チャムチャムSWEET
| 名前 | チャムチャムSWEET |
|---|---|
| 画像 | ChumChumSWEET_2019_live.jpg |
| 画像説明 | 2019年の武蔵野公演における演奏風景 |
| 画像サイズ | 250px |
| 画像補正 | yes |
| 背景色 | #f7d6e6 |
| 別名 | チャムスイ |
| 出生名 | ChumChum SWEET |
| 出身地 | 東京都杉並区 |
| ジャンル | ポップロック、シンセポップ、菓子箱フォーク |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ボーカル、ギター、ベース、ドラムス、キーボード |
| 活動期間 | 2009年 - |
| レーベル | Plum Circuit Records |
| 事務所 | Saffron Works |
| 共同作業者 | 橘弘明、野澤リコ、寺島ユウキ、K. Mellow |
| メンバー | 橘弘明、野澤リコ、寺島ユウキ、K. Mellow |
| 旧メンバー | 佐伯マドカ |
| 公式サイト | chumchumsweet.jp |
チャムチャムSWEET(ちゃむちゃむすうぃーと)は、日本の4人組ロックバンドである。所属事務所は。レコード会社は。2009年に結成、2013年にメジャーデビュー。略称および愛称は「チャムスイ」。公式ファンクラブは「Clover Pantry」。
概要[編集]
チャムチャムSWEETは、で結成された4人組ロックバンドである。甘味を主題とした歌詞と、跳ねるようなシンセサウンドを特徴とし、しばしば「菓子箱フォーク」の代表格として扱われる[1]。
2000年代末、都内のライブハウス文化と、製菓工場の騒音を逆手に取った録音手法の流行が重なり、同バンドはインディーズシーンで注目を集めた。2013年のメジャーデビュー以降は、初登場1位を3作連続で記録したとされ、若年層の“おやつ歌詞”ブームの中心に置かれた[2]。
メンバー[編集]
現在のメンバーは、橘弘明(ボーカル・ギター)、野澤リコ(キーボード・コーラス)、寺島ユウキ(ベース)、K. Mellow(ドラムス)の4人である。いずれも出身ではなく、杉並区内のクッキングスタジオ併設ライブバー「Kitchen 9」で知り合ったという[3]。
旧メンバーとして佐伯マドカが知られている。佐伯は初期の作詞の大半を担当したが、2011年に「味覚の方向性の相違」を理由に脱退したとされる。なお、この表現はファンサイトでは半ば定説となっているが、公式には「都合による離脱」とのみ説明されている[4]。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、結成時に橘が発した「チャムチャム」という擬音と、当時のリハーサル会場で提供されていたイチゴケーキの商品名「SWEET LAYER」に由来するとされる。語感を優先した結果、甘味と反復音が結びつき、のちに“口に入れた瞬間の反響”を表す造語として定着した[5]。
一方で、2010年頃からは「チャムチャム」がの架空の菓子税制用語であったという説が流布した。もっともらしいが根拠は乏しく、同バンドの初期物販に付属した手書きメモの誤読が発端とみられている。
来歴[編集]
2009年 - 結成[編集]
2009年6月、杉並区高円寺の地下スタジオ「Blue Pantry」で前身ユニットが組まれた。最初はアコースティック2人組であったが、同年末に寺島とK. Mellowが加入し、現在の編成になった。初ライブの観客は12人で、そのうち4人が出演者の親族であったと記録されている[6]。
2013年 - メジャーデビュー[編集]
2013年3月、Plum Circuit Recordsよりシングル『シュガー・オーバードライブ』でメジャーデビューした。発売初週の売上は18,240枚であったが、店頭演奏会で配布した“試食用CDジャケット”が話題となり、翌週に急伸したとされる。ミュージックビデオはの閉鎖された倉庫街で撮影され、警備員が通行人にダンス指導を始めた逸話が残る[7]。
2016年 - 社会現象化[編集]
2016年に発売したアルバム『Crème de Route』が累計58.4万枚を記録し、主題歌タイアップの効果もあって“甘味を聴く”という表現がメディアで用いられるようになった。とくにの生活情報番組で、野澤のキーボードが「朝食に最適な音像」と紹介された回は再放送が5回行われたという[8]。
2020年 - 活動休止と再始動[編集]
2020年春、全国ツアー「Pantry Skyline」を目前に活動休止を発表した。理由は新型感染症拡大とされたが、実際にはメンバーが“マシュマロ色の舞台装置”をめぐって長期協議に入っていたとも言われる。2021年秋に配信ライブで再始動し、以後は半分を会場、半分を菓子工場跡地から中継する形式を採用した[9]。
音楽性[編集]
音楽性は、を基盤に、跳ねる16ビートと、加工されたコーラスワークを重ねる様式に特徴がある。橘の作曲は八分音符単位で「噛みごたえ」を設計することで知られ、レコーディングではテンポを1分あたり平均2.7回だけ揺らすという独自の方法が取られた[10]。
歌詞は食卓、購買部、深夜のコンビニなど日常的な情景を扱うことが多いが、途中で必ず一度だけ「冷蔵庫の中の宇宙」に話題が逸れる点が特徴とされる。批評家の間では、以後の消費文化を、菓子包装の反射率として再解釈したものと評されることがある。
人物[編集]
橘弘明は、インタビューで「音楽は冷やしすぎると甘さが立つ」と発言し、ファンの間で名言として引用されている。野澤リコは機材マニアとして知られ、ライブごとにキーボードの液晶保護フィルムを色分けする習慣がある。寺島ユウキは寡黙で、MCでは主にうなずくのみであるが、締切直前に最も長いベースラインを書き上げることから“縁の下のミルフィーユ”と呼ばれる。
K. Mellowは日本語と英語を混ぜた煽り文句を担当し、ドラムセットの横に必ずキャンディポットを置くことで知られる。なお、2018年の武道館公演では、Mellowのスティックがステージ照明の熱で溶けかけ、演奏の一部が予定より高音質になったと報じられた。
評価[編集]
同バンドは、若年層の支持だけでなく、録音技術へのこだわりから音楽関係者の評価も高い。音楽評論家の久我山透は「彼らはサビを太らせるのではなく、サビの周囲をバターで囲む」と評したとされる[11]。
一方で、歌詞の一部が菓子メーカーの商品訴求に近いとの指摘もあり、2017年には一部の学校給食室で『チャムチャムSWEET』の合唱を禁止する内部通達が出たという逸話が残る。ただし、この通達の真正性は確認されていない。
受賞歴[編集]
2014年に新人賞、2016年に最優秀アルバム賞、2019年にのベストグループビデオ賞を受賞したとされる。ほかにも、の主題歌賞を2度受賞したほか、で「音楽部門・審査委員会推薦作品」に選出されたという記録がある[12]。
記録面では、配信限定シングル『My Little Parfait』が発売48時間でストリーミング1.2億回再生を突破したと発表され、以後、同種の数字は“パフェ換算”で語られることが多くなった。
ディスコグラフィ[編集]
シングル[編集]
『シュガー・オーバードライブ』(2013年) - メジャーデビュー作。街頭試聴会で紙コップの底に歌詞が印刷されていたことが話題となった。
『ローズヒップ・ランナー』(2014年) - 週間1位。終盤の転調が“ケーキ入刀の瞬間に似ている”として結婚式BGMに多用された。
『真夜中のホイップ』(2015年) - ライブ会場でのコール&レスポンスが長すぎることで知られる。
『パウンド・オブ・デイズ』(2018年) - CMタイアップ曲。店頭で試聴した客の歩行速度が平均で0.4km/h上がったとの調査がある[13]。
アルバム[編集]
『Crème de Route』(2016年) - 累計58.4万枚。地方都市の朝市で最も流されたアルバムとして知られる。
『Pantry Skyline』(2020年) - 休止前の集大成。収録曲のうち2曲は、レコーディング後に冷凍庫で熟成された。
『Luminous Snack』(2022年) - 再始動後の作品で、配信限定版には“無音の隠しトラック”が付属した。
『SWEET STATIC』(2024年) - ライブ会場の残響を前面に押し出した実験作である。
映像作品[編集]
『ChumChum SWEET at 武道館 2018』は、客席の一部に配布されたおしぼりが映像上でも“白い波”として確認できることで有名である。ほかに『Kitchen 9 Sessions』(2017年)、『Pantry Skyline Tour Final』(2021年)がある。
ストリーミング認定[編集]
2023年時点で、主要楽曲の総ストリーミング再生数は日本国内外合計で9.6億回を超えたとされる。とくに『My Little Parfait』と『真夜中のホイップ』は、通勤前の3分間に再生される割合が高く、朝のプレイリスト研究の例示として用いられた[14]。
なお、同バンドの再生数は“1再生=1口分の甘味”として換算されることがあり、音楽業界内では半ば慣用句となっている。
タイアップ一覧[編集]
2014年の『ローズヒップ・ランナー』は、の秋季キャンペーンに起用された。2016年の『Crème de Route』収録曲『朝のミルフィーユ』は、の生活情報番組の挿入歌として使用された。
2018年の『パウンド・オブ・デイズ』は、首都圏の私鉄3社共同企画「駅ナカ甘味フェア」のCMソングに起用され、改札通過音とドラムが同期する演出が話題となった。2022年には、の観光施策「夜の商店街再生プロジェクト」のイメージソングも担当した。
ライブ・イベント[編集]
同バンドはライブ演出に定評があり、ステージ上に巨大な菓子棚を模したセットを組むことが多い。2019年の全国ツアー「Clover Pantry Tour」では、各会場で異なる“本日の推し菓子”がMCで紹介され、来場者アンケートの自由記述欄が事実上のレシピ集になった[15]。
また、2021年の配信イベント「Midnight Confection Session」では、演奏中にカメラがの倉庫街からの海沿いへと切り替わる構成が採用され、地理感覚まで甘く見えると評された。
出演[編集]
テレビ[編集]
やのほか、生活情報番組『あさイチ』で特集が組まれたことがある。とくに野澤が紹介した“食べる前に聴くと良いコード進行”は、番組公式サイトで一時公開停止となった[16]。
ラジオ[編集]
『ミュージックライン』、の深夜番組、の特番などに多数出演した。寺島が生放送中にベース弦の交換時期を2年早めたことを告白した回は、音楽機材店の売上に影響したといわれる。
CM・映画[編集]
菓子メーカー、飲料メーカー、交通系ICカードの期間限定CMに出演したほか、映画『午後三時のパイ生地』では全員が本人役で出演した。エンドロールに流れる未使用テイクでは、橘が「この焼き色はデビュー後の方が似合う」と語っている。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
2017年から2022年までに4回出場したとされる。初出場時は『真夜中のホイップ』を披露し、ステージ後方に設置された巨大マカロンが一部で“紅白史上もっとも食べ物に近いセット”と評された[17]。
なお、2020年の出場では、感染症対策のため客席に個包装キャンディが配られたが、実際には演出用小道具であり食用ではなかったと報じられている。
脚注[編集]
[1] バンドの基本情報は公式サイト掲載のプロフィールに基づく。 [2] 売上枚数はPlum Circuit Records公表値と推計値を含む。 [3] メンバーの出会いについては複数説がある。 [4] 佐伯マドカの脱退理由は資料により異なる。 [5] バンド名の由来は初期配布資料による。 [6] 初ライブの観客数は会場側の控え資料による。 [7] MV撮影地の倉庫街は閉鎖後に再開発された。 [8] 番組出演回数はファンの録画整理による。 [9] 再始動の経緯には非公開の会議記録が含まれるとされる。 [10] 録音手法についてはエンジニア証言が少ない。 [11] 久我山透の発言は雑誌座談会で確認されていない。 [12] 受賞歴には企画賞を含む。 [13] 歩行速度調査は販促部門の内部資料である。 [14] 再生数は配信各社の合算値である。 [15] 来場者アンケートは後日公開された。 [16] 番組公式サイトの公開停止は編集上の都合とされた。 [17] 紅白の演出内容は再現映像に基づく。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
[公式サイト] [Plum Circuit Records アーティストページ] [ChumChum SWEETファン協会] [ChumChum SWEET 歌詞アーカイブ] [武蔵野ライブ資料室]
脚注
- ^ 橘久仁子『甘味と同期音の研究』Plum Press, 2017, pp. 41-63.
- ^ 井上哲也「都市型ロックバンドにおける菓子語彙の流通」『音楽文化研究』Vol. 18, No. 2, 2019, pp. 88-104.
- ^ Margaret L. Haversham, "Syrup Aesthetics in Contemporary Japanese Pop", Journal of Trans-Asian Sound Studies, Vol. 7, No. 1, 2020, pp. 12-29.
- ^ 久我山透『サビの外側にあるもの』青磁社, 2018, pp. 9-22.
- ^ 野澤リコ「キーボード保護フィルムの色彩心理」『鍵盤と周辺機器』第4巻第3号, 2021, pp. 5-17.
- ^ Saffron Works編『Clover Pantry Tour 記録集』Saffron Works出版部, 2020, pp. 3-58.
- ^ Michael R. Denby, "Streaming as Snack Consumption: A Case Study", Popular Music Quarterly, Vol. 33, No. 4, 2022, pp. 201-219.
- ^ 佐伯マドカ『味覚の方向性について』私家版, 2012, pp. 1-14.
- ^ 高橋みどり『午後三時のパイ生地と音響設計』東都書房, 2024, pp. 77-93.
- ^ K. Mellow『ドラムスティックは溶けるのか』リズム工学会雑誌, 第12巻第1号, 2019, pp. 2-8.
- ^ 小森一郎『チャムチャムSWEET論』音叉文庫, 2023, pp. 111-130.
外部リンク
- 公式サイト
- Plum Circuit Records
- Saffron Works
- ChumChum SWEETファンクラブ
- 武蔵野ライブ資料館