バンジョリオンサイクロン

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バンジョリオンサイクロン
名前バンジョリオンサイクロン
画像
画像説明2019年のライブにて
画像サイズ270px
画像補正yes
背景色#1E2A39
別名バンサイ
出生名
出身地東京都立川市
ジャンルオルタナティヴ・ロック、実験的ポップ、フォーク・ノイズ
職業歌手、演奏家、作詞家、作曲家
担当楽器バンジョー、ギター、シンセサイザー、打楽器
活動期間2007年 - 現在
レーベルLattice Spiral Records
事務所有限会社トルクス調律社
共同作業者霧島綾人、真鍋ミナ、久我悠斗、浅野サエ
メンバー霧島綾人、真鍋ミナ、久我悠斗、浅野サエ
旧メンバー相馬拓海
公式サイトbanjorioncyclone.jp

バンジョリオンサイクロン(ばんじょりおんさいくろん)は、日本の4人組オルタナティヴ・ロックバンドである。所属事務所は有限会社トルクス調律社。レコード会社はLattice Spiral Records2007年に結成、2011年にメジャーデビュー。略称は「バンサイ」、公式ファンクラブは「旋風観測所」である。

目次
1概要
2メンバー
3バンド名の由来
4来歴
4.12007年 - 2009年:結成とインディーズ時代
4.22010年 - 2012年:メジャーデビュー
4.32013年 - 2018年:社会現象化と活動休止
4.42019年 - 現在:再始動と再評価
5音楽性
6人物
7評価
8受賞歴・記録
9ディスコグラフィ
10ストリーミング認定
11タイアップ一覧
12ライブ・イベント
13出演
14NHK紅白歌合戦出場歴
15脚注
16参考文献
17関連項目
18外部リンク

概要[編集]

バンジョリオンサイクロンは、東京都立川市のインディーズ・シーンで誕生した4人組オルタナティヴ・ロックバンドである。バンジョーの撥弦音を核に、旋風音響と呼ばれる独自のリズム処理を導入したことで知られる[1]

2007年の結成当初は、民謡研究会の補助演奏から発展した経緯を持つとされ、後に下北沢吉祥寺を中心に活動を広げた。2011年のメジャーデビュー以降は、ライブ会場ごとにテンポをわずかに変える演奏様式が話題となり、ファンの間では「同じ曲が二度と同じに聴こえないバンド」として定着した[2]

メンバー[編集]

霧島綾人(きりしま あやと)は、ボーカルとバンジョーを担当する中心人物である。譜面よりも風向計を頼りに歌詞の拍を決める癖があり、初期の楽曲には気象庁の注意報文に似た語感が残ると指摘されている。

真鍋ミナは、キーボードとコーラスを担当する。理工系の出自を持つとされ、波形を図形化してから音に戻す「逆記譜法」を考案したという逸話がある[要出典]。

久我悠斗は、ギターとプログラミングを担当する。ライブでは最大で3台のループ装置を同時制御し、楽曲の終盤にだけ突然8/7拍子へ滑り込ませる手法で知られる。

浅野サエは、ドラムスとノイズ・パーカッションを担当する。金属製の洗濯ばさみを組み込んだ自作シンバルを愛用しており、会場によっては床の共振まで編曲に取り込むため、PA担当者の間で半ば伝説化している。

バンド名の由来[編集]

バンド名は、結成前夜に霧島が所有していた中古バンジョーの銘板「Banjorion」と、立川で観測された突風警報を組み合わせたものとされる。もっとも、初期資料では「Banjo Lion Cyclone」と誤記されたポスターが複数現存しており、これを逆に採用した結果、現在の綴りに落ち着いたという説もある。

なお、ファンクラブ名「旋風観測所」は、当時のリーダー格であった真鍋が「バンドは演奏するだけでなく、嵐の前兆を測る機関であるべきだ」と発言したことに由来する。この発言は後年の対談集で再録され、半ば活動理念として扱われている。

来歴[編集]

2007年 - 2009年:結成とインディーズ時代[編集]

2007年、立川市内の音楽スタジオ「スタジオ凹凸」にて結成された。当初は5人編成であったが、相馬拓海がリハーサル初日に間違ってオカリナを持参したことをきっかけに脱退し、以後4人体制となった。

インディーズ期には、各地の小箱で「音量を上げるほど風が強くなる」と評され、高円寺のライヴハウスでは演奏終了後に観葉植物が2鉢倒れたことから、店側が一時的に扇風機の使用を禁止したという[3]

2010年 - 2012年:メジャーデビュー[編集]

2010年、Lattice Spiral Recordsの新人発掘会で、霧島がバンジョーの弦を緩めたまま弾く「低気圧チューニング」を披露し、A&R担当の三宅志郎に強い印象を与えた。翌2011年にシングル『Whistle in the Hollow』でメジャーデビューし、オリコン週間チャートで初登場9位を記録した。

2012年には1stアルバム『Cyclone Atlas』を発売し、収録曲「南武線の雲」は深夜ラジオを通じて口コミ的に拡散した。なお、同曲のミュージックビデオは多摩川河川敷で撮影されたが、撮影中に実際の突風が発生し、スタッフの一部が「演出ではなく天候で勝った」と述懐している。

2013年 - 2018年:社会現象化と活動休止[編集]

2014年の全国ツアー『Spiral Weather Tour』では、各会場でセットリストの順番を観客投票で変更する方式が採られた。これがSNSで拡散し、ライブ文化における「選曲の民主化」として論じられた一方、終演時間が毎回大幅にずれるため、鉄道会社との調整を巡り一部地域で混乱が生じた。

2016年には配信限定曲「気圧計のため息」がストリーミング1億回再生を突破したと発表され、以後、同バンドは「国民的ノイズ・ポップ」と称されることもある。2018年末にはメンバーの健康管理と制作方針の相違を理由に活動休止を発表したが、休止会見の場で霧島が「止まるのではなく、風待ちである」と発言し、文芸誌でも引用された[4]

2019年 - 現在:再始動と再評価[編集]

2019年、バンドは限定公演『Re: Cyclone Chamber』で再始動した。以後は従来の轟音路線に加え、室内楽的な編成を取り入れた楽曲も増え、批評家の間では「荒天の記録から、天気の思想へ変化した」と評された。

2023年にはベスト・アルバム『The Quiet Eye of Cyclone』を発表し、旧作の再録音と未発表音源を収録した。発売記念イベントでは、会場内の空調設定を「弱」に固定したまま演奏を行い、来場者から「最も静かな嵐だった」との感想が寄せられた。

音楽性[編集]

バンジョリオンサイクロンの音楽性は、ブルーグラス由来の撥弦感、シューゲイザー的な残響、電子音楽の反復構造を混在させたものと説明されることが多い。とりわけ初期作品では、バンジョーをピックではなく木製洗濯ばさみで弾く手法が導入され、倍音の立ち上がりが独特であるとされた[5]

また、楽曲構成においては「風速段落」と呼ばれる中間部が特徴で、通常のブリッジよりも長く、しばしば拍子が1小節だけ11/8拍子に変化する。これは真鍋が大学時代に気象データの折れ線を耳で再現しようとした実験に由来するといわれる。

歌詞は都市の交通、夜明け前の河川敷、古い団地の廊下など、具体的な地景を扱うことが多い。一方で「雲は戸籍を持たない」「駅前の風だけが先に到着する」など、意味の取りにくい比喩も多く、詩集としての評価も受けている。

人物[編集]

メンバーは総じて寡黙であるが、機材に関するこだわりは非常に強い。霧島は初期から同じ種類のバンジョー弦を使い続けており、交換時期を「月齢の満ち欠け」で決めると公言している。

真鍋は制作ノートをA6判のメモ帳で管理し、各曲の右上に必ず風向きを記す。久我はDAW上のプラグインを自作することが多く、ライブ前日は必ず立川駅周辺を3周歩いてテンポを整えるという。

浅野はステージ上でのMCが最小限である一方、楽屋では小物の配置に厳格で、スティックの角度が5度ずれると演奏に影響するとされる。こうした強い職人気質が、長年に渡る活動と功績がゆえに「演奏より儀式が先に立つバンド」と評される要因となっている。

評価[編集]

批評家からは、単なる珍奇なバンドではなく、日本のロックにおける「気象語彙の拡張」を行った存在として評価されている。特に、2012年から2016年にかけての作品群は、都市生活の不安を音響化したものとして研究対象にもなった。

一方で、音圧の高い公演では聴覚保護の観点から賛否が分かれ、東京都内の一部ホールでは「サウンドチェックに要する風速計の持ち込み」を条件に受け入れた記録が残る。ファンの間では、ライブ後に無意識に空を見上げる現象が見られるとされ、社会現象となったとする記事もある。

なお、海外では「Japanese cyclone folk」として紹介されたことがあるが、メンバー本人はその呼称を「天候に失礼である」と半ば冗談めかして否定している。

受賞歴・記録[編集]

2012年、『Cyclone Atlas』で第54回日本ノイズ大賞アルバム部門優秀賞を受賞した。2016年には配信曲「気圧計のため息」が年間ストリーミング再生数3.4億回を突破し、日本レコード協会の独自集計で「観測可能な揺らぎを伴うヒット」と注記された[要出典]。

また、2019年の再始動公演は、屋内ライブでありながら客席の上着着用率が92%に達したとして記録され、音楽誌『Sonic Weather Monthly』では「史上最も温度感のある無風公演」と評された。2023年にはベスト盤がオリコン週間アルバムランキング2位を記録し、同年末の各種年間ランキングでも再評価が進んだ。

ディスコグラフィ[編集]

'''シングル''' * Whistle in the Hollow(2011年) - メジャーデビュー曲。駅の跨線橋で録音した足音がそのままイントロに使われた。 * 風見鶏のない街(2012年) - 失恋曲として流通したが、実際には都市計画の変更通知をモチーフにしている。 * 気圧計のため息(2016年) - 配信限定。サビの最後で必ず1拍だけ無音になる。

'''アルバム''' * Cyclone Atlas(2012年) * Northbound Echoes(2014年) * Re: Cyclone Chamber(2020年) * The Quiet Eye of Cyclone(2023年)

'''ベスト・アルバム''' * The Quiet Eye of Cyclone(2023年)

'''映像作品''' * Spiral Weather Tour 2014 at 日比谷野外音楽堂(2015年) * Re: Cyclone Chamber Live in 立川ステージガーデン(2020年)

'''配信限定シングル''' * 気圧計のため息(2016年) * 12:07の風向き(2018年)

ストリーミング認定[編集]

2021年、代表曲「気圧計のため息」は日本レコード協会によるストリーミング認定でプラチナ相当とされた。2024年時点では、主要曲6曲の総再生回数が11.8億回を突破したと公表されている。

ただし、同時期に行われた配信プラットフォーム別の集計では、再生数の一部が「外気音を含む」として除外されており、実数はより少ない可能性もある。この点について事務所側は「風を含めて作品である」とコメントしている。

タイアップ一覧[編集]

「Whistle in the Hollow」は、東都電機の省エネ換気扇キャンペーンに起用された。もっとも、CMでは楽曲よりも空調音のほうが目立ったため、視聴者からは「商品名が先に耳に残る」と評された。

「風見鶏のない街」は、関東臨海鉄道の夜間運行告知映像に使用された。駅構内の表示板と歌詞の相性が良いとされた一方、利用客の一部が実際に時刻表を風向きの表と誤認したという報告がある。

また、2023年の「12:07の風向き」は、東京都の防災啓発企画で採用され、会場配布のリーフレットにQRコードを読み込むと別ミックスが再生される仕組みが話題となった。

ライブ・イベント[編集]

同バンドは、規模の大小を問わず演奏前に必ず湿度計の確認を行うことで知られる。特に2014年の『Spiral Weather Tour』は全国14都市17公演に及び、各地で終演後の拍手が異常に長かったことから、会場スタッフの間で「拍手が風圧を起こす」と冗談交じりに語られた。

2020年の再始動公演では、客席中央に扇子専用の回収ボックスが設置され、演出の一部として使用された。ファンイベント「観測所定例会」は年2回実施され、メンバーが新曲を演奏する前に、参加者全員で風速を測る儀式が行われる。

なお、海外イベントとしては台北の小規模フェス出演が有名で、霧島が「現地の湿度が音程を1/4下げた」と発言した記録が残る。

出演[編集]

'''テレビ''' * 『ミュージック・ステーション・サテライト』 - 2012年初出演。 * 『新日本メロディ地図』 - 2016年、屋外中継で参加。

'''ラジオ''' * 『夜の旋風研究室』 - 霧島と真鍋が隔週出演。

'''映画''' * 『立川の風が止むまで』 - 劇中音楽を担当し、短いカメオ出演も行った。

'''CM''' * 東都電機「静音換気プロ」 * 霧島製紙「薄くて強い、紙ジャケット」

これらの出演は、いずれも音楽活動の延長として扱われ、本人たちは「宣伝というより気象観測である」とコメントしている。

NHK紅白歌合戦出場歴[編集]

バンジョリオンサイクロンは、2022年の第73回NHK紅白歌合戦に初出場した。披露曲は「気圧計のため息」であり、ステージ演出として実際の風速計6台が配置されたことが話題となった。

以後、年末の音楽番組における常連候補として名前が挙がるようになったが、メンバー側は「紅白は晴れと曇りの中間である」と述べ、連続出場にはあえてこだわらない姿勢を示している。

脚注[編集]

注釈

[1] 立川市音楽文化史編纂委員会『多摩の風と音』による。 [2] 2011年のデビュー時に配布された宣材資料では「旋風の記録係」とも記されている。 [3] 店舗記録簿には「室内に小型台風のような空気感」とある。 [4] 『文芸天気予報』2019年3月号の記事による。 [5] 真鍋の手法は一部の音響学者からは再現性が低いとされる。

参考文献[編集]

1. 斎藤和真『都市風景とノイズ・ポップの受容』Lattice Spiral Press, 2018. 2. Marissa K. Ellery, "Cyclone as Instrument: Post-2010 Japanese Guitar Cultures", Journal of East Asian Sound Studies, Vol. 12, No. 3, 2020, pp. 44-67. 3. 立川市文化振興会『立川音楽地図 2000-2022』星雲書房, 2023. 4. 霧島綾人・真鍋ミナ対談集『風待ちの言い訳』Lattice Spiral Books, 2021. 5. Kenji Uehara, "The Banjo in the Rain Corridor", Sound & Urbanity Review, Vol. 7, Issue 2, 2019, pp. 101-118. 6. 『Sonic Weather Monthly』編集部『年間特集・無風公演の研究』No. 58, 2020. 7. 久保田史郎『配信時代の奇妙なヒット曲』青磁出版, 2022. 8. A. Thornton, "When a City Sings Before the Storm", Proceedings of the Tokyo Symposium on Resonant Media, Vol. 4, 2024, pp. 9-31. 9. 中村玲子『日本ロック史における気象比喩の変遷』明鏡社, 2017. 10. 三宅志郎『新人発掘と低気圧チューニング』Lattice Spiral Records社内報, 2011.

外部リンク[編集]

公式サイト

Lattice Spiral Records アーティストページ

旋風観測所 公式ファンクラブ

立川音楽文化アーカイブ

Sonic Weather Monthly 特集記事

脚注

  1. ^ 斎藤和真『都市風景とノイズ・ポップの受容』Lattice Spiral Press, 2018.
  2. ^ Marissa K. Ellery, "Cyclone as Instrument: Post-2010 Japanese Guitar Cultures", Journal of East Asian Sound Studies, Vol. 12, No. 3, 2020, pp. 44-67.
  3. ^ 立川市文化振興会『立川音楽地図 2000-2022』星雲書房, 2023.
  4. ^ 霧島綾人・真鍋ミナ対談集『風待ちの言い訳』Lattice Spiral Books, 2021.
  5. ^ Kenji Uehara, "The Banjo in the Rain Corridor", Sound & Urbanity Review, Vol. 7, Issue 2, 2019, pp. 101-118.
  6. ^ 『Sonic Weather Monthly』編集部『年間特集・無風公演の研究』No. 58, 2020.
  7. ^ 久保田史郎『配信時代の奇妙なヒット曲』青磁出版, 2022.
  8. ^ A. Thornton, "When a City Sings Before the Storm", Proceedings of the Tokyo Symposium on Resonant Media, Vol. 4, 2024, pp. 9-31.
  9. ^ 中村玲子『日本ロック史における気象比喩の変遷』明鏡社, 2017.
  10. ^ 三宅志郎『新人発掘と低気圧チューニング』Lattice Spiral Records社内報, 2011.

外部リンク

  • 公式サイト
  • Lattice Spiral Records アーティストページ
  • 旋風観測所 公式ファンクラブ
  • 立川音楽文化アーカイブ
  • Sonic Weather Monthly 特集記事
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