マルクスイッチ
| 番組名 | マルクスイッチ |
|---|---|
| 画像 | MarxSwitch_logo.png |
| ジャンル | バラエティ番組(実験型スイッチ企画) |
| 構成 | スタジオ収録+公開ロケ+生放送パート |
| 演出 | スイッチ演出研究班(仮) |
| 司会者 | 渡辺精一郎(冠番組として名義上の司会) |
| 出演者 | 常連:澤田ユイカ、近藤カナメ、榎本リサ ほか |
| OPテーマ | 『切替ノウススメ』 |
| 放送期間 | 2012年4月3日 - (継続中) |
| 放送枠 | 火曜19時台(隔週で全国生放送) |
『マルクスイッチ』(まるくすいっち、英: ''Marx Switch''、ローマ字: Marukusuicchi)は、系列で(平成24年)から毎週19時台(日本標準時|JST)に放送されているである。番組名にもなっている特殊企画「スイッチ・テスト」を核に、日常の常識を“切り替える”様式が視聴者の間で定着している[1]。
概要[編集]
『マルクスイッチ』は、系列で放送されている実験型バラエティ番組である。番組の中核は、日常の手順・言い回し・手元の動作を“切り替える”ことにより、参加者の判断や感情の揺らぎがどこで発生するかを検証する企画「スイッチ・テスト」である。
番組開始当初は「毎週火曜19時台」でのレギュラー放送として始まったが、途中で不定期の公開生放送枠が導入され、視聴者参加型の導線が拡大したとされる。なお、視聴者からは「これマジ?…嘘じゃん!」という反応も多いが、公式見解としては“検証風の娯楽”と整理されている[2]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
初期設定(2012年〜2015年)[編集]
番組開始当初はの第3制作局が扱い、毎週19時12分から19時54分の42分枠として放送された。OP後の8分間は必ず「事前スイッチ宣言コーナー」が入り、ここで司会の渡辺精一郎が“切り替えるべき前提”を読み上げた。
ただし、スポンサーの意向により第1期の途中から平均視聴率が「7.2%」→「7.9%」へ推移したと社内資料で説明されており[3]、その成功要因が「冒頭の説明を2文短くした点」にあるという、いささか細かすぎる分析が広まった。
リニューアルと生放送(2016年〜現在)[編集]
2016年の春にリニューアルが行われ、「放送回数は年で最大156回、うち生放送は年で最大18回」と整理されるようになった。生放送回はの特設スタジオから行われ、参加者の“切り替えタイミング”が公開スピーカーで計測されるとされた。
この計測には、番組専用の制御装置「MS-0(マルクス・ゼロ)」が使用されると公表されたが[4]、一部の視聴者が「MS-0って、番号の付け方が“それっぽいだけ”では」と指摘した結果、次年度から“装置の型番は回ごとに変える”方針が採用された。
出演者(司会者/レギュラー出演者/歴代の出演者)[編集]
司会(冠番組としての名義上の中心)は渡辺精一郎である。渡辺は番組内で「切り替えの言語」を担当し、参加者に対して“同じ質問でも形式を変える”指示を行う役回りとして定着したとされる。
レギュラー出演者としては、ロケ担当の、検証担当の、編集リズム監修のが挙げられる。特に近藤は、企画の前後で発話速度(1分あたりの発話数)を計測すると主張し、ある回では“前半は12.4回、後半は13.1回”と発表した[5]。
歴代の出演者としては、2014年に一度だけ登場した学者風ゲストが知られている。御厨は「切り替えは数学より先に起こる」とだけ言い残して退場し、その一言が後年の視聴者投稿で引用され続けたとされるが、公式サイトでは出典が明示されていない。
番組史[編集]
『マルクスイッチ』は、放送開始当初から“常識の切替”を笑いにする方針が一貫しているとされる。ただし、制作側の説明はしばしば重層的であり、初期のパンフレットでは「スイッチとは物理現象ではなく、説明の切り替えである」と述べられたと報告されている[6]。
2013年に番組の派生企画として「通勤スイッチ」が登場した。これは視聴者が自宅から駅までの手順を“ひとつだけ違う順番”に並べ替え、違和感が出た地点をハガキで送るというものだった。回収率は「月平均0.41%」とされ、低さゆえにむしろ“本気の違和感だけが届く”設計だったと語られている[7]。
2019年には、番組内で「マルクスイッチ」という語が独自の造語として普及し、SNSで「自分の思考も切り替えられる気がする」という投稿が増えた。一方で、心理学研究者の一部からは、番組の切替効果を“過度に一般化している”との指摘も出たが、番組側は「番組は娯楽であり、効果の証明ではない」と繰り返し応じた。
番組構成/コーナー[編集]
主要コーナーは「スイッチ・テスト」「反対側の常識」「スイッチ映え採点」などで構成される。スイッチ・テストでは、参加者に同じ選択肢を提示しながら、最初の“前提文”を入れ替えることで結果の差を観察する設定になっている。
「反対側の常識」は、司会が“通常とは逆の順番”で説明することにより、参加者がどの時点で納得するかを当てさせる企画である。ここでは、納得までの時間を秒単位で表示する演出が採用され、ある回では平均「42秒」だったとナレーションで説明された[8]。
「スイッチ映え採点」は、切替後に生じた表情変化を“顔面の角度”として推定し、0〜100点で競う形式になっている。点数の内訳は毎回細かく提示され、例として「眉の上がり幅22点」「目の焦点保持31点」「口角の遅れ17点」など、やけに専門っぽい項目が並べられることがある。
シリーズ/企画[編集]
月3回放送の“日常ループ版”(裏で呼ばれる)[編集]
番組は通常の週1放送に加え、制作側が“裏シリーズ”と呼ぶ「日常ループ版」が存在するとされた。視聴者には表向きに案内されないが、実際には月の第1・第2・第4週に各15分のデータ放送連動エピソードが配信される運用になっているとされる[9]。
この企画では、視聴者の投票結果が翌回の前提文に反映される仕組みが採用されており、投票が多かった文型(たとえば「〜だから」型)が次回の台本に優先採用されるとされる。ただし、スタッフは「台本は毎回2,384行を必ず作り直す」とも述べており、投票反映の“程度”についてはあいまいにされている。
スイッチ・アーカイブ(歴史風味の検証)[編集]
「スイッチ・アーカイブ」は、古い資料風の映像を用いて“切替がどこから始まったか”を語るコーナーである。制作背景として、番組スタッフが民間研究会と協働し、架空の古文書の“読み替え”を実施したという設定が公式に語られる。
ここで紹介されるのが、架空の発明家と呼ばれる集団であり、彼らが「言葉の配列を1箇所だけ変えると人は世界を別物として見始める」と記したとされる。さらに物語は“19世紀の印刷工場での事故”に繋がるが、具体的な事故日付は必ず「XX月XX日」として伏せられるため、視聴者が勝手に埋めたがる傾向を生んだ。
オープニング/テーマ曲[編集]
OPテーマはであり、イントロの3拍目で“カチッ”という効果音が鳴るよう編集されている。2018年からはインスト版とボーカル版の2種類が用意され、特別生放送回ではボーカル版が使用されるとされる。
EDテーマはである。歌詞の一節「前提は変えず、前提だけ変える」は、視聴者の間で“番組の哲学”として引用されることが多い。なお、この歌詞が一部で「意味が反転しているだけでは」という批判の対象になったこともある[10]。
スタッフ(歴代のスタッフ/歴代スタッフ)[編集]
制作体制としては、第3制作局に加え、データ演出を担うがクレジットされる回がある。演出は「スイッチ演出研究班」として括られることが多く、個別名はエンドロールでは小さく表示されるため、視聴者が判読を競う文化が生まれた。
プロデューサーには(2012年〜2017年頃)、チーフ・プロデューサーにはが長く関与したとされる。吉田は、番組の“切替”の効果を説明しない方針に徹したことで知られるが、その割にコーナーの秒数表示だけは増やしたという矛盾した評価もある。
なお、スタッフノートでは「当日の収録は必ず13時に開始し、機材点検は47分で終える」というルーチンが記されていると報じられた。もっとも、この“47分”は誰が決めたのか不明とされ、要出典に近い扱いで語り継がれている。
ネット局と放送時間/放送局・配信元[編集]
ネット局は本局を基点に、関東・中部・関西の計9局で同時ネットされることが多いとされる。放送枠は原則として火曜19時台で統一され、地方では地域ニュースとの兼ね合いで前後する週がある。
配信元としては、が翌日午前9時にアーカイブを公開するとされる。データ放送と連動する投票は、視聴者のリモコン操作から30秒以内に完了する設計になっており、完了率が「61.8%」だったと番組側が公表したとされる[11]。
ハイビジョン放送および字幕放送に対応し、特別生放送回のみ副音声で“スイッチの読み替え解説”が流れるとされるが、対象回の扱いは回ごとに変わる。
特別番組[編集]
特別番組として、年末に放送される「マルクスイッチ大逆転年越し」は、生放送形式で行われる。ここでは通常のスイッチ・テストに加えて、参加者が自分の言い回しを“録り直してから”別の意味に変えるという趣向が採られる。
2020年の特番では、視聴者の投票で“最も反応が割れた前提文”が採用され、平均で「回答の分岐が3.7箇所発生した」と説明された[12]。ただし、番組公式の要旨では「分岐とは一致・不一致の比率である」と曖昧にされており、検証するにはアーカイブ映像の巻き戻しが必要になるとされる。
関連商品(DVD/書籍)[編集]
関連商品としては、DVD『マルクスイッチ スイッチ・テスト完全記録』(全6巻)が販売された。各巻は“前提文の型”ごとに分類されており、たとえば第2巻は「〜だから」型、第4巻は「〜ではあるが」型というように命名されているとされる。
書籍としては『切替ノウススメ:前提文の小辞典』(著: 渡辺精一郎名義)が刊行された。内容は番組の台本を再構成したものとされるが、ページの欄外に「この言い回しは放送では一度しか使わなかった」といった注記が入り、視聴者が“レア回”を探す要因になった。
受賞歴[編集]
受賞歴としては、架空の「視聴者参加設計賞」へのノミネートが記録されている。審査基準は“参加率”と“混乱の質”の2項目で、マルクスイッチは混乱が一定以上でないと評価されないという条件があったとされる[13]。
ただし、受賞の有無については年度ごとに説明が揺れており、番組公式が“最終選考まで残った”と述べた年と、“入賞した”とまとめた年が混在しているという指摘もある。
使用楽曲[編集]
番組ではOP・ED以外にも、企画ごとの“切替合図”として短いジングルが使用される。代表的なものとして、スイッチ・テスト時に流れる「コンマ・チャイム(1秒)」、反対側の常識時に流れる「裏拍ドラム(2拍)」があるとされる。
生放送回では、視聴者投票が一定数を超えると“成功音”が鳴る仕様で、音の種類は「S1〜S4の4段階」に分類される。なお、この分類表は番組サイトで公開されることもあるが、回によって公開のタイミングが異なるため、視聴者が集計していると噂される。
脚注[編集]
脚注
- ^ 【第3制作局編】『Cテレ番組年鑑 2012』Cテレ出版, 2012.
- ^ 【渡辺精一郎】『切替ノウススメ:前提文の小辞典』春雨文庫, 2018.
- ^ 【吉田澪】「スイッチ・テスト設計指針と視聴者誤読の活用」『放送実験学研究』Vol.14第3号, pp.21-39, 2017.
- ^ 【中村ヨウスケ】「生放送パートにおける機材点検ルーチンの最適化」『映像制作運用論叢』第6巻第1号, pp.55-74, 2019.
- ^ 【澤田ユイカ】「投票反映の“程度”をめぐる演出上の曖昧性」『メディア・エディット研究』Vol.9 No.2, pp.112-129, 2020.
- ^ 【近藤カナメ】「発話速度指標が笑いの決定に寄与するか」『コメディ計測ジャーナル』Vol.3 Issue4, pp.5-26, 2016.
- ^ 【榎本リサ】「顔面角度スコアリングの信頼性と視聴者納得」『舞台表情学報』第2巻第7号, pp.77-88, 2021.
- ^ 【御厨ミチノリ】「切り替えは数学より先に起こる——一つの講釈」『港区夜間読書会紀要』第1巻第1号, pp.1-12, 2014.
- ^ Marukusu Switch Production Committee, “MS-0 Calibration Notes: A Field Guide,” Journal of Broadcast Mischief, Vol.2, pp.33-61, 2015.
- ^ 【磯部真琴】『視聴率と混乱の質:バラエティの評価モデル』海鳴社, 2022.
外部リンク
- Cテレ マルクスイッチ公式サイト
- Cテレ・オンデマンド マルクスイッチページ
- スイッチ映像制作社 ポータル
- 港湾思考研究会 データベース
- 視聴者投票アーカイブ(Cテレ)