柔らかい話
| コンビ名 | 柔らかい話 |
|---|---|
| 画像 | (掲載なし) |
| キャプション | マイクの先端に発泡ポリマーを付けて登場することがある。 |
| メンバー | ボケ担当:渡辺 精(わたなべ せい)/ツッコミ担当:丸山 ふくし(まるやま ふくし) |
| 結成年 | 2017年 |
| 解散年 | (活動中) |
| 事務所 | 株式会社ギミック薄氷プロダクション |
| 活動時期 | 2017年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント(温度計ネタ) |
| ネタ作成者 | 渡辺精(主)/丸山ふくし(校正担当) |
柔らかい話(やわらかいはなし)は、言葉の硬度を調整することを主題にした架空のお笑いコンビ。NSC13代目の養成系と、東京都内の「温度計パブリック・スタンダード」騒動を発端に広まったとされる[1]。
概要[編集]
「柔らかい話」は、お笑いの枠組みを“硬さ(シャープネス)”として扱い、会場の空調・観客の反応・マイク音量までを「比喩ではなく測定値」として織り込むコンビとして知られている。
公式には、漫才は「言語の角を落とす技法」、コントは「物理的に丸くした言い回し」をテーマとする。もっとも、その起源は2000年代初頭の即興演劇研究会『滑面(かつめん)レビュー』と、東京都港区芝の小劇場で起きた“返金温度事件”にあるとされる[1]。
メンバー[編集]
渡辺 精(ボケ担当)[編集]
渡辺精は、語尾をわざと1文字分だけ遅らせる癖があるとされ、観客からは「音がスポンジになる」と評される。経歴上は北海道札幌市のラジオ局で子ども向け朗読のアルバイトをしていたとされるが、本人は「20分で台本を3回“柔らかく”しただけ」と語っている。
代表的な技法は、文節ごとに呼吸を変える“吸気角度推定ボケ”である。番組収録時、彼は口元のマイク位置を毎回0.7cm単位で記録し、翌週に数値を“物語の伏線”へ変換する。結果として、観客が気づく前に笑いが到着する構造が作られるとされる[2]。
丸山 ふくし(ツッコミ担当)[編集]
丸山ふくしは、ボケを受け止める際に「硬度」を計測するふりをしてツッコむ。特に有名なのが、紙コップ型の“即席硬度計”を差し出し、渡辺の発話を「S-(スポンジ)指数」で採点するパフォーマンスである。
彼のツッコミは強弱が一定ではなく、笑いのピークを狙うために声帯の張りを“1秒あたりの主張量”として制御していると説明される。本人は科学的根拠を求められるたびに「根拠は会場の温度」と言い返し、気象庁ではなく“客席の湿度”を参照しているような発言で話題を作った[3]。
来歴/略歴/経歴[編集]
出会いと結成の経緯[編集]
2017年、渡辺と丸山は13代目付属“言葉の柔道”クラスで同時期に落語研修を受けていた。研修の課題は「硬い言葉を禁止し、その代わりに“体温の比喩”を用いること」であり、双方が最初に出したネタが偶然にも同じ小道具——折りたたみ温度計——を使用していたことから意気投合したとされる[4]。
ただし結成の直接契機は、2017年6月3日、東京・本郷の小劇場で行われた公開稽古にて、観客が吐いたため息の温度が“台本より低かった”と丸山が主張し、渡辺が「だから笑いが柔らかいんです」と返した場面である。この一往復が「柔らかい話」という題名へ発展したと報じられた。
芸風[編集]
「柔らかい話」の漫才は、導入から終盤まで一度も“角のある比喩”(鋭い・硬い・刃・刺さる等)を使わないことを原則にしているとされる。代わりに、名詞を必ず“手触り”へ翻訳する。たとえば「謝罪」は「クッションに包む動作」に置換され、「夢」は「ぬいぐるみの内部構造」として語られる。
コントでは、台本のセリフ数を観客の拍手で補正する演出がある。具体的には、拍手が規定の1,024拍(2分間換算で約8.5拍/秒)を超えると、ボケ側が言い直しを“成功”として扱い、ツッコミ側が“訂正が早いほど柔らかい”と採点する。
この採点が過剰に細かいことが特徴であり、実際に収録映像では、訂正文の平均が0.12秒である回と、1.73秒の回が存在することがファンによって比較されている[6]。
エピソード[編集]
2022年、冠番組『柔らかい話の硬度0.8%』で、出囃子を“バウムクーヘンの割れる音”に差し替えた回がある。結果として効果音が甘すぎたため、番組スタッフが「これはBGMではなく食レポの領域」と揉めたとされる。
また、ライブ会場で渡辺が誤って自分の靴ひもをほどくと、その瞬間だけネタの展開が変わり、翌週の同じコーナーで“靴ひもに関する伏線”が回収された。関係者によれば、前後の笑い声の周波数帯が「300〜420Hzに偏っていた」ため、本人が無意識に“柔らかい方向へ修正した”のではないかという推測が出たという[7]。
さらに、丸山がツッコミ中に観客へ配った小さなスポンジが余り、回収率が翌日発表の資料では“92.6%”になっていた。本人たちはこの数字を「笑いの回収硬度」と呼び、以後ネタの締めとして“残り7.4%分のやわらかさをください”と定型化した。ここからファンアートが大量に生まれ、SNS上では“柔らかさの税”と半ば揶揄されるようになった[8]。なお、税務当局がコメントしたという噂があるが、公式発表は確認されていない。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は「スポンジ・アラーム」と称される即興フレーズで、会場入り口で流れる音源が毎回微妙に違う。特に地方営業では、音程が“湿度計の読み”に合わせて変化すると説明され、現場の証言により“湿度60%台”の回は転調が多かったとされる[9]。
賞レースでは、2020年のM-1グランプリ予選相当枠で一次審査を通過し、同年の派生レース『東温(とうおん)コメディ選手権』でファイナリストに選出されたとされる。2021年、舞台演芸の企画枠『キングオブコント系全国選抜』で準優勝相当の評価を受け、翌年には観客投票“柔度指数”で第1位を獲得したという。
ただし成績表の出典は複数のウェブ記録に分散しており、編集者によって「優勝」「準優勝」「観客賞」の表現が揺れているとの指摘がある。これは、彼らがネタ内で“順位は硬さの誤差”と語ってしまうため、記録係が基準を統一できなかったことに起因するとされる[10]。
出演・作品・単独ライブ[編集]
テレビ番組では、2021年『室温漫才研究室』(日本テレビ系の“深夜再現バラエティ”枠)、2022年『笑いの柔度測定』(NHKの特番企画として扱われた回がある)、2023年『駅前ソフトトーク』(系バラエティ)に出演した。
ラジオでは、にて『ふわふわ硬度ラジオ』が放送され、放送終了後にリスナーへ「今週の硬度0.8%」が配布されたとされる。番組公式サイトは存在するとされるが、当時のリンクは遷移先が複数確認され、アーカイブが揺れている。
作品としては、CD『柔らかい話の言い換え集』(2022年)、DVD『スポンジ・アラーム大全』(2023年)がリリースされ、単独ライブは『第1回:角を抜く夜』『第2回:丸める拍手』(いずれもチケットが完売したとされるが、完売日が“発売翌日”“発売3時間後”と記録されており矛盾がある)[11]。
単独ライブの映像特典では、渡辺が“言葉を柔らかくする訓練”のために1日あたり3.5回、鏡の前で語尾だけを変える練習を行っていると明かした。丸山はそれを「数字にすると硬くなるので言わないでください」とツッコんだとされる。
脚注[編集]
関連項目[編集]
脚注
- ^ 渡辺精『やわらかい言葉の技術:角を落とす比喩の体系』ギミック薄氷出版, 2022.
- ^ 丸山ふくし『現場で測る笑いの硬度0.8%』室温研究所, 2023.
- ^ 松原ユリ『即興演劇における比喩の変換規則—滑面レビューの検討』演芸学会誌, Vol.12 No.4, pp.55-71, 2021.
- ^ Hiro Tanaka, “Softness as a Linguistic Parameter in Japanese Comedy,” Journal of Performance Semantics, Vol.7 No.2, pp.101-119, 2020.
- ^ 李成勲『拍手データからのセリフ補正モデル』笑語統計研究会, 第3巻第1号, pp.13-28, 2022.
- ^ 『室温漫才研究室』制作報告書(内部資料), 【港区】芝会場版, pp.1-40, 2021.
- ^ 小林マコト『コントにおける物理小道具の受容—スポンジ配布の事例』メディア論叢, Vol.18 No.1, pp.77-95, 2023.
- ^ “Public Standardization of Temperature-Based Humor Cues,” Proceedings of the Playful Acoustics Workshop, Vol.2, pp.203-214, 2022.
- ^ 山崎テルミ『笑いの回収硬度:数字が先に立つ瞬間』滑面叢書, pp.9-33, 2021.
- ^ (誤植を含むとされる)『柔らかい話の硬度計測マニュアル』ギミック薄氷プロダクション, 第0巻第0号, pp.1-2, 2024.
外部リンク
- ギミック薄氷プロダクション 公式アーカイブ
- 柔度0.8% ファンレジストリ
- スポンジ・アラーム 音源倉庫
- 室温漫才研究室 関連資料室
- 温度計TPS 履歴ミラー