演出が「読むゲーム」だと評された。
一方で批評家の一部は、悪魔探索の目的が終盤で急に“契約の話”へ寄る点を指摘した。ゲーム雑誌の企画では「復讐の手触りは良いが、祝福装置の説明が一部のプレイヤーにだけ親切」とまとめられた。
また、VR端末によっては焔標の数え間違いが起きる報告が相次ぎ、修正パッチでデータ読み込みの補正が行われた。公式は「物語上の再裁定に近い現象」と説明したが、ユーザーの感覚では“実装上のゆらぎ”だったため、対立的なコメントも多かった。
関連作品・関連商品[編集]
関連作品としては、前作『死火の契約:贖罪の指紋』と、後続作『死火の契約:逆流する祝祭』が挙げられる。前作は魔女狩りの“入口”を、後続作は悪魔の“代理人格”を扱うとして位置づけられている。
関連商品としては攻略本と、さらにコミカライズが発売されたとされる。後者はホラー調ではあるが、シムがやたらと家事をする回が好評で、売上も伸びたと報じられた。
また、サウンドトラックのリミックス盤が期間限定で配信され、が収録されたとされる。ただし配信停止の理由は公式に明かされておらず、ファンの間では「耳が痛くなるからでは」という冗談が残った。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ フィオナ・レイヴンズフォード『夜間没入設計の実務』黒曜出版社, 2016.
- ^ カシアン・ヴェルタール「祝福熱量の反転条件に関する検討」『Journal of Interactive Dread』Vol.9 No.2, pp.33-51, 2017.
- ^ マルセル・オルバッハ『魔女狩りを“契約”に読み替える方法』ネオン・グリモワール制作所出版部, 2015.
- ^ ユン・テギョン「状態分散による物語再現性の改善」『Computational Narrative』第4巻第1号, pp.101-119, 2018.
- ^ エルザ・モルヴィス「裁定ジャーナルの文章表現と呼気同期」『Human-UI Research Letters』Vol.12, pp.77-84, 2017.
- ^ アキラ・シバサキ『鐘の残響と時間伸縮』音影書房, 2017.
- ^ 『ファミ通クロスレビュー』編集部「『魔女狩りは悪魔の祝福と共に』レビュー」『ファミ通』2017年11月号, pp.12-19.
- ^ デイジー・ローレンズ「Devil’s Blessing as UI Metaphor」『International Review of Horror Game Studies』Vol.6 Iss.3, pp.201-224, 2019.
- ^ ギルバート・ハーフェン「VRにおける噂の検証:足音先行の錯覚」『Studies in Perceptual Misfires』第2巻第7号, pp.9-27, 2020.
- ^ 『死火の契約 公式資料集』黒曜出版社ゲーム事業部, 2017.
外部リンク
- 黒曜出版社 ゲーム事業部 公式アーカイブ
- ネオン・グリモワール制作所 研究日誌
- 裁定ジャーナル 解読コミュニティ
- 焔標マップ保存庫
- 悪魔の祝福 VR設定リファレンス