魔王(World Ender)
| 名前 | 魔王(World Ender) |
|---|---|
| 画像 | Maoh World Ender live 2019.jpg |
| 画像説明 | 公演でのパフォーマンス |
| 画像サイズ | 250px |
| 画像補正 | yes |
| 背景色 | #1A0F2E |
| 別名 | WE、終末組 |
| 出生名 | 同じ |
| 出身地 | 日本・東京都新宿区 |
| ジャンル | エレクトロロック、シンフォニック・インダストリアル |
| 職業 | バンド |
| 担当楽器 | ボーカル、ギター、シンセサイザー、ドラムス |
| 活動期間 | 2008年 - 2018年、2020年 - |
| レーベル | Nocturne Meridian Records |
| 事務所 | Helix Crown Office |
| 共同作業者 | 辰巳カナメ、御影リョウ、白川ノエル、黒瀬シアン |
| メンバー | 辰巳カナメ、御影リョウ、白川ノエル、黒瀬シアン |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | worldender.jp |
魔王(World Ender)(まおう ワールドエンダー)は、の4人組である。所属事務所は。レコード会社は。に結成、にメジャーデビュー。略称および愛称は「WE」「終末組」。公式ファンクラブは「」。
概要[編集]
魔王(World Ender)は、新宿区で結成されたの4人組である。ダークな神話世界を下敷きにした歌詞と、を軸にした重層的な音像で知られ、2010年代前半の“終末系バンド”ブームの象徴とされた[1]。
バンド名は、結成前夜にの24時間営業の楽器店で起きた停電事故の際、店内にあった中古キーボードの液晶に偶然「WORLD ENDER」と誤表示されたことに由来するとされる。もっとも、この逸話は後年になってメンバーが毎回少しずつ内容を変えており、ファンの間では“真偽を含めて作品の一部”とみなされている[2]。
略称は「WE」、愛称は「終末組」で、公式ファンクラブ「Last Orbit」の会員番号は結成順ではなく“夜更かし度”で付与されるという独自の方式を採用している。これが一部の熱心なから「のファンクラブ史における最も無意味に合理的な制度」と評されたこともある。
メンバー[編集]
現メンバーは、辰巳カナメ、御影リョウ、白川ノエル、黒瀬シアンの4名である。全員が作詞・作曲・編曲のいずれかを担当し、ライブでは曲ごとに楽器配置が入れ替わることが多い。
辰巳カナメはボーカルとギターを担当し、MCでは語尾に妙な間を置くことで知られる。御影リョウはベースとプログラミングを担当し、メンバーの中で唯一、交通局の路線図を歌詞カードに書き込む癖があるとされる。白川ノエルはシンセサイザーとコーラスを担当し、衣装デザインの原案も手がける。黒瀬シアンはドラムス担当で、打点の強さから「非常口の魔術師」と呼ばれたことがある[3]。
バンド名の由来[編集]
バンド名の表記には、漢字の「魔王」と英語の「World Ender」が併記されている。これは結成当時、メンバーの一人がの教材で覚えた「world ender」という語感を妙に気に入り、別の一人が役所のパンフレットに載っていた“地域の安心・安全”という文句と意図的に衝突させたことから決まったとされる。
なお、初期案には「闇の終端」「最終王権」「ラスト・オービット」などがあったが、いずれも“字面が強すぎる”として不採用になったという。2014年頃には海外配信サイト上で英訳を誤って「King Demon」と表記され、北欧圏の一部ブログで別バンドとして紹介されたことがある。
来歴[編集]
2008年 - 2011年: 結成からインディーズ期[編集]
、辰巳カナメと御影リョウを中心にのライブハウスで結成された。結成当初は3人編成で、リハーサルではの終電時刻を基準に演奏時間を決めていたという[4]。
インディーズ期には、手売りCDの盤面に毎回異なる“終末予言”が印刷されており、購入者の間で収集対象となった。2009年の自主制作盤『夜の回収』は、初回200枚のみ封入された“逆再生歌詞カード”が話題となり、の中古CD店で一時的にプレミア価格が付いた。
2012年: メジャーデビュー[編集]
、ミニアルバム『FALLEN ORBIT』でからメジャーデビューした。リード曲「灰色の戴冠」は週間チャートで初登場8位を記録し、深夜帯の音楽番組でサビだけを8秒間ループする演出が“放送事故寸前の美学”として注目された。
同年、初の全国ツアー『ENDLESS PARADE』を開催し、からまで全11公演を完走した。ツアー終盤の公演では停電に備えて配られた非常灯が逆に演出として機能し、以後のライブでは“会場の照明が死んだ瞬間に最も強いバンド”と呼ばれるようになった。
2015年 - 2018年: 社会現象化と活動休止[編集]
のシングル「終末の午前4時」が再生1億回を突破し、若年層を中心に“朝焼け前に聴く音楽”として定着した。楽曲のヒット後、のカラオケ店では同曲を最後まで歌い切ると店員が拍手するという、半ば都市伝説のような現象が報告された[5]。
には制作方針の違いとされる理由で活動休止を発表した。ただし、休止会見の最後に黒瀬シアンが「休むだけで世界は終わらない」と発言し、そのまま3分17秒の無音映像が公式サイトに掲載されたため、ファンの間では“休止期間すら作品化した”と解釈された。
2020年以降: 再始動[編集]
、配信限定EP『RE:WORLD』を発表し、事実上の再始動を果たした。収録曲「再起動のための葬送曲」はで初披露され、視聴者のコメント欄に「画面越しなのに圧がある」との書き込みが殺到した。
その後はやでの単独公演を重ね、2023年には“終末と祝祭の両立”を掲げるアリーナ演出が完成形に達したと評された。なお、メンバーは再始動後も衣装を毎回微妙に黒寄りへ更新しており、スタイリストの証言によれば「最終的に全部黒になる予定だった」とされる。
音楽性[編集]
音楽性はを基盤に、、、の要素を混在させたものである。特に低音域の反復と不穏なコーラスワークに特徴があり、レビューでは「祈りと工場排煙の中間」と形容されたことがある。
作詞面では、神話、終末、都市の夜景、鉄道、そしてなぜかが頻出する。御影リョウは「日本の都市は夜になると自然に終末感を帯びる」と語っており、これが楽曲構造にも反映されているという。
一方で、ライブでは同じ曲でもテンポが毎回少し異なり、固定された再現性を嫌う姿勢が見られる。このため、音楽学の分野では“未完了の美学を商業化した珍しい例”として分析されている。
人物[編集]
辰巳カナメは、作詞の際にの喫茶店で書き出した走り書きをそのまま歌詞に採用することで知られる。本人は「完成させると弱くなる」と発言しており、実際に未完成のまま採用されたフレーズが3曲分ある[6]。
白川ノエルは、衣装やジャケット写真の監修を務めることが多く、撮影現場にを持ち込んだという逸話がある。これは当然ながら本物ではないが、スタッフは“空気が締まった”と証言している。
黒瀬シアンは寡黙な人物として知られるが、ドラムセットの組み立てだけは異常に早く、の会場ではサウンドチェック開始から17分で本番可能な状態にした記録がある。御影リョウは機材愛が強く、ツアー中に故障したシンセを「慰める」ために5分ほど独り言を言う習慣があるとされる。
評価[編集]
音楽評論では、長年にわたる活動と功績がゆえにを代表する存在の一つとみなされている。特に2010年代中盤のシーンでは、似た方向性のバンドが増殖したため、業界紙が“魔王以後”という言い回しを作ったことがある[7]。
また、国内外のフェス出演を通じて、海外の聴衆にも一定の支持を得た。とりわけのインダストリアル系クラブで行われた深夜公演では、終演後に現地DJが「これはダンスミュージックではなく儀式だ」とコメントしたと伝えられる。
ただし、歌詞の難解さと演出過多を批判する向きもあり、「バンドなのか演劇なのか判然としない」との指摘も根強い。ファンの側はこれをむしろ長所として受け止めており、作品解釈をめぐる二次創作文化が活発である。
受賞歴・記録[編集]
2013年の新人賞、2015年の年間最優秀作品賞、2017年のなどを受賞したとされる[8]。
記録面では、「終末の午前4時」が配信開始から72時間で国内再生回数310万回を突破し、当時の深夜帯楽曲としては異例の伸びを示した。さらに、2019年の限定ライブでは会場アンケートの回収率が98.7%に達し、音楽イベントとしては高すぎる数字で関係者を困惑させた。
なお、2021年には“最も黒いステージ衣装を連続で更新した音楽グループ”として、民間団体から認定を受けたという。
ディスコグラフィ[編集]
以下は主な作品である。
シングル ・「灰色の戴冠」(2012年)- デビュー曲。サビ終わりの1拍休符が、当初は編集ミスと誤解された。 ・「終末の午前4時」(2015年)- 代表曲。深夜ラジオで流れると、翌朝の通勤者の歩幅が半分になるという噂があった。 ・「再起動のための葬送曲」(2020年)- 再始動後の象徴曲で、MVはの廃校で撮影された。
アルバム ・『FALLEN ORBIT』(2012年) ・『Black Cathedral for Kids』(2014年)- 児童向けに見せかけた題名だが、内容はほぼ暗い。 ・『終わらない礼拝』(2016年) ・『RE:WORLD』(2020年)
映像作品 ・『ENDLESS PARADE at Yokohama』(2013年) ・『LAST ORBIT DOCUMENTARY』(2018年) ・『NOCTURNE MERIDIAN LIVE 2023』(2024年)
なお、配信限定シングルやベスト・アルバムは毎回“通常版より少しだけ怖いジャケット”で発売される傾向がある。
ストリーミング認定[編集]
時点で、主要配信サービスにおける累計再生回数は国内外合算で12億回を超えたと推定されている。中でも「終末の午前4時」は単独で3億回再生を記録し、深夜帯ロック曲としては異例の数字である。
また、国内の一部サービスでは“夜間リピート率”という独自指標が導入され、本作は7日間平均で46.2%を示した。この値については、通勤前の聴取と寝落ち再生が混在している可能性があり、統計の解釈には注意が必要である。
タイアップ一覧[編集]
「灰色の戴冠」は『機械仕掛けの聖堂』のオープニングテーマに起用された。「終末の午前4時」はブランド『NOCTIS』のCMソングとなり、映像内で商品名よりも曲名の方が大きく表示されたことで話題になった。
「再起動のための葬送曲」は『Astra Requiem』のプロモーション楽曲として使用されたほか、の特集番組『夜を生きる音楽』のエンディングにも採用された。タイアップ先の担当者は、楽曲の尺が長すぎてCM枠に収まらないため、映像側を伸ばしたと証言している。
ライブ・イベント[編集]
代表的なライブとして、2012年の『ENDLESS PARADE』、2016年の『終わらない礼拝』、2023年のアリーナ公演『BLACK HALO SESSION』がある。各公演では、開始前に客電が完全に落ちるまで待つ演出が恒例となっている。
フェス出演ではの深夜枠に近い独自ステージ“Twilight Pit”で強い印象を残したとされる。なお、2019年の地方ホールツアーでは、アンコール直前にメンバー全員が一度舞台袖へ戻り、2分後に何事もなかったように戻ってきたが、実際には黒いマントの着替えに手間取っていたという。
出演[編集]
テレビ出演としては、系『音楽の夜明け前』、系『MUSIC CRESCENT』などがある。ラジオでは『Midnight Cathedral』の月替わりパーソナリティを務めた。
映画分野では、ライブドキュメンタリー『END OF THE STAGE』(2019年)で本人たちが“演技していない演技”を見せたと評された。CM出演は少ないが、メーカー『Silent Ark』の広告で「静けさを売る側に回ったバンド」として記憶されている。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
に初出場し、「終末の午前4時」を披露した。ステージでは楽曲後半に合唱団が加わり、司会者が「これは年越し前の祈祷ではないです」とコメントしたことで一部で話題となった。
にも出場し、「再起動のための葬送曲」を歌唱した。歌唱中、の客席に設置された小型照明が一斉に点灯する演出が行われ、SNSでは“紅白なのに夜が来た”と評された。
脚注[編集]
[1] バンド名の表記揺れは公式サイトでも長らく統一されていなかった。 [2] 由来エピソードには複数の版本がある。 [3] この呼称はメンバー公認ではない。 [4] 終電基準のリハーサルは当時の習慣によるもので、現在は行われていない。 [5] 店舗ごとのローカルルールであり、一般的な慣行ではない。 [6] 未完成の歌詞を採用する手法は初期3作に集中している。 [7] 業界紙の見出し表現である。 [8] 受賞歴の一部は主催団体が既に活動を停止している。
- 『Nocturne Meridian 年鑑 2012-2024』 - 『深夜音楽シーン白書 令和版』 - 『終末系バンド論集』
参考文献[編集]
1. 佐伯真奈『都市夜景と終末ポップの成立』, 2017年. 2. David R. Keller, "Industrial Echoes in Post-2010 Japanese Rock," Vol. 12, No. 3, pp. 44-71, 2019. 3. 三上玲子『配信時代の儀礼音楽』, 2021年. 4. Helena S. Ward, "The Blacker the Stage, the Brighter the Chorus," Vol. 8, No. 2, pp. 101-118, 2020. 5. 黒田悠介『新宿深夜文化史』, 2015年. 6. Patrick O'Malley, "When Bands Become Weather Systems," Vol. 4, No. 1, pp. 9-26, 2018. 7. 田辺紗季『ライブ照明の政治学』, 2022年. 8. 小野寺環『終末の午前四時に鳴る音』, 2024年. 9. Ingrid M. Holst, "Streaming Rituals and the Night Audience," Vol. 19, No. 4, pp. 233-260, 2023. 10. 『Black Cathedral for Kids: その奇妙な受容』, 2016年.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
公式サイト
公式ファンクラブ「Last Orbit」
Nocturne Meridian Records アーティストページ
Helix Crown Office タレント紹介
World Ender Archive
脚注
- ^ 佐伯真奈『都市夜景と終末ポップの成立』青燈社, 2017年.
- ^ David R. Keller, "Industrial Echoes in Post-2010 Japanese Rock," Vol. 12, No. 3, pp. 44-71, 2019.
- ^ 三上玲子『配信時代の儀礼音楽』月虹出版, 2021年.
- ^ Helena S. Ward, "The Blacker the Stage, the Brighter the Chorus," Vol. 8, No. 2, pp. 101-118, 2020.
- ^ 黒田悠介『新宿深夜文化史』都心書房, 2015年.
- ^ Patrick O'Malley, "When Bands Become Weather Systems," Vol. 4, No. 1, pp. 9-26, 2018.
- ^ 田辺紗季『ライブ照明の政治学』星群社, 2022年.
- ^ 小野寺環『終末の午前四時に鳴る音』北斗館, 2024年.
- ^ Ingrid M. Holst, "Streaming Rituals and the Night Audience," Vol. 19, No. 4, pp. 233-260, 2023.
- ^ 『Black Cathedral for Kids: その奇妙な受容』赤土文庫, 2016年.
外部リンク
- 公式サイト
- 公式ファンクラブ Last Orbit
- Nocturne Meridian Records
- Helix Crown Office
- World Ender Archive