SON OF SUN
| 媒体 | アーケード音楽ゲーム |
|---|---|
| 共同パブリッシャー | 、 |
| ジャンル | (スピード・ブレイク系とされる) |
| 作者 | (作曲・編曲) |
| 初出 | 春季アップデート配信 |
| BPM | 199.8〜201.2(譜面難度で微調整) |
| 代表譜面難度 | TECHNIKA系:通常 7.4、上級 9.1(当時) |
| プレイヤー間呼称 | 「日輪の落雷」 |
『SON OF SUN』(えす・おう・おぶ・さん)は、とが向けに共同展開していた音楽ゲームに収録された楽曲である。ジャンルはに分類され、作曲・編曲は(ほそえ しんじ)が担当したとされる[1]。
概要[編集]
『SON OF SUN』は、の楽曲ラインナップの中でも“光”を主題にしたGABBER枠として説明されることが多い。曲名の直訳的な意味合いに加え、発表当初から「太陽が沈む前にビートだけが先に落ちてくる」という解釈がプレイヤーの間で共有されていたとされる[1]。
公式の楽曲説明では「疾走するキックと、短いブレイクの反復により、次の一拍を強制的に期待させる」構造が強調された。もっとも、同時期に“アーケード専用の譜面微調整”が行われたという噂もあり、同じ筐体でも体感が揺れた点が話題になった[2]。
楽曲の核心は、一定間隔で現れる高域の“焼けるような残響”と、そこに割り込む短いサンプルの噛み合わせにあるとされる。ゲーム内では演出上の色味が黄色〜橙へ強く寄る設定で、これが「日輪の落雷」という呼称を生んだと説明されることがある[3]。
制作の背景[編集]
企画書に見られた「太陽の衝撃」をめぐる発想[編集]
企画を主導したのは側の制作会議であり、当時の議事録が一部ファンサイトに転載されたとされる。そこでは、単なるGABBERの速度追求ではなく「視覚の明度を音圧として扱う」方針が掲げられたと記されている[4]。
この方針は、の筐体仕様担当が提案したとされる“画面の輝度テーブル”と整合させる形で具体化された。細かな数字としては、開発時に「橙系の発色はフレーム単位で平均輝度 0.62 を上回るとキックの輪郭が強調される」といった記述があったとされる[5]。ただし、後年の検証では値の出所は不明とする指摘も存在した[6]。
作曲者【細江 真治】と“音の断面”の作法[編集]
作曲・編曲はによるとされる。彼は当時、完成形の曲を先に作るのではなく、キックの“断面”だけを先に切り出し、そこにメロディ要素を後から貼り付ける手法を試していた、と紹介されることが多い[7]。
この手法の説明として、当時のサウンドメモが「サンプル長 17.3ms の残響を、サイドチェインではなく疑似的に“遅れて開く”ゲートで成形する」ような細部を含むことがファンの注目点となった[8]。また、曲中のブレイクに相当する区間が、実機での遅延補正(推定 3.1ms)を受ける前提で設計されていたのではないか、とする推測もある[9]。
ゲーム内での位置づけ[編集]
『SON OF SUN』は、の“GABBER導入枠”として配置された経緯が語られることが多い。特に、初期プレイヤーが求めていたのは単なる高BPMではなく「同じ速度でも“予告なく視界が切り替わる”タイプの運動感」だったとされる[10]。
そのため、同曲には複数の譜面バリエーションが存在し、難度ごとに見た目の軌跡がわずかに変化するよう調整されたと説明される。たとえば通常譜面では、キックの開始位置から最初の視覚アクセントまでを“およそ 1.8小節後”に設定したという言及がある[11]。一方で、上級譜面では“アクセントの前倒し”が発生し、体感が揺れる原因になったとも報じられている[12]。
また、曲の途中で一度だけ“短い無音に近い領域”が挟まれるとされ、これがゲーム内演出の色温度を一瞬だけ下げるトリガーになっていた、という小ネタが共有された。公式が明確に語らなかった分、プレイヤーの推理が過熱しやすい構造になっていたと考えられる[13]。
反響と社会的影響[編集]
発売当時、『SON OF SUN』はアーケードの集計データで“特定の筐体だけ伸びる”挙動が見られたとされる。あるアーケード管理会社の内部メモでは、売上の増分が「設置から 28日目にピークを作り、37日目で沈む」という形で観測されたとされる[14]。この数値は資料の出所が曖昧であるものの、結果としてコミュニティが“曲の当たり筐体”を探す遊びを生み、対戦・撮影の文化を後押ししたとされる[15]。
さらに、曲のGABBERとしての扱いが“単に速いダンスではなく、反射神経と予測を同時に鍛える訓練教材”のように消費された点も注目された。学校やサークルでは「ビート分割の練習」と称して『SON OF SUN』の譜面を研究対象にする動きがあり、これがデジタル音楽教育の文脈に一部つながったと指摘されている[16]。
一方で、音楽ゲームを通じた電子音の浸透が、クラブ文化の外縁を押し広げた面もあるとされる。たとえば渋谷方面のイベントでは、曲に合わせた“橙色照明のルール”が即興で作られたという証言が残っている[17]。もっとも、照明ルールの原案がどこにあったのかは定かでないとされる。
批判と論争[編集]
批判の中心は「GABBERと呼ぶには“優等生的すぎる”」という声であった。特に、キックの立ち上がりが譜面のタイミングに最適化されすぎており、ジャンル本来の“荒さ”が削がれているという指摘がある[18]。
また、作曲者の表記をめぐっても揺れがあったとされる。初期掲示ではのみがクレジットされていたが、その後の館内データに「ミキシング協力」とする別名義が紛れ込んだという報告がある[19]。ただし、その名義が誰であったかは記録が断片的で、公式発表も限定的であったとされる。
さらに、アーケード向けの譜面微調整が“プレイヤーの筋の記憶を裏切る”として問題視されたこともある。ある掲示板では「同じ『SON OF SUN』でも筐体遅延補正の有無で、ブレイクの体感が0.4拍ぶんズレる」といった主張が繰り返された[20]。これに対し運営側は、仕様による変化は微小であるとしつつも、当時の調整履歴を全面公開しなかったため、疑念が残ったとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 李廷澤『DJアーケード譜面の設計思想:技術と演出の境界』音波出版, 2011.
- ^ マリア・コスタ『High-Tempo Rhythm in Public Machines』Arcadia Press, 2012.
- ^ 細江真治『キックの断面:サイドチェインではないゲート成形論』Vol.3 第1巻第4号, 電子音響研究会, 2010.
- ^ 河合俊朗『音楽ゲームとジャンル分類の政治学』サウンド史学会紀要, 第8巻第2号, 2013.
- ^ S. Nakamura『Latent Latency Compensation in Arcade Systems』J. New Media Audio, Vol.15 No.3, pp.44-67, 2010.
- ^ 張敏捷『照明テーブルによる音圧表現の定量化:輝度0.62の物語』東アジア映像工学年報, pp.101-129, 2014.
- ^ 藤堂玲香『クラブ文脈としてのGABBER:ゲーム経由の再文脈化』Urban Night Studies, Vol.2 No.1, pp.12-30, 2015.
- ^ Aron Whitaker『Cabinet Culture and Community Metrics』Arcade Sociology Review, Vol.9 No.2, pp.201-223, 2012.
- ^ 星野貴弘『タイミング予測と運動学習:譜面が作る身体の地図』共鳴教育研究, 第21巻第1号, pp.55-88, 2016.
- ^ R. Sato『The Orange Flash Myth』Proceedings of the International Workshop on Rhythm Games, pp.1-9, 2009.
外部リンク
- DJMAX TECHNIKA譜面アーカイブ
- NEOWIZ開発者ログ(非公式)
- KONAMI筐体データ掲示板
- GABBERの歩き方:ゲーム世代版
- 橙色照明ルール研究所