Naideceのディスコグラフィー
| 名前 | Naidece |
|---|---|
| 画像 | Naidece live at Kanda Hall 2024.jpg |
| 画像説明 | 2024年の神田ホール公演におけるNaidece |
| 画像サイズ | 280px |
| 背景色 | #1E1E2F |
| 別名 | NDC |
| 出生名 | Naidece |
| 出身地 | 東京都下北沢 |
| ジャンル | エレクトロ・ポップ、都市民謡、実験ダンスロック |
| 職業 | バンド |
| 担当楽器 | ボーカル、シンセサイザー、ギター、サンプラー |
| 活動期間 | 2012年 - 現在 |
| レーベル | MIRROR LANE RECORDS |
| 事務所 | 夜間電流プロダクション |
| 共同作業者 | 白石トオル、黒川マリ、天羽ユウ、久遠セイ |
| メンバー | 白石トオル、黒川マリ、天羽ユウ、久遠セイ |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | naidece.jp |
Naidece(ないでしー)は、日本の4人組である。所属事務所は。レコード会社は。2012年に結成、2015年にメジャーデビュー。略称は「NDC」。公式ファンクラブは「Naidece Keepers」である。
概要[編集]
Naideceのディスコグラフィーは、が発表した音源作品をまとめた一覧である。インディーズ期の自主制作盤から、上位に入ったメジャー作品、さらに配信限定の断続的な短編楽曲までを含む。
同バンドは、2010年代前半の東京都・下北沢の小箱文化から生まれたとされ、当初は「発表されるはずだった曲が毎回1曲だけ欠けている」という奇妙な演出で注目を集めた。後年の資料では、この欠番の習慣がディスコグラフィー全体の概念を形成したとも言われ、ファンの間では「未収録こそがNaideceの完成形」とする解釈が定着している。
発表形態は、、、、、など多岐にわたる。特に2018年の『ミラーレーンの午後』以降は、収録曲の末尾に必ず環境音が挿入される手法が話題となり、音楽評論家の一部からは「都市生活の残響を制度化した」と評された[1]。
来歴[編集]
結成からインディーズ時代[編集]
Naideceは、下北沢の中古楽器店「黒い月琴堂」の閉店セールをきっかけに集まった、、、によって結成された。結成当初はと弁当箱を改造したパーカッションを併用し、路上演奏のたびに商店街の自動ドアが誤作動を起こしたという逸話が残る。
に自主制作ミニアルバム『未送信の午前』を発売し、手売りで417枚を記録したとされる。同作は当時ののライブハウス関係者のあいだで回覧され、未完成曲「改札前で会えない」が、終電後の待機列における若者の感情を異様に正確に描写しているとして、口コミで支持を広げた。
メジャーデビューと転機[編集]
、MIRROR LANE RECORDSからシングル『夜間電流』でメジャーデビューした。この作品は、発売週にで9位を記録し、同年の新人賞選考会で「歌詞カードの余白が過剰に多い」との理由で審査員の議論を呼んだ。
続く1stアルバム『片道の遊歩道』(2016年)は、収録曲12曲のうち3曲が4分以内に終わる一方、最後の1曲「駅前に雨がある」が11分22秒に及ぶ構成で知られる。製作中、駅名標の音をサンプリングしすぎたため、編集室の時計が1時間遅れたというエピソードがある[2]。
2018年以降[編集]
の3rdアルバム『ミラーレーンの午後』は、都市を主題にしたサウンドと、人工的な群衆ノイズの使用で高い評価を受けた。ジャケット写真は東京都港区の再開発地区で撮影されたが、撮影許可の申請書に「日没を30分延長する目的」と書かれていたため、担当窓口で一度差し戻されたとされる。
には初のベスト・アルバム『NAIDECE ARCHIVE 2012-2020』を発表し、未配信曲4曲が初収録された。とくに「コンビニの前で季節が変わる」は、ストリーミング再生数の伸び方が週末の天候と一致したことで話題となり、ファンの間では「気圧で聴かれる曲」と呼ばれている。
2024年には活動12周年記念の映像作品『KANDA HALL 12/12』を発売し、付録ブックレットに「終演後、会場の照明が15分だけ青いままだった」と記された。この記述の真偽は定かでないが、同作がライブ映像作品としては異例の高い予約率を示したことは各種資料で一致している。
音楽性[編集]
Naideceの音楽性は、を軸にしつつ、、、の要素を混交させたものとされる。ボーカルの旋律は一見親しみやすいが、拍の裏に微細なズレを仕込み、聴き手に「見慣れた街が少しだけ別の街に見える」感覚を与えると評される。
また、歌詞には、信号機、、など生活感の強い語彙が多く、これに対して低音部では意図的に機械音を残すため、ライブ会場では「歌っているのに、なぜかインフラの気配がする」との感想がしばしば寄せられた。なお、2019年以降は一部楽曲で本当に駅の改札音が使われたが、許諾の都合で代替音源に差し替えられたとする説もある[3]。
編曲面では、白石がコード進行を、黒川がメロディ断片を、天羽が音響処理を、久遠が構成管理を担う分業体制が確立していたとされる。ただし、メンバー本人は「実際には誰が何を作ったか最後まで曖昧だった」と述べており、その曖昧さ自体がNaideceらしさとして受容されている。
人物[編集]
Naideceは公式プロフィール上、「夜の通勤路に最も似合うバンド」とされている。これは事務所が宣伝用に作成した文言であるが、実際にの私鉄沿線で支持を広げた経緯と重なり、半ば現実の説明として流通した。
白石トオルは機材担当で、ライブ前に必ずケーブルを3回巻き直すことで知られる。黒川マリは歌詞の言い換えを得意とし、同じフレーズを公演ごとに1文字だけ変える癖がある。天羽ユウは無言でノイズを足すことが多く、久遠セイは物販の列整理まで担当したため、ファンからは「実質マネージャー」とも呼ばれた。
人柄については、メンバー全員が取材時に妙に具体的な天気の話をすることが多く、記者のあいだでは「Naideceに会うと必ず翌週の降水確率が気になる」と言われていた。こうした逸話は誇張を含むが、少なくとものインタビューで白石が「音楽は湿度でできている」と発言した記録は残っている[4]。
評価[編集]
Naideceは、インディーズ期から「都市の孤独を過剰に明るく鳴らすバンド」として批評家の注目を集めた。特に『片道の遊歩道』以降は、東京の生活感を音として保存した資料的価値が評価され、音楽誌『月刊レイヤー』では「平成末期の改札文化の標本」と記された。
一方で、歌詞の抽象度が高く、初聴では意味が掴みにくいとの指摘もある。これに対し、ファンコミュニティでは歌詞を地図化する試みが進み、2020年には有志により「Naidece歌詞交通網」が作成された。路線図風の図面に各曲のモチーフが配置され、結果として、バンドの楽曲が首都圏の移動経路に似た広がりを持つことが可視化されたという。
なお、音楽評論家のは、Naideceについて「サブカルチャーの顔をした公共事業」と評している。この表現はしばしば引用されるが、本人は後年「少し言いすぎた」とも述べており、引用のたびに注釈が増える珍しい評語となった。
受賞歴・記録[編集]
Naideceは、に新人部門を受賞し、には『ミラーレーンの午後』で年間アルバム賞を受けたとされる。また、のベスト・アルバムは発売初週で推定3.8万枚を売り上げ、配信累計では公開18か月で1.2億回再生を突破した。
記録面では、シングル「夜間電流」が深夜帯のラジオ局で最も再生された楽曲の一つとして扱われ、圏の通勤時間帯における再生比率が異常に高かったことも報告されている。もっとも、この数値は一部配信事業者の集計方法に依存しており、比較対象の取得元が毎月変わるため、厳密な順位は確定していない。
2024年には「KANDA HALL 12/12」が発売3日で完売し、会場限定版に付属した「音のないアンコール券」がコレクターズアイテムとして流通した。券面には「使用不可」と明記されていたが、これを理由に価値が下がることはなかった。
ディスコグラフィ[編集]
シングル[編集]
『夜間電流』(2015年) - メジャーデビュー曲。駅前の自動販売機がサビの直前で一度だけ点滅する演出が話題となった。
『雨のあとで改札は閉まる』(2016年) - タイトルの長さに対して曲が短く、店頭では「最短の叙情」と紹介された。
『コンビニの前で季節が変わる』(2019年) - 配信限定。発売日が台風接近と重なり、再生数の初速が通常の1.7倍に達したとされる。
アルバム[編集]
『未送信の午前』(2013年) - インディーズ・ミニアルバム。手書き歌詞カードの誤字が修正されないまま流通した。
『片道の遊歩道』(2016年) - 1stアルバム。終盤曲の長大なフェードアウトが賛否を呼んだ。
『ミラーレーンの午後』(2018年) - 3rdアルバム。再開発地区の空気音を収録したとされる。
『NAIDECE ARCHIVE 2012-2020』(2021年) - ベスト・アルバム。未配信曲を含む全16曲構成。
『KANDA HALL 12/12』(2024年) - 映像作品。音声のみの章が2分34秒存在する。
ストリーミング認定[編集]
Naideceの主要楽曲は、、、などで継続的に聴取されているとされる。特に「夜間電流」と「コンビニの前で季節が変わる」は、公開から数年を経ても平日夜の再生比率が高く、通勤・帰宅導線に強い依存を示す珍しい楽曲として紹介された。
時点で、公式発表ベースの累計ストリーミング再生数は4.6億回を突破したとされるが、内訳には試聴、店頭端末の自動再生、イベント会場の待機BGMが含まれるという指摘もある。このため、ファンの間では「聴かれた回数ではなく、存在した回数が数えられている」と半ば冗談で語られている。
タイアップ一覧[編集]
Naideceの楽曲は、テレビドラマ、深夜アニメ、鉄道会社のキャンペーン、地方自治体の観光PRに起用されたとされる。代表的な例として、『夜間電流』は風の架空CMで使用され、『コンビニの前で季節が変わる』はの啓発映像に採用された。
また、2020年には「片道の遊歩道」が下北沢の再開発PRタイアップ曲として検討されたが、「曲中にある踏切音が現地の現況と一致しない」との理由で見送られたという。なお、この件は当時の広報資料に一切残っておらず、関係者の回想だけが妙に一致している。
ライブ・イベント[編集]
Naideceは、都内のライブハウスから中規模ホールまでを中心に活動してきた。2017年の『夜の外周ツアー』では、開演5分前に会場照明が一斉に青へ変わるトラブルが発生したが、結果的に演出として受け止められ、以後はセットの定番となった。
2022年の『午後はまだ来ない』ツアーでは、名古屋市、大阪市、を巡り、各地でアンコール曲がわずかに異なった。とくに公演では、観客の手拍子が想定より2拍早く入ったため、天羽が即興でテンポを上げたという。
ライブ・イベントの特徴として、終演後にメンバーが客席に向かって手を振るのではなく、照明卓の方を見て一礼する習慣がある。これは「誰に向けて演奏したかを曖昧にしない」ための作法と説明されているが、単にスタッフへの感謝だった可能性もある。
出演[編集]
Naideceは、音楽番組だけでなく、ラジオ、CM、映画の劇伴企画にも断続的に参加してきた。の特番『都市と反響』では、メンバーが駅構内の雑音を即興で再現し、放送事故寸前の盛り上がりを見せた。
テレビでは、深夜音楽番組『ミッドナイト・レイヤー』に複数回出演し、初回出演時には演奏中に背後のモニターへ誤って翌週の番組表が映り込む事件があった。映画では公開の架空ドキュメンタリー『終電の速度で』に音楽提供を行い、エンドロールが通常より46秒長くなったことが話題になった。
CM出演では、空調機器、駅ナカ書店、そして「雨の日用レインコート自動販売機」の広告に起用されたとされる。もっとも最後の案件は実在性が極めて怪しく、雑誌『広告時報』では注記付きで扱われた。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
Naideceは2024年末の特別企画枠でに出場したとされ、披露曲は「夜間電流」であった。白組として紹介されたが、演出上は青い照明が多用され、司会者が一度「どちらが白組か分からない」と笑いを誘ったという。
なお、この出場は「年末の交通情報と最も親和性が高いアーティスト」としての選出だったと説明されているが、番組内の公式テロップでは「夜の都市景観を代表する音楽表現」と記されており、選出理由の言い回しが毎年少しずつ変わることでも知られている。
批判と論争[編集]
Naideceに関する論争としては、初期作品の一部におけるサンプル利用の出典表記が曖昧であったこと、ならびにライブ演出で「駅名を連想させる表示」が使われたことが挙げられる。もっとも、いずれも当時のインディーズ流通における慣例の範囲内と見なす向きもあり、決定的な問題には至らなかった。
また、2019年の配信作品では、曲間の無音部分が「5秒ではなく4秒だった」とファンが指摘し、SNS上で小規模な検証合戦が起きた。レーベル側は「マスタリング段階での誤差」と説明したが、後年になっても一部の聴取者は5秒版と4秒版を区別して話題にしている。
このように、Naideceは音楽そのものより、音楽の周辺に発生する細部のズレや余白が注目されやすい。編集者の間では、同バンドの記述は「事実確認よりも注釈の行数が勝つ」と評されることがある。
脚注[編集]
[1] ただし、初期の結成年については2011年説もある。 [2] 監督助手の回想による。 [3] 配信各社のメタデータが一致していない。 [4] インタビュー記録の逐語起こしより。
参考文献[編集]
田島玲子『夜間都市とポップスの境界』光彩出版、2019年。
M. Thornton, "Peripheral Beats and Urban Memory," Vol. 12, No. 3, Journal of East Asian Popular Music Studies, 2020, pp. 44-67.
岩崎嘉門『サブカルチャーの公共性』青灯社、2021年。
黒田一成『下北沢インディーズ史 1998-2018』北岸書房、2018年。
S. Watanabe, "On Missing Tracks in Japanese Electropop Albums," Vol. 5, Issue 2, Mirror Lane Review, 2022, pp. 101-129.
『月刊レイヤー』編集部『改札音と余白の音楽学』月刊レイヤー増刊、2020年。
久保田真理『ストリーミング時代の都市歌謡』白夜文庫、2023年。
A. Nakamura, "The Blue Lighting Incident at Live Houses," Vol. 8, No. 1, Contemporary Sound Art Bulletin, 2024, pp. 9-18.
小橋あゆみ『Naideceと午後の再開発』都心評論社、2024年。
R. L. Carter, "A Catalogue of Songs That End Too Early," Vol. 3, No. 4, International Journal of Fictional Discography, 2021, pp. 200-219.
外部リンク[編集]
公式ウェブサイト
MIRROR LANE RECORDS アーティスト紹介
夜間電流プロダクション 所属一覧
Naideceファンクラブ「Naidece Keepers」
都市ポップ資料館 Naidece特集
脚注
- ^ 田島玲子『夜間都市とポップスの境界』光彩出版、2019年。
- ^ M. Thornton, "Peripheral Beats and Urban Memory," Vol. 12, No. 3, Journal of East Asian Popular Music Studies, 2020, pp. 44-67.
- ^ 岩崎嘉門『サブカルチャーの公共性』青灯社、2021年。
- ^ 黒田一成『下北沢インディーズ史 1998-2018』北岸書房、2018年。
- ^ S. Watanabe, "On Missing Tracks in Japanese Electropop Albums," Vol. 5, Issue 2, Mirror Lane Review, 2022, pp. 101-129.
- ^ 『月刊レイヤー』編集部『改札音と余白の音楽学』月刊レイヤー増刊、2020年。
- ^ 久保田真理『ストリーミング時代の都市歌謡』白夜文庫、2023年。
- ^ A. Nakamura, "The Blue Lighting Incident at Live Houses," Vol. 8, No. 1, Contemporary Sound Art Bulletin, 2024, pp. 9-18.
- ^ 小橋あゆみ『Naideceと午後の再開発』都心評論社、2024年。
- ^ R. L. Carter, "A Catalogue of Songs That End Too Early," Vol. 3, No. 4, International Journal of Fictional Discography, 2021, pp. 200-219.
外部リンク
- 公式ウェブサイト
- MIRROR LANE RECORDS アーティスト紹介
- 夜間電流プロダクション 所属一覧
- Naideceファンクラブ「Naidece Keepers」
- 都市ポップ資料館 Naidece特集