KYOTO TOWER TOWER TOWER(きょうと たわー たわー たわー)
| 名称 | KYOTO TOWER TOWER TOWER |
|---|---|
| 種類 | 超高層多層周遊施設(観覧・再現・教育) |
| 所在地 | 京都府南丹市(旧・瑞穂山麓) |
| 設立 | 21年(2009年) |
| 高さ | 333.3 m(算定基準により±0.2 m) |
| 構造 | トリプルコア・チューブラーレーム(制振ダンパー内蔵) |
| 設計者 | 瑞嶺設計協同組合(代表: 渡辺精一郎) |
KYOTO TOWER TOWER TOWER(きょうと たわー たわー たわー、英: Kyoto Tower Tower Tower)は、にある[1]。現在では、同名の連唱を合図として入場導線が変わる珍しい仕組みを備え、観光客の体験設計研究の題材として扱われている[2]。
概要[編集]
KYOTO TOWER TOWER TOWERは、に所在する超高層多層周遊施設である[1]。建物名称が「タワー」を三度連ねることに由来し、入場時の音声リズムが非常口サインやエスカレーターの停止タイミングに影響する仕組みが採用されたとされる[3]。
施設は三本の塔体を一つの“巡回装置”として束ねる構造を採るとされ、館内では上昇順・下降順の2系統が存在する。とりわけ、来訪者が館内ガイド端末に向けて「TOWER TOWER TOWER」と連呼すると、展示室の順番が微妙に組み替えられる仕様が「記憶を書き換える観光」と呼ばれた[2]。
なお、設計資料の一部は公開後に改訂され、寸法表記や高さの算定基準が説明文面で揺れていることが指摘されている。登録上は高さ333.3 mとされる一方、現場測量報告では「333.1 mが妥当」との記載も確認されている[4]。
名称[編集]
施設名は英語表記のまま「TOWER」を三度反復する形式である[1]。施設管理当局は、この反復が“京都の三つのリズム(祇園・市場・川筋)”を示す標語だと説明しているが、同時に外部研究者からは「音の反復が注意喚起に最適化されただけではないか」との見方も提示されている[5]。
また、略称として「KTT3」または「三連塔」と呼ばれることがある。さらに、チケットの半券にだけ日本語のふりがなが付記され、「きょうと たわー たわー たわー」と読むよう案内される点は、教育イベントの運営マニュアルに由来するとされる[6]。
名称の反復は、開業直後に発生した“読み間違い連鎖”を契機に定着した経緯があるとされる。初期チラシでは「KYOTO TOWER(京タワー)」と短縮されていたものの、来訪者が別施設の駐車場へ向かう事故が年4回発生したため、三連唱表記へ切り替えられたと記録されている[7]。
沿革/歴史[編集]
KYOTO TOWER TOWER TOWERの計画は、周辺の観光偏在を是正する目的で立ち上げられたとされる。背景として、18年(2006年)に“上りはするが下りてこない”という来訪傾向が統計で問題視され、回遊性を物理だけでなく認知レベルでも設計する方針へ転換したと説明されている[8]。
計画推進はの「回遊行動設計室」(正式名称: 南丹市観光行動推進課 内・回遊設計係)と、設計協同組合のが中心となった。なお、当初は高さを320 m前後に抑える案が優勢だったが、風荷重計算の委託先が「“長さの端数は観光記憶に残る”」という独自指標を提出し、最終的に333.3 mへの調整が行われたとされる[9]。
建設は21年(2009年)に着工し、工期は1年11か月とされるが、実務の工程表には“中空デッキの再調整”として全体の3.7%が「無音期間」に割り当てられていたと記載されている[10]。これは騒音規制に対応したという建前とは別に、塔体の制振試験を行うための静穏運転が必要だったためだと後年の座談会で語られた[11]。
開業後、館内の「三連唱トリガー」は一時的に不調となった。原因として、来訪者が「TOWER」を強く発音しすぎた結果、音声認識が過剰に補正され導線が逆回りする不具合が約2週間継続したとされる。対策として、ガイド端末の音声閾値が“1.4 dBずつ段階補正”され、以後は安定運用に至ったと報告されている[12]。なお、この数値の出典には異論もあり、「現場がメモしただけ」という指摘がある[13]。
施設[編集]
施設は、中心コアを三重に連結した構造(トリプルコア・チューブラーレーム)を採るとされる[14]。塔体は周囲を回る“外環デッキ”と、途中で展示が切り替わる“内環ラウンジ”の2層で構成され、上昇と下降で展示の解像度が変化する設計が特徴とされる。
館内には「TOWER語学回廊」「反復記憶工房」「高さ換算室」が設けられている[2]。特に反復記憶工房では、来訪者が「TOWER TOWER TOWER」と唱えると、展示壁面に同一言語の波形が“少しだけ”ずれて投影される。これは音響心理の実験装置としても転用されたとされ、の分科会が共同研究として視察した記録がある[15]。
また、施設の屋上には“風の並び替え”を行うという小型風向制御ユニットがあり、気象条件に応じて案内表示が自動で入れ替わるとされる[16]。ここで使われる表示規格は、南丹市の屋外情報表示ガイドラインに基づき、夜間は緑系1色、昼間は青系2色に限定されているとされるが、実際にはイベント日だけ色数が増える運用も確認されている[17]。
加えて、館内に設置された自動貸出端末では、三連塔に由来する“333ポイント”の遊園チケットが発行される。これは入場後最初の10分で付与されるとされ、期限は90日であるとされる[18]。ただし、制度開始時の案内文面では「60日」との記載が残っており、途中で改定された可能性があると指摘されている[19]。
交通アクセス[編集]
鉄道アクセスは、最寄りの臨時連絡駅として(通称: 山口ステーション)が案内される[1]。同駅から施設までは“回遊動線ベルト”と呼ばれる歩行支援レーンが接続しており、徒歩所要はおおむね12分とされるが、観光繁忙期は導線が環状となるため体感時間が変わると説明されている[20]。
自動車の場合、南丹市が管理するが徒歩圏に設けられている。駐車料金は1台あたり最大2,000円とされ、雨天時は“視界補助ライト”が追加で点灯する運用がある[21]。また、施設入口周辺は“停止せずに合唱するための待機帯”として設計されたとされ、車のアイドリングが推奨されない代わりに、館内BGMが待機帯へ微弱に流入するという[22]。
バスはの周遊系統が1時間あたり2〜3本で運行されるとされる[23]。運行時刻はイベントで増便されることがあるが、三連唱トリガーの体験待ちが発生するため、便間隔があえて“17分刻み”に調整される年もあるとされる。なお、この17分刻みは運行ダイヤの公表資料にないとして、利用者掲示板では“現地調整説”が語られている[24]。
文化財[編集]
KYOTO TOWER TOWER TOWERは文化財としての指定を受けているわけではないが、「技術景観の保存対象」として扱われることがある[25]。施設の制振機構は“静穏期間の運転手順”とセットで説明されており、機械遺産的な見方をされる場合がある。
また、館内の展示に「高さ換算室」があり、古い測量尺を模した装置とともに、観覧者の身長・影の長さを用いた推定手法が紹介されている。これらは地域の教育委員会が後援し、が授業教材として配布したとされる[26]。
一方で、塔体の外装に使用された特殊塗膜は、耐久性を理由に長期メンテナンス契約が結ばれた。その契約内容が「10年更新、但し延長時のみ見積提出」とされている点が、将来の修繕計画として不透明だと批判されたことがある[27]。当局は、修繕計画の詳細は安全保障(風洞試験の再現性)に関わるとして非公開としているが、これに対し情報公開請求の動きがあったとされる[28]。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 南丹市観光行動推進課『回遊行動設計資料(KTT3)—導線制御と音声トリガー』南丹市, 2010.
- ^ 渡辺精一郎「トリプルコア・チューブラーレームの制振挙動と観光体験への寄与」『日本建築動的解析年報』第12巻第4号, pp. 201-219, 2011.
- ^ 高橋ミナト「反復発話が空間認知に与える影響—TOWER TOWER TOWER事例」『音響心理学研究』Vol. 28 No.2, pp. 33-52, 2012.
- ^ Kensuke Morita, “Memorability Metrics for Landmark Height Endpoints,” Journal of Urban Experience, Vol. 9, No. 1, pp. 10-27, 2013.
- ^ 【要出典】「施設高さの算定基準に関する補遺メモ」『南丹市技術公報』第3号, pp. 77-81, 2009.
- ^ 佐久間麗「屋外情報表示の色数制限と安全誘導の最適化」『サインデザインレビュー』第5巻第1号, pp. 55-71, 2014.
- ^ 丹波観光交通『周遊系統ダイヤ改定記録(17分刻みの年)』丹波観光交通, 2016.
- ^ 山形ユリ「施設運営における“無音期間”の工程設計」『建設オペレーション論集』Vol. 6, No. 3, pp. 90-112, 2017.
- ^ National Institute of Architectural Heritage, “Guidelines for Quiet-Operation Mechanisms,” Heritage Engineering Letters, Vol. 2, Issue 7, pp. 1-18, 2018.
- ^ 大槻サトシ『測量尺と影の推定—高さ換算室の教育効果』南丹市教育委員会出版, 2019.
外部リンク
- KYOTO TOWER TOWER TOWER 公式ガイド
- 南丹市回遊行動設計室アーカイブ
- 瑞穂山麓有料駐車場 運用案内
- 丹波観光交通 周遊系統マップ
- 音響心理学研究会(TOWER事例)