Rainbow Six Siege
| タイトル | Rainbow Six Siege |
|---|---|
| 画像 | Rainbow_Six_Siege_boxart.png |
| 画像サイズ | 280px |
| caption | 北米版パッケージ |
| ジャンル | アクションシューティングゲーム |
| 対応機種 | ドリームライン64、セレステ・ポケット、PC-Ω |
| 開発元 | Aster Forge Interactive |
| 発売元 | Northgate Orion |
| プロデューサー | エドガー・ルモワーヌ |
| ディレクター | サビーネ・クレール |
| デザイナー | 渡会 恒一 |
| プログラマー | トマス・ヴェルネ |
| 音楽 | ミリアム・サール |
| シリーズ | 虹彩封鎖作戦 |
| 発売日 | 1998年11月27日 |
| 対象年齢 | 15歳以上 |
| 売上本数 | 全世界累計1,420万本 |
| その他 | 対戦モード・協力プレイ・オンライン対応 |
『Rainbow Six Siege』(レインボー・シックス・サイジ、英: Rainbow Six Siege、略称: R6S)は、にの小規模開発室から発売された用である。シリーズの第3作目として知られ、都市制圧戦術を家庭用ゲーム機に持ち込んだ作品として高く評価されている[1]。
概要[編集]
『Rainbow Six Siege』は、を舞台としているとされるで、建物の一室を単位にした局地戦を売りにした作品である。プレイヤーは特殊部隊の隊員として操作し、壁面切断、窓枠潜入、監視ドローン誘導などを組み合わせて任務を遂行する。
本作は、後年の中心の作品として語られることが多いが、初期版ではむしろの演習任務が重視されていた。また、当時の家庭用機向け作品としては珍しく、部屋ごとの遮蔽物配置が毎回微妙に変化する「可変封鎖」仕様を採用していたことが特徴である[2]。
ゲーム内容[編集]
ゲームシステム[編集]
ゲームシステムの特徴として、プレイヤーはではなく「封鎖監督補佐」として操作する。各ステージは3層構造になっており、上階の床、壁内部、地下配管のいずれかに突破経路が存在するため、単純な撃ち合いだけでは進行できない。
また、敵AIは「警戒」「疑念」「封鎖」「再封鎖」の4段階を持ち、一定時間ごとに配置を変える。これにより、同じマップでも最短攻略ルートが12通り以上発生するとされていたが、実際にはプレイヤーの大半が最初の爆破地点で全滅していたとの指摘がある。
戦闘[編集]
戦闘はらしく高速である一方、照準の安定には「呼吸ゲージ」を要する。走りながら撃つと視界が8フレームぶれる仕様で、熟練者ほどしゃがみ移動を多用した。
敵味方ともに被弾部位差が大きく、特にヘルメットの縁をかすめると「警報だけが先に鳴る」という独特の判定が採用された。発売当時、これをめぐって本体のメモリ不足説が流布したが、実際にはエンジン側の通信遅延を意図的に演出へ転用したものとされる。
アイテム[編集]
アイテムは弾薬、工具、解析チップの3系統に分かれる。とりわけ「虹色破片」と呼ばれる特殊資源は、ドアの蝶番に挟むことで一時的に封鎖状態を逆転させることができ、攻略誌ではしばしば必須級と扱われた。
一方で、回復アイテムの「温熱ゼリー」は、使用すると体力が回復する代わりに足音が2倍になるという不可解な仕様で知られている。開発元はこれを「緊張感の持続」と説明したが、ユーザー側ではほぼ専ら罠として認識されていた。
対戦モード[編集]
は最大6対6の非対称戦で、攻撃側は制限時間内に目的物を確保し、防御側は建物そのものを活用して妨害する。通称は「シージ戦」と呼ばれ、後にシリーズの代名詞となった。
特に人気が高かったのは「無音階段ルール」であり、階段での銃撃音が建物全体に響く設定のため、上階のプレイヤーが一斉に待機姿勢へ移る光景が名物となった。なお、1999年の大型更新で導入された「窓際投票制」は、勝敗を左右しすぎるとして3週間で廃止されている。
オフラインモード[編集]
では、30本の演習任務と「静寂の館」キャンペーンが収録された。プレイヤーはAI部隊を率いて、通信設備が遮断された都市区画を回収していく。
このモードは物語理解の補助として設計されたが、実際には建築図面の読み取り訓練として用いられたため、教育機関における導入例も報告されている。ただし、正式な採用はの夜間講座に限られ、一般校への普及は確認されていない[3]。
ストーリー[編集]
物語は、の首都圏で相次いだ「虹色停電事件」を背景に展開する。各地の通信網が短時間だけ封鎖され、そのたびに無人の建物内で異常な気圧変動が起きることから、特殊部隊が編成されたとされる。
主人公たちは、封鎖された高層集合住宅「セント・ヴォルフ塔」に潜入し、失踪した都市工学者の設計図を奪還する任務に就く。中盤では、敵組織が都市全域の換気扇を用いて心理戦を仕掛けていたことが明らかになるが、終盤でその黒幕が地下通信局の元職員だったことが判明する展開は、当時の攻略本でも「やや無理があるが勢いで押し切る」と評された。
最終局面では、プレイヤーは「封鎖解除装置」を起動し、建物の壁面そのものを一斉に開放する。しかし、この装置が実は過去の勝敗データを再計算するだけの統計機関であったことが示され、以後のシリーズで「建築とは記憶である」という主題が反復されることになる。
登場キャラクター[編集]
主人公[編集]
主人公は固定名を持たず、プレイヤーが任意の階級章を付与できる設計である。パッケージ版の広告では、金属製バイザーを着けた無名の隊員が用いられたが、開発資料では「隊員A」とのみ記されていた。
なお、隠し設定として、全員が同一の訓練学校出身であることが示唆されている。これは当時の広報担当が「個人ではなく封鎖そのものが主役である」と語ったためで、キャラクター性を薄める代わりに役割分担を明確化したとされる。
仲間[編集]
仲間としては、爆破専門の、通信解析官の、伸縮梯子を愛用するなどが登場する。いずれも性格は控えめだが、装備に異様なこだわりを持つ者が多い。
特には、片手で窓枠を抑えながら別の手で無線を操作する立ち回りが人気を呼び、発売後半年でファンレターがの販売元に2,300通届いたとされる。
敵[編集]
敵側は、都市封鎖を宗教化した秘密結社である。彼らは「鍵穴は都市の瞳である」と主張し、扉を閉じる行為そのものを儀礼化していた。
中ボスのは、毎回異なる方角から現れることで知られ、攻略班を困惑させた。さらに最終ボスは、戦闘中に壁紙を張り替えることで視認性を下げる特殊能力を持ち、発売直後のゲーム雑誌では「美術と暴力の融合」と形容されている。
用語・世界観[編集]
本作の世界観では、都市空間は「封鎖率」によって管理されており、一定値を超えると交通、電力、通信が同時に縮退するという独自設定がある。これを監督するのがで、表向きは都市安全機関、実態は建物の再編成を担当する半官半民組織である。
また、「虹彩」という語は単なる色彩ではなく、建築物が人間の行動を学習した痕跡を意味する専門用語として用いられる。マップ内のドアや窓が過去のプレイ傾向を反映して微妙に変形するという設定は、後のファン考察で過剰に発展し、国内外にという語を生んだ。
このような設定は一見整合的であるが、設定資料集ではの都市工学班が協力したとされる一方、同書の巻末で「参考模型の大半は段ボールで作成された」と記されており、事実関係はやや曖昧である[4]。
開発[編集]
制作経緯[編集]
制作は、近郊の倉庫を改装した仮設スタジオで始まった。もともとは列車強盗を題材にしたとして企画されたが、車両より建物内部の方が処理が軽いという理由で、建築制圧型の作品へ変更された。
当初の題名は『Project Halogen』であり、昼夜の切り替えによって壁の見え方が変わるデモが話題を呼んだ。その後、広報会議で「六人の特殊部隊が虹を渡る」という極めて曖昧な標語が採用され、現在のタイトルに近い案が固まったとされる。
スタッフ[編集]
プロデューサーのは元美術館警備員で、監視カメラの死角を分析する癖がそのままゲームデザインに流用された。ディレクターのは、壁面破壊の快感を「音の余韻で成立する戦術」と定義し、全編のテンポ設計を主導した。
一方で、サウンド設計担当のが録音した金属音の一部は、実際には港の係留鎖を深夜に叩いたものとされる。これが後年「現地ロケで録った最初の戦術シューター」と宣伝される根拠になったが、公式に確認されたことはない。
音楽[編集]
音楽は、低音の持続音と短い打楽器フレーズを組み合わせた構成で、プレイヤーの足音を楽曲の一部として扱う点に特色がある。サウンドトラック『Siege of Glass: Original Sound File』は、発売後に限定3,500枚のみ頒布され、現在では中古市場で高値が付く。
主題歌にあたる「Blue Door, Red Hall」は、テレビ放送用に短縮されたバージョンが最も知られている。なお、コーラスの一部はの児童合唱団が担当したとされるが、クレジットには「近隣の教育機関協力」とだけ記されている[5]。
移植版[編集]
本作は発売翌年にへ移植され、画面の狭さを逆手に取って「覗き穴視点」が追加された。これにより、原作よりもむしろ緊張感が高まったとして、携帯機版の方を好む愛好家も少なくない。
さらに版では、マウス操作に合わせて壁破壊の角度が9度刻みで補正される仕様が導入された。後に相当の配信サービスへも対応したが、配信初週に「ドアの開閉音が大きすぎる」との苦情が殺到し、音量だけが再修正されたという珍事が起きている。
評価[編集]
発売当初の販売本数は18万本にとどまったが、口コミと雑誌付録の戦略マップによって徐々に拡大し、最終的に全世界累計1,420万本を突破したとされる。特に圏では、戦術教材として大学の映画学部に導入されたことが大きい。
では「都市戦術表現賞」を受賞し、でもゴールド殿堂入りを果たしたと伝えられる。ただし、当時の審査員コメントの一部は「壁に囲まれているのに視界が忙しい」という不思議な一文で、後年まで引用され続けた[6]。
関連作品[編集]
続編として『Rainbow Six Siege: Afterglass』、『Siege: Northern Lock』、『Rainbow Six Siege EX』が挙げられる。いずれも封鎖率の上昇をテーマにしているが、シリーズごとにジャンルが微妙に異なり、途中からやの要素まで混入した。
また、関連作品としてテレビアニメ『六彩封鎖隊』が制作され、主人公たちの日常を描く番外編として放送された。視聴率は低かったものの、窓際の鉢植えの配置だけが妙に話題となり、メディアミックス展開の失敗例としてしばしば言及される。
関連商品[編集]
攻略本として『Rainbow Six Siege 完全封鎖指南』が発売され、図解の半分以上が扉の開け方に費やされていた。書籍版では、設定資料集『虹彩封鎖学入門』、美術書『壁面と余白の研究』、小説版『セント・ヴォルフ塔事件録』などが刊行されている。
また、周辺商品として、実物大ドアノブ型キーホルダー、封鎖警報音を再生する目覚まし時計、限定版の反射ベストが販売された。特に反射ベストは、ゲーム内容と関係が薄いにもかかわらず予約数が多く、発売元が「街で着てもゲーム的である」と説明したことが話題になった。
脚注[編集]
[1] 『虹彩封鎖作戦史 第一巻』では、タイトルの成立を1998年11月としている。 [2] ただし、初期版の可変封鎖仕様は説明書にしか記載がなく、実機検証は困難である。 [3] サン=レミ軍事大学夜間講座の採用例については、同大学年報に1行だけ言及がある。 [4] 設定資料集の記述は版によって異なり、同一箇所に二種類の地図が混在している。 [5] 合唱団名の表記は初版と再版で揺れがある。 [6] 審査員コメントの全文は公開されていない。
関連項目[編集]
脚注
- ^ エドガー・ルモワーヌ『Siege and the City: 都市封鎖ゲームの誕生』Northgate Press, 2001.
- ^ サビーヌ・クレール『壁を壊すための9つの手順』Orion Game Studies, Vol. 12, No. 3, pp. 44-67, 2000.
- ^ 渡会 恒一『封鎖率と操作感に関する実験的研究』日本デジタル遊戯学会誌, 第8巻第2号, pp. 101-118, 2002.
- ^ Miriam Sahl, “The Sound of Doors: Acoustic Design in Tactical Shooters,” Journal of Interactive Noises, Vol. 5, No. 1, pp. 9-31, 2001.
- ^ Claude Renaud『Project Halogen 設計ノート』Aster Forge Archive, 1996.
- ^ L. Thornton, “Variable Barricade Systems and Player Anxiety,” Game Architecture Quarterly, Vol. 7, No. 4, pp. 70-88, 2003.
- ^ 『虹彩封鎖作戦 完全設定資料集』北門書房, 1999.
- ^ マルセイユ電子遊戯研究会『建築物の記憶と対戦モード』研究報告集, 第3号, pp. 15-29, 2002.
- ^ サン=レミ軍事大学年報編集委員会『夜間講座運用記録 1999年度版』, pp. 201-203, 2000.
- ^ 『Siege of Glass: Original Sound File』ライナーノーツ, Horizon Audio, 1999.
外部リンク
- Aster Forge Interactive 公式アーカイブ
- Rainbow Six Siege 設定博物館
- 封鎖率研究所データベース
- 北門ゲーム年鑑
- 虹彩封鎖作戦ファン保存会