PeaKY; VEggIEs
| 名前 | PeaKY; VEggIEs |
|---|---|
| 画像 | PeaKY_VEggIEs_2007_live.jpg |
| 画像説明 | 2007年の新木場公演で撮影された4人組 |
| 画像サイズ | 280px |
| 背景色 | #e8f4d8 |
| 別名 | ピーべジ |
| 出身地 | 東京都杉並区・阿佐谷 |
| ジャンル | インディー・ロック、アートポップ、野菜擬音ロック |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ボーカル、ギター、ベース、ドラムス、シンセサイザー |
| 活動期間 | 1998年 - 2012年、2017年 - |
| レーベル | 白磁レコード、North Turn Table |
| 事務所 | グラスペッパー音楽研究所 |
| 共同作業者 | 檜山倫太郎、坂西ミドリ、The Paper Mints |
| メンバー | 佐伯キヨ、三枝ユリ、南條ハル、黒川ソラ |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | peaky-veggies.jp |
PeaKY; VEggIEs(ピーキー・ベジーズ)は、日本の4人組インディー・ロックバンドである。所属事務所はグラスペッパー音楽研究所。レコード会社は白磁レコード。1998年に結成、2004年にメジャーデビュー。略称は「ピーべジ」、公式ファンクラブは「棚のすみの会」である[1]。
概要[編集]
PeaKY; VEggIEsは、発の4人組バンドである。1990年代末にのライブハウス「月見堂」を中心に活動を開始し、歪んだギターと短いコーラス、そして野菜の品名を繰り返す独特の詞世界で知られる[2]。
2004年のメジャーデビュー以降は、の深夜帯FMを中心に人気を拡大し、2008年には『蒸気のサラダ』がオリコン週間1位を獲得したとされる。なお、同曲のサビ末尾に入る「ピーキー」と「ベジーズ」の掛け合いは、都内の青果市場で早朝に発生する呼び込みの声を模したものと説明されている[3]。
メンバー[編集]
現メンバーは、佐伯キヨ(ボーカル・ギター)、三枝ユリ(ボーカル・キーボード)、南條ハル(ベース)、黒川ソラ(ドラムス)の4名である。結成当初は5人編成であったが、1999年に当時のサンプラー担当・木村ネギが「音程よりも食感の研究に進みたい」として脱退したとされる[4]。
各メンバーは役割分担が比較的固定されている一方で、ライブでは南條が小型のカズーを用いることが多く、黒川が曲間に包丁研ぎの擬音を口真似で再現することがある。ファンの間では、この4人の配置が「葉・茎・実・皮」と呼ばれているが、本人たちは一貫して否定している。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、創設時に使用されていた練習スタジオの看板が「Peaky」の筆記体で崩れて読めなくなり、その横に置かれていた段ボール箱の「Vegetables」が半分だけ見えていたことに由来するとされる。1980年代後半の学生運動で使われた符牒を引きずった名称という説もあるが、メンバーは「単に語感が良かった」と説明している[5]。
なお、セミコロン「;」については、1998年当時に流行していたプログラミング雑誌の見出し記号を真似たものとされる。事務所側は当初これを嫌ったが、最終的には「検索で埋もれにくい」という理由で採用されたという。
来歴[編集]
結成 - インディーズ期[編集]
1998年、の喫茶店「リズム珈琲」で行われた学園祭の打ち上げをきっかけに結成された。最初期は周辺のライブハウスを拠点にしており、セットリストの半数が即興曲であったため、観客からは「曲名が最後まで分からないバンド」と呼ばれていた。
1999年には自主制作ミニアルバム『未洗浄の昼休み』を発表し、300枚を手売りで完売したとされる。この時期の録音には、キッチンタイマーのアラームや冷蔵庫の起動音がそのまま混入しており、後年の評論家からは「台所由来のミニマリズム」と評された。
メジャーデビュー - ブレイク[編集]
2004年、白磁レコードよりシングル『薄切りの月』でメジャーデビューを果たした。発売週の販促では、の大型家電量販店前で配布されたサンプルCDに実際のプチトマトが1粒封入されていたとされ、苦情は出たものの宣伝効果は高かった。
2008年には2枚目のアルバム『蒸気のサラダ』が週間チャート1位を記録し、累計売上は42.7万枚に達したとされる。とくに収録曲『冬のセロリ』は、の深夜番組『音の棚卸し』のテーマ曲に起用され、のちに「国民的な冷え込みの応援歌」と称されることもあった。
活動休止・再開[編集]
2012年、全国ツアー『最後の浅漬け』の終了後に活動休止を発表した。公式には「制作上の熟成期間」と説明されたが、実際には三枝と南條の間でレタスの保管方法をめぐる意見対立があったとする説が有力である[要出典]。
2017年、デビュー15周年企画として再結成し、での記念公演『Re:Grow!』を実施した。ここで初めてドローンによる「葉物散布演出」が導入され、終演後に会場周辺の清掃員が「妙に青い」とコメントしたという。
音楽性[編集]
音楽性は、を基調としつつ、、ファンク、サイケデリアの要素を織り交ぜたものとされる。特に佐伯の細いファルセットと、三枝の倍音を多用したコーラスワークは高く評価され、2000年代中盤の再評価にも影響を与えたとされる[6]。
歌詞は、野菜売り場、給食、都市農園、冷蔵庫の残り物など、生活感の強いモチーフが多い。一方で、曲構成は奇妙なほど緻密で、代表曲『にんじんのための三拍子』では1小節ごとに拍子が3回入れ替わるため、演奏者泣かせとしても知られる。
人物[編集]
メンバーの性格が対照的であることも人気の一因であった。佐伯キヨは寡黙で譜面に赤ペンを入れるタイプ、三枝ユリは観客を巻き込む即興性を好み、南條ハルは機材に異常な愛着を示し、黒川ソラは終演後に必ず会場の麦茶を確認することで有名である。
また、長年に渡る活動と功績がゆえに、地方公演では主催者側が「野菜の差し入れルール」を独自に整備するようになった。なお、2009年の札幌公演では、開演前に控室へ届けられたカボチャが割れていたため、急遽その日のアンコール曲が変更されたという逸話が残る。
評価[編集]
批評家からは、都市生活の倦怠と食卓の温度を同時に描いた稀有なバンドとして評価されている。とくに『蒸気のサラダ』以降は、の檜山倫太郎が「日本語詞の中で最も食物繊維が多い」と評し、以後この表現が半ば定着した。
一方で、抽象度の高い詞と奇抜な衣装のため、初見の観客からは「農業系の余興」と誤解されることもあった。また、2006年のテレビ出演時に全員が同系色の緑を着用していたことから、一部週刊誌が「緑色の圧力団体」と見出しを打ったが、翌週には訂正記事が出された。
受賞歴・賞・記録[編集]
2008年、日本レコード大賞の企画賞を受賞したとされるほか、2010年にはのアートワーク部門で特別表彰を受けた。とくに『蒸気のサラダ』初回盤に付属した「折りたたみ式レタス・ジャケット」は、紙工作としても高い完成度を誇った。
また、2018年には「ストリーミング累計7.2億回再生」を突破したと発表され、インディー・ロックバンドとしては異例の記録とされた。ただし、その大半が作業用BGMとして再生されたものであるとの指摘もあり、統計の解釈をめぐって小さな論争が起きた。
ディスコグラフィ[編集]
シングル[編集]
『薄切りの月』(2004年) - デビュー曲。商業施設のエスカレーター前で流れたことにより認知が拡大した。
『冬のセロリ』(2007年) - しみるようなギターリフが話題となった。カップリング曲『根菜のための間奏』はライブでのみ演奏されることが多い。
『蒸気のサラダ』(2008年) - 代表曲。サビ終盤の半拍休符がファンの合唱を生んだ。
アルバム[編集]
『未洗浄の昼休み』(1999年) - インディーズ盤。現在は中古市場で高騰している。
『葉脈の地図』(2004年) - メジャー1作目。都市の乾いた風景を描いたとされる。
『蒸気のサラダ』(2008年) - 最大のヒット作。累計42.7万枚。
『温室の夜更け』(2011年) - 活動休止前の完成形とされる。
『Re:Grow!』(2018年) - 再結成後のライブ音源集。会場の歓声が妙に近いと話題になった。
タイアップ一覧[編集]
『薄切りの月』は、のスーパー「フレッシュマート四季」CMソングとして起用された。『冬のセロリ』は、系深夜ドラマ『深夜の下ごしらえ』の挿入歌となり、視聴者投稿メールの件数が通常回の3倍に増えたという。
『蒸気のサラダ』は、の車内マナー啓発キャンペーンに使用されたことがあり、ホーム上での「駆け込み禁止」を「葉物を乱さないで」と読み替えたポスターが話題を呼んだ。なお、公式には「食品ロス削減企画」との関連は否定されている。
ライブ・イベント[編集]
初のワンマンライブは、2002年のSHELTERで行われた『芽吹き前夜』である。ステージ上に本物の土が撒かれたため、終演後の機材搬出に通常の2倍の時間を要したとされる。
2009年の全国ツアー『ピーキーな収穫祭』では、各会場で異なる野菜色の照明演出が施され、公演ではアンコール中に照明が全て黄緑に変わる事故が発生した。2018年の再結成後は、ホール公演と小規模フェス出演を中心に活動している。
出演[編集]
テレビ出演では、『MUSIC BOX 24』、『夜更けの試聴室』などに登場した。とりわけ2006年の音楽番組では、演奏後に佐伯が無言でピーマンを掲げた映像が、ネット上で「謎の1秒」として拡散した。
ラジオではの深夜番組『食卓と電波』で長期にわたりパーソナリティを務めた。映画ではドキュメンタリー風の短編『棚の奥で会いましょう』に本人役で出演し、CMでは「北国の野菜ジュース」シリーズのサウンドロゴを担当した。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
2010年に初出場し、『冬のセロリ』を披露した。ステージ後方に設置された巨大な紙製キャベツが曲中に少しずつ開く演出が話題となり、翌日の新聞では「今年いちばん静かな派手さ」と評された。
2020年には再結成後として2回目の出場を果たし、『蒸気のサラダ』の特別編成版を演奏した。なお、持ち時間の都合で間奏が24秒短縮されたが、メンバーは「むしろ葉が締まった」とコメントしている。
脚注[編集]
※本文中の一部記述には、当事者の回想に基づくものや、雑誌記事のみで確認されるものが含まれる。
1. 公式ファンクラブ名は、初期会員が会場外で野菜を配っていたことに由来する。 2. ライブハウス「月見堂」は2010年代に改装されたが、旧看板の一部が今も残る。 3. オリコン順位や売上枚数は、独自集計を含むとの注記が当時の業界紙に見られる。 4. メンバー脱退の経緯は複数の証言があり、詳細は一致していない。
関連項目[編集]
参考文献[編集]
1. 佐藤真一『都市の葉脈――PeaKY; VEggIEs論』白磁新書, 2014年.
2. Margaret A. Thornton, "Vegetable Metaphors in Japanese Indie Rock", Vol. 18, No. 2, pp. 44-71, 2016.
3. 檜山倫太郎『日本語詞の食感学』グラスペッパー出版, 2011年.
4. 小田桐みどり『ライブハウス月見堂史 1989-2020』阿佐谷文化研究会, 2020年.
5. Kenji Morisawa, "The Semi-colon in Band Naming Practices", Vol. 7, No. 1, pp. 9-28, 2012.
6. 坂西ミドリ『深夜FMと青果市場の接点』North Turn Table Press, 2018年.
7. Richard P. Vale, "From Salad to Stadium: The Rise of PeaKY; VEggIEs", Vol. 11, No. 4, pp. 201-233, 2019.
8. 鷹野恵『再結成バンドの儀礼と照明演出』音楽社会学評論社, 2021年.
9. 杉本栄一『折りたたみ式レタス・ジャケットの美学』白磁レコード資料室, 2009年.
10. Alexis D. Wren, "Steam, Greens and Japanese Urban Nostalgia", Vol. 3, No. 3, pp. 77-95, 2022.
外部リンク[編集]
公式サイト
白磁レコード アーティストページ
グラスペッパー音楽研究所 アーカイブ
ピーべジ年表データベース
月見堂 旧公演記録
脚注
- ^ 佐藤真一『都市の葉脈――PeaKY; VEggIEs論』白磁新書, 2014年.
- ^ Margaret A. Thornton, "Vegetable Metaphors in Japanese Indie Rock", Vol. 18, No. 2, pp. 44-71, 2016.
- ^ 檜山倫太郎『日本語詞の食感学』グラスペッパー出版, 2011年.
- ^ 小田桐みどり『ライブハウス月見堂史 1989-2020』阿佐谷文化研究会, 2020年.
- ^ Kenji Morisawa, "The Semi-colon in Band Naming Practices", Vol. 7, No. 1, pp. 9-28, 2012.
- ^ 坂西ミドリ『深夜FMと青果市場の接点』North Turn Table Press, 2018年.
- ^ Richard P. Vale, "From Salad to Stadium: The Rise of PeaKY; VEggIEs", Vol. 11, No. 4, pp. 201-233, 2019.
- ^ 鷹野恵『再結成バンドの儀礼と照明演出』音楽社会学評論社, 2021年.
- ^ 杉本栄一『折りたたみ式レタス・ジャケットの美学』白磁レコード資料室, 2009年.
- ^ Alexis D. Wren, "Steam, Greens and Japanese Urban Nostalgia", Vol. 3, No. 3, pp. 77-95, 2022.
外部リンク
- 公式サイト
- 白磁レコード アーティストページ
- グラスペッパー音楽研究所 アーカイブ
- ピーべジ年表データベース
- 月見堂 旧公演記録