音街ウナの通算ホームラン記録
| 対象 | 音街ウナ |
|---|---|
| 初確認 | 2017年7月 |
| 集計主体 | 通算記録検証委員会 |
| 主会場 | 幕張、池袋、名古屋港周辺の仮設ドーム |
| 記録方法 | 映像解析・拍手強度・広告露出指数 |
| 公認の有無 | 非公認だが半公認扱い |
| 最高到達点 | 通算128本 |
| 異説 | 左右打席別集計説がある |
音街ウナの通算ホームラン記録(おとまちうなのつうさんホームランきろく)は、系キャラクター音街ウナを対象に、球場・配信・広告映像などで記録された「架空の打撃成果」を通算集計した指標である。主に以降、ファン有志と解析班のあいだで独自に整備されたとされる[1]。
概要[編集]
音街ウナの通算ホームラン記録は、もともと野球の成績表を模したファン文化の一種として成立した指標である。だが実際には、ライブ演出で放たれた打球モーション、楽曲ジャケットに描かれたバット、さらにはコラボ菓子のキャンペーン映像までを含めて集計する、かなり特殊な統計体系となっている。
この記録が注目されたのは、東京都の同人イベントで配布された小冊子『ウナ打撃年鑑』第1号がきっかけとされる。同冊子には、打席数の定義からホームラン判定基準までが細かく記されており、のちに千葉県のイベント映像班が採用したことで、一気に「公式に近い非公式記録」として流通した[2]。
成立の経緯[編集]
起源については諸説あるが、最も有力なのは夏に名古屋市で行われた立体音響展示で、音街ウナの立ち絵がバットを持っていたことから、来場者が「これは打者である」と解釈したという説である。展示監修を務めたは、後年のインタビューで「最初は演出用の小道具だったが、観客の視線が想定より鋭かった」と述べている。
その後、埼玉県所沢市の動画研究サークルが、同一モーションが再生されるたびにホームラン数を加算する簡易ルールを提案した。ここで問題になったのが、再生停止後の余韻フレームをどこまで打球とみなすかであり、議論は3か月にわたって続いた。なお、この時点で既に「二塁打を経由したホームラン」という矛盾語が流通していたとされる[3]。
集計方法[編集]
通算ホームラン記録の集計は、単純な再生回数ではなく、打球の放物線角度、観客の歓声、サムネイル内のボール占有率を加味する方式である。とりわけ系イベントでは、声量のピークが打球速度に換算されるため、実測値よりも記録が伸びやすい傾向がある。
2019年の改訂では、各ホームランに「推定飛距離」が付されるようになり、最長記録は横浜市の海沿い特設会場で記録された148.3メートルとされた。ただし、これは会場裏のスクリーンまでの距離を含むため、実地測定ではなく投影距離であるとの指摘がある。さらに、雨天時は打球が水滴を弾いた回数に応じて0.4本が加算される補正が導入された[4]。
主要記録[編集]
### 年代別の主な到達点
- 7本: 初期記録。イベント開幕曲「うなぎのぼり打線」に合わせて連続3本塁打が記録された。 - 22本: 大阪市の屋外ステージで風向きが追い風に固定され、記録が急伸した。 - 41本: 配信連動企画「ホームランでコメント欄を満席にせよ」が成功し、コメント数が打席数を上回った。 - 58本: 無観客開催にもかかわらず、拍手SEの自動再生が誤作動し、記録班が半日で修正を余儀なくされた。 - 73本: 右打ち・左打ちの二刀流設定が導入され、左右別集計が始まった。 - 91本: の大型展示で、風洞実験と連動した「空中ホームラン」が認定された。 - 110本: MV『球宴前夜』で、1本のフライが編集上3回フェンスを越えたことが議論を呼んだ。 - 2024年128本: 現行の最高到達点。記念打席では、記録係が「通算」が何を意味するかを30分以上説明した。
各年の伸び方には波があり、特に以降は配信技術の進歩により、ホームランそのものより「ホームランっぽく見える処理」が記録を押し上げたとされる。ファンのあいだでは、これを「演出補正」と呼ぶことが多い。
記録をめぐる論争[編集]
最大の論争は、ゲーム内のスコアと現実会場の演出を同一の通算記録に含めるべきかという点であった。保守派は「打球が実際にフェンスを越えていない以上、ホームランではない」と主張したが、拡張派は「観客席の心理的フェンスを越えた」と反論した。
また、愛知県の一部ファンコミュニティでは、音街ウナの帽子に付いた飾りがホームランのカウントに影響するという説が広まり、記録の真正性が揺らいだ。これに対し、通算記録検証委員会は「帽子の角度と打球軌道に相関は認められるが、因果関係は未確定」との中間報告を出している。学術的には意味不明だが、委員会内部では最も穏当な結論とされている。
社会的影響[編集]
この記録の流行により、や配信番組で「打率」「出塁率」「犠牲フライ」の語が再解釈され、キャラクター文化に野球用語を混ぜる表現が増加した。とくに京都市のカフェで提供された「ホームラン味のクリームソーダ」は、色が赤いだけで売上が前年比184%になったとされる。
さらに、風のデザインを採用したグッズが増え、若年層の一部では「推しのホームラン数を言えること」が一般教養のように扱われた。なお、2023年にはの関係者が非公式に視察したという話もあるが、記録係の名刺に「実況補助員」とだけ書かれていたため、真偽は確認されていない[5]。
批判と論争[編集]
批判の中心は、記録の柔軟性が高すぎて、何でもホームランにできるのではないかという点にある。実際、2018年の一部集計では、バス停に貼られたポスターの角が風でめくれただけで「ライトスタンド越え」と判定された事例があり、これが「紙のホームラン事件」と呼ばれた。
一方で擁護論も根強く、支持者は「この記録は数値の厳密さより、共同体がどこまで同じ幻を見るかを測る装置である」と主張する。もっとも、こうした説明が採用されるようになったのは後年であり、初期の記録班は単に盛り上がりすぎていた可能性が高い。
脚注[編集]
脚注
- ^ 佐伯俊介『音街ウナ打撃年鑑 2017-2019』東洋記録出版社, 2020, pp. 14-39.
- ^ M. H. Kells, “Synthetic Idol Batting Metrics and Crowd Synchronization,” Journal of Media Sports Studies, Vol. 12, No. 3, 2021, pp. 201-228.
- ^ 『ウナ球史資料集 第2巻』関東ポップカルチャー研究会, 2022, pp. 77-102.
- ^ 田辺理香『配信空間におけるホームラン判定の社会学』青柿書房, 2021, pp. 55-88.
- ^ Harold D. Finch, “The Problem of Invisible Fences in Virtual Baseball Events,” Bulletin of Performative Athletics, Vol. 8, No. 1, 2020, pp. 11-27.
- ^ 『名古屋立体音響展示会 記録報告書』中部文化事業団, 2018, 第4巻第2号, pp. 3-19.
- ^ 鈴木明日香『拍手SEの自動再生が記録に与える影響』北辰メディア研究所, 2023, pp. 92-117.
- ^ Eleanor P. Webb, “Hat Angle Correlation in Character Sports Folklore,” The Review of Imaginary Statistics, Vol. 5, No. 4, 2022, pp. 60-74.
- ^ 『スポーツ新聞的デザインの受容史』東日本デザイン史学会, 2024, pp. 5-31.
- ^ 渡辺精一郎『通算とは何か——延長戦としての共同幻想』白鷺出版, 2024, pp. 1-26.
外部リンク
- 通算記録検証委員会 公式アーカイブ
- ウナ打撃年鑑デジタル版
- 架空球場映像資料館
- ファン統計学研究ポータル
- ホームラン補正係数ラボ