24年テレビ
| 番組名 | 24年テレビ |
|---|---|
| ジャンル | チャリティ・バラエティ(長期伴走型企画) |
| 構成 | スタジオトーク・中継・視聴者参加 |
| 司会者 | 檜山アキラ(ひやまあきら) |
| 出演者 | レギュラー:小田切ミオ、山科レイナ、ほか |
| OPテーマ | 『二十四年の合図』 |
| EDテーマ | 『戻ってくる灯り』 |
| 制作局 | 公益社団法人 日本支援放送(略称:JFS) |
| 放送期間 | 1996年4月1日 - 継続中 |
| 映像形式 | ハイビジョン放送(後に4K部分対応) |
『24年テレビ』(にじゅうよねんテレビ)は、日本の公共放送系列で1996年(平成8年)4月1日から毎週月曜日19時台(日本標準時|JST)に放送されているチャリティ系のバラエティ番組である。長寿番組として知られ、視聴者参加型の生放送企画を核として構成されている[1]。
概要[編集]
『24年テレビ』は、1996年に開始された長期チャリティ番組として位置づけられている。単発の寄付や「一日で完結する感動」を疑問視する声が高まったことを背景に、番組企画が24年単位で更新される仕組みが採用されたとされる[1]。
番組は毎週月曜日19時台にレギュラー放送され、年に数回は特別番組として「24年もの」を再編集した長尺版が編成されている。視聴者参加型の生放送として、資金の使途や進捗がリアルタイム表示されるほか、途中経過を「忘れない」ための仕掛けが多用される点が特徴である[2]。
放送時間/放送時間の変遷[編集]
開始当初は、1996年4月からJFS(日本支援放送)で毎週月曜日19時10分から45分枠として放送されていた。番組開始当初は「ニュースのように淡々と寄付を読む」構成が中心で、視聴者の離脱を抑えるため翌1997年にスタジオトーク枠が追加されたとされる[3]。
2003年の改編で放送枠が移動し、毎週月曜日19時台の中でも「第2部」として位置づけられた。さらに2012年以降は、ハイビジョン放送へ順次切り替わったほか、データ放送連動で「寄付の行き先を投票で確定する」試みが導入された[4]。
特別番組では、当年の「24年マラソン」や「24年チャレンジ」企画の総編集版が放送され、終了後も翌週の通常回で“続報”として扱われる。番組は継続中であり、放送回数は合計で2,000回を超えると推定されている(ただし、カウント方法が改定された時期があるとして議論が残る)[5]。
出演者(司会者/レギュラー出演者/歴代の出演者)[編集]
司会は一貫して檜山アキラが務めるとされ、番組公式は「檜山が“毎年同じ顔で、24年分の変化を語る”」ことをコンセプト化している。レギュラーは小田切ミオ(進行補助・視聴者投票の代読)、山科レイナ(企画の検証役)で、2020年代に入ってからは“検証ゲスト”枠として現役支援団体職員が登場することが増えた[6]。
歴代の出演者には、長期プロジェクトの当事者である市民が「進捗語り部」として不定期出演してきた。特に初期は、長期で同じ地域に関与するケースが多く、三重県の沿岸部からゲストが招かれた回が「視聴者の行動が変わった」として記録されている[7]。
一方で、スタジオの“感動演出”が強すぎるとして、2008年頃からは泣かせるBGMの使用量を半減する取り決めが設けられたと報じられている。ただし、当該取り決めの証拠が出典と一致しないとして、番組内でも真偽が揺れている[8]。
番組史[編集]
「一日で終わる感動」への反応としての誕生[編集]
『24年テレビ』が生まれた直接の契機として、当時の社会で「短時間のチャリティが“通過儀礼”になっている」との批判が広がったことが挙げられている。放送関係者の間では24時間テレビの名に対して「時間の単位が軽くなりすぎた」という言い回しが共有され、対案として“年”を採用したとされる[9]。
制作側は、単に期間を長くするのではなく、視聴者が“次の年の自分”でも関わり続けられる導線を作る必要があると考えた。そこで「毎年、同じテーマを更新する」ルールが設計され、番組タイトルも24年を象徴するものとして選定された[10]。
24年マラソンの制度化とデータ放送の導入[編集]
番組を代表する企画が「24年マラソン」である。これは実走を24年続けるのではなく、参加者(市民)が“同じ距離”を年単位で刻むという形式で、たとえば初年度の申込者が42.195kmに相当する“分割トーク”を翌年以降も引き継ぐ仕組みと説明される。制作局は「フォームを引き継ぐより、支援の視点を引き継ぐ」ことが狙いだと語った[11]。
また2013年に導入されたデータ放送は、寄付の使途を1週間ごとの“更新カード”として表示する方式で、視聴者が「忘れる前に思い出す」ことを目的としているとされる。なお、更新カードの枚数が年によって微妙に異なることがあり、視聴者の間では「枚数が嘘をついているのでは」との冗談が定着したと報告されている[12]。
番組構成/コーナー(主要コーナーのサブセクション)[編集]
番組はスタジオ部分と地域中継で構成され、主要コーナーとして「24年の検算」「支援の家計簿」「匿名相談カプセル」が挙げられる。特に「24年の検算」では、過去の企画で公表した数字を翌年以降に再計算し、矛盾が見つかった場合は“再説明”が義務化される[13]。
「支援の家計簿」は、寄付金の支出を“月次で見せる”のではなく“週次で見せる”という変則的運用が採用されている。たとえばある回では、支出内訳が「人件費23.7%」「運送費9.4%」「現場手当12.1%」「広報54.8%」と表示されたとされるが、翌回で広報の定義が変更され数字が揺れたため、視聴者がSNSで混乱したとされる(この定義変更が必要だったかは当時、要出典の扱いで議論が続いた)[14]。
「匿名相談カプセル」は、メールやデータ放送の投票で集めた悩みを、支援現場の担当者が“匿名のまま採点”する。採点は10点満点で、初回から「0点は存在しない」ルールが敷かれているとされ、視聴者からは“救いの数学”と呼ばれた[15]。
このほか、公開放送として名古屋市の文化ホールで行われた「24年更新の生読上げ」企画があり、放送翌日に地方局が二次使用したことがあるとされる[16]。
シリーズ/企画[編集]
企画は「24年マラソン」「24年チャレンジ」「24年寄付会議」の3本柱として整理されることが多い。24年マラソンは、距離やタイムではなく“年度ごとの到達点”を可視化する形式が採用され、完走よりも“継続率”が評価されるとされる[17]。
24年チャレンジでは、視聴者が選んだ地域テーマ(例:防災、教育、医療アクセス)が年ごとに更新され、ゲストが“前年の自分へ手紙”を読む演出が入る。ときに司会檜山が「手紙の到着が遅れると、企画の成績が減点」と説明することがあり、視聴者が実務面のリアリティに驚いたといわれる[18]。
24年寄付会議は、番組内で架空の「年次審査委員会」を模したスタジオ討論を行うが、実務の委託先と混同しないよう“役割を分離した”とされる。ただし番組表の注記が分かりにくかった年があり、誤解による問い合わせが東京都の視聴者窓口に年間約1,240件寄せられたと報じられている(当時の統計の出所は「番組内資料」とされる)[19]。
オープニング/テーマ曲[編集]
オープニングテーマは『二十四年の合図』であり、番組開始当初は“勝手に鳴らす”ことを想定した簡易SEとして設計されたとされる。楽曲は毎年リミックスされ、1996年版・1999年版・2002年版…といった年番号がメディアに刻印される。ところがリミックス年が必ずしも更新年と一致しない時期があり、音楽担当者が「年度と暦を1週間だけずらすと、歌が気持ちよく伸びる」と述べたと伝えられている[20]。
エンディングテーマ『戻ってくる灯り』は、視聴者がデータ放送で「灯りの数」を増減させる演出とセットで運用される。灯りの数は理論上無限だと説明される一方、実際の表示は最大999で打ち止めになる。上限999の存在が“嘘の上限”として話題になった回があり、後年、番組の公式回答が「技術的な都合」とだけ記載されたことがある[21]。
スタッフ(歴代のスタッフ/歴代スタッフ)[編集]
プロデューサーは佐倉田(さくらた)ミチルが長く担当し、「24年を一つの番組にするのではなく、24年ごとに番組を作り直す」と主張してきた。チーフ・プロデューサーは大阪市出身の大澤ユウジで、現場の段取りに厳格な姿勢があるとされる[22]。
演出面では、舞台転換の時間を“毎年の見せ場”として固定化し、視聴者が「今年も同じ秒数で切り替わる」ことを期待できるようにしたとされる。なお、その切り替え秒数が“13秒”として語られることが多いが、実際のオンタイムデータが公開されたことは限定的である[23]。
制作総指揮は公益社団法人日本支援放送の顧問として表記されるが、年により担当部署が変わる。そのためスタッフクレジットの表記ゆれが出ることがあり、視聴者が「顧問が何人いるのか」と問い合わせた記録が残る[24]。
ネット局と放送時間/放送局・配信元[編集]
ネット局は、JFSをキー局とし、準キー局を含む全国系列により構成されている。通常回は毎週月曜日19時台に統一され、地域によってはローカル枠の都合で放送分数が1〜3分ほど変動することがあるとされる[25]。
一部の地域では同日深夜に再放送が入り、データ放送連動の有無が異なる場合がある。配信については、番組公式アーカイブが2021年から開始されたとされ、当時は「特別番組のみ配信」「通常回は翌週配信」という段階的運用が採用された[26]。
海外向けの扱いとしては、同タイトルの英語版コンテンツが「24-Year TV / Charity Revisited」という名称で配信されたことがあるとされるが、英題の統一性は完全ではないと指摘されている[27]。
特別番組[編集]
特別番組としては「24年テレビ決算号」「24年マラソン後日談」「24年更新直前生放送」が組まれる。決算号では、1年分の支出だけでなく、24年の“累積学習”が言語化される。言語化が難しい領域では、当事者の発話を文字起こしにして字幕化する運用が続いている[28]。
24年更新直前生放送は、視聴者が参加できる形式で、スタジオ内で“更新ボタン”が押される。ボタンは実物の押下があるとされるが、実際の更新処理は裏側のサーバーで行われるため、押下の秒数が意味を持つかどうかについては番組側が「意味があるように編集している」と曖昧に回答したことがある[29]。
地域開催では、公開放送が福岡市や札幌市にも拡張された。とくに札幌での開催では、会場の寒さ対策で「募金袋の材質を変えた」ことが話題になり、視聴者の“支援の気持ち”が温度にも左右されるという語りが採用されたとされる[30]。
関連商品(DVD/書籍)[編集]
関連商品としては、シリーズDVD『24年テレビ ここまでの検算』が複数巻で刊行されている。各巻は放送回の編集版だけでなく、データ放送で表示された“更新カード”が紙面に再現される構成になっていると説明される[31]。
書籍としては、檜山アキラ監修の『二十四年の合図—継続を測る技術』があり、番組の数値運用や編集基準が解説されるとされる。なお一部の章では、数字が「演出上の平均」と明記されているにもかかわらず、視聴者が“実数”と誤読した例があり、後年に訂正が出たとされる[32]。
受賞歴[編集]
受賞歴として、日本民間放送連盟系の企画表彰で優秀賞を複数回受賞したと報じられている。特に「24年の検算」が“長期の説明責任”として評価されたとされる[33]。
一方で、受賞の基準が「視聴維持率」に寄っているのではないかという見方もあり、番組側は「維持率は説明責任の副産物」として反論してきた。もっとも、副産物と呼ぶ割に平均視聴率が年平均で何%かの資料が提示されないことがあり、疑義が繰り返し出る傾向が指摘されている[34]。
使用楽曲[編集]
使用楽曲には、テーマ曲のほか、企画ごとに“年番号入り”で差し替えられるBGMが多数あるとされる。スタジオ内の効果音は、番組開始当初から「拍手が遅れて聞こえる」特徴を意図して設計されたとされるが、後年の視聴者アンケートでは不快と答えた層も一定数いたと報告されている[35]。
また、公開放送の際には地域の音楽家による短尺のメロディを採用することがある。たとえば横浜市で行われた公開回では、地元の児童合唱が“24年後の合唱”として録音され、未来の音源を当年の回で先に流す演出が話題になった[36]。ただし、録音日と放送日のズレが大きいことから、当時は誤解が生まれたとされる。
批判と論争[編集]
批判としては、番組が「24年」という長期を掲げる一方、視聴者側の負担が増えるように見える点が挙げられる。具体的にはデータ放送の更新カードが多く、紙面を必要以上に保存するよう促されているとの指摘がある[37]。
また、チャリティの成果指標が曖昧であるという疑義が繰り返し出た。番組内では“支援の効果を数字で表す”と説明されるが、年によって指標の定義が変わるため、比較が難しいとされる。番組側は「24年という時間軸のため、定義も進化する」と応答してきたが、一部ではそれが言い訳ではないかと見る向きがある[38]。
さらに、企画の一部が「感動を市場化している」という声もある。特別番組での“更新ボタン”の演出が象徴的だとされ、SNS上で「押したのは視聴者じゃなくて編集だった」などの揶揄が広がったとされる[39]。
ただし反対に、長期で追跡する姿勢が“寄付の後味の悪さ”を減らしたとも評価されている。結局のところ、番組は賛否の両方を抱えながら継続しているとまとめられることが多い[40]。
脚注[編集]
脚注
- ^ 佐倉田ミチル「『24年テレビ』はなぜ“年”を選んだのか」『放送企画研究』第12巻第3号, pp. 41-58, 1997.
- ^ 檜山アキラ「二十四年の合図—長期継続演出の設計論」『映像と社会』Vol. 9, No. 1, pp. 12-29, 2004.
- ^ 山科レイナ「支援の家計簿:週次公開の効果測定」『公共放送ジャーナル』第6巻第2号, pp. 70-92, 2011.
- ^ 田口昌弘「データ放送の“忘却防止”モデル」『情報通信と放送』Vol. 18, No. 4, pp. 201-223, 2013.
- ^ M. Thornton「Audience Memory and Long-Form Charity Broadcasting」『Journal of Broadcast Ethics』Vol. 22, Issue 2, pp. 88-103, 2016.
- ^ 大澤ユウジ「検算はなぜ必要か:24年の再計算手順」『放送制作技術』第21巻第1号, pp. 5-31, 2019.
- ^ 小田切ミオ「0点は存在しない:採点設計の心理学」『視聴者参加の科学』第3巻第7号, pp. 130-149, 2020.
- ^ 公益社団法人日本支援放送編『JFS年次報告書 1996-2020』JFS出版, 2021.
- ^ 国際放送フォーラム「Longitudinal Viewer Engagement: Case Studies」『Global Broadcasting Review』Vol. 7, pp. 44-61, 2018.
- ^ (書名に揺れ)『24年テレビの数値のすべて』山ほど出版社, 2009.
外部リンク
- JFS 公式アーカイブ
- 二十四年の合図 音源資料室
- 支援の家計簿 データ閲覧所
- 24年マラソン 参加者ログ
- 公開放送レポートまとめ