Precioustone
| 名前 | Precioustone |
|---|---|
| 画像 | Precioustone 2012.jpg |
| 画像説明 | 2012年の公演にて |
| 画像サイズ | 280px |
| 画像補正 | yes |
| 背景色 | #1B1E2B |
| 別名 | プリストン |
| 出生名 | Precioustone |
| 出身地 | 東京都渋谷区 |
| ジャンル | オルタナティヴ・ロック、シンフォニックポップ |
| 職業 | ロックバンド |
| 担当楽器 | ボーカル、ギター、ベース、ドラムス、鍵盤楽器 |
| 活動期間 | 1998年 - |
| レーベル | North Crown Records |
| 事務所 | Kite Signal Office |
| 共同作業者 | 遠野マサト、鈴原リカ |
| メンバー | 神谷匠、桐生エマ、三枝レイ、早瀬ユウ |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | precioustone.jp |
Precioustone(プレシャストーン)は、日本の4人組ロックバンドである。所属事務所は、レコード会社は。1998年に結成、2004年にメジャーデビュー。略称および愛称は「プリストン」、公式ファンクラブは「Glass Garden」である。
概要[編集]
Precioustoneは、東京都で結成された4人組ロックバンドである。宝石研磨の比喩を用いた歌詞世界と、打楽器のように配置されたシンセサイザーの使用で知られている。
1998年の結成当初はライブハウスを中心に活動していたが、2004年のメジャーデビュー以降、独自の「光沢系ロック」と呼ばれる作風で注目を集めた。なお、初期の自主制作盤においては、ジャケット裏面に微細な鉱石名が毎回異なるフォントで印刷されていたため、コレクター間で版違いの検証が流行したとされる[1]。
バンド名の由来[編集]
バンド名は、神谷が高校時代に拾った「precioustone」と手書きされた宝石鑑定メモに由来するとされている。メモの内容は、実際には上野の古書店で買った鉱物学入門書の付箋であったという説もある。
一方で、桐生は「precious」と「stone」を単純に結合したのではなく、「壊れやすいものほど強く光る」という意味を込めたと語っている。結成初期には「プラチナ・ロック部」の通称もあったが、での3回目の出演時に照明スタッフが誤って口にした「プリストン」が定着したという。
採用までの経緯[編集]
1998年夏、都内のリハーサルスタジオにおいて、3候補の名称がホワイトボードに書き出された。最終候補は「Precioustone」「Glass Quarry」「Noble Pebble」であったが、当時のマネージャーが「最も通販番組っぽい」と評したことから現名に決まったとされる[2]。
来歴[編集]
2016年以降[編集]
2016年に活動休止を発表したが、完全解散ではなく「再研磨期間」と称された。2019年には期間限定で再結成し、で2日間の公演を実施。入場者数は合計3万9400人と発表された。
2023年には配信限定EP『Subsurface Light』をリリースし、ストリーミング再生数が1億回を突破したとされるが、集計には深夜の環境音再生が一部含まれていたとの指摘もある[3]。
音楽性[編集]
Precioustoneの音楽性は、を基調としつつ、の和声と、工業系ノイズに近いリズム処理を混在させる点に特徴がある。三枝のベースは「金属棒を布で包んだような音」と評され、早瀬のドラムスはテンポの変化が細かすぎてメトロノームが追従できないとして知られる。
また、楽曲の多くで半音階的な上昇を繰り返す構成が採られており、これは神谷が「宝石は削るほど歌う」という独自理論を参照していたためである。桐生はその理論に対し一貫して冷淡であったが、ライブでは最も長いコーラスを担当した。
一部の評論家は、Precioustoneを「日本の都市型ポスト・ロマン派」と呼んだが、メンバー自身は「ただ夜景が好きなだけ」としている。
使用機材[編集]
初期は系のシンセサイザーと国産の真空管アンプが中心であったが、2008年以降は独自改造のピックアップを導入した。神谷のメインギターは、ネック裏に細かな傷が2,481本刻まれていることで有名である。
人物[編集]
神谷匠は作詞作曲の中心人物であり、しばしば「説明しすぎる詩人」と評される。桐生エマはステージ上では寡黙である一方、機材トラブルへの対応速度が異常に速く、照明が落ちても譜面台の位置だけで曲を継続できるといわれる。
三枝レイは寡黙な性格であるが、ファンの間では地方公演後に必ず同じ銭湯に立ち寄ることが知られており、の老舗銭湯で偶然同席した客が「最も静かなアンコール」と呼んだ逸話が残る。早瀬ユウはメンバー最年少でありながら会計に強く、ツアー時の宿泊費を1円単位で調整するため、スタッフからは半ば事務局長として扱われていた。
対外的なイメージ[編集]
長年に渡る活動と功績がゆえに、国民的ロックバンドと称されることもあるが、本人たちは「物販の列が長いだけ」と返している。
評価[編集]
評論面では、都市の孤独を工業的な美意識に変換した点が高く評価されている。特に『Gleam Archive』以降は、系の記者から「夜景を音にする力が異常」と評され、朝日新聞の週末文化欄でも取り上げられた。
一方で、楽曲タイトルが抽象的すぎて配信サービスで検索しづらいという批判もあり、2010年代後半には「似た曲名が8曲ある」としてプレイリスト編集者泣かせの存在であった。なお、ライブの演出費は年平均で約6,700万円に達したとされるが、これは照明に使用する特殊フィルターの輸入手続きが複雑だったためである。
批判と論争[編集]
2009年に発売された限定版ボックスセットには、透明ケース内部に本物の小石が封入されており、購入者の一部から「CDと一緒に重すぎる」と苦情が寄せられた。これに対し事務所は「作品の重みを可視化した」と説明している。
受賞歴・賞・記録[編集]
2008年に相当の「年輪音楽賞 最優秀アンサンブル部門」を受賞したほか、2012年には主催の企画で「最も反射光の多いステージ衣装」を記録したとされる。
また、2019年の再結成公演では、物販会計の処理速度が1時間あたり平均312件に達し、主催者側が「音楽イベントというより精密流通」と報告した。ファン有志の集計では、通算のライブ動員は延べ112万人を超えたという。
主要な記録[編集]
・配信限定EP『Subsurface Light』が1週間で国内再生数840万回を記録。 ・2012年武道館公演で、アンコール含む演奏時間が3時間18分に及ぶ。 ・ファンクラブ「Glass Garden」の会員数が最大時で4万2600人に達する。
ディスコグラフィ[編集]
Precioustoneのディスコグラフィは、シングル、アルバム、映像作品のいずれも光沢感のある装丁で統一されている。初期盤には細かな版差が多く、同じタイトルでも帯の色が3種類以上存在することが珍しくなかった。
なお、ベスト・アルバム『Prism Years』は、収録順がファン投票ではなく「波長の近い曲順」で並べられたため、当時の掲示板では賛否が割れた。
シングル[編集]
『Luminous Fault』(2004年) 『Marble Horizon』(2007年) 『Echoes of Quartz』(2008年) 『Starlit Grout』(2011年) 『Cold Facet』(2014年) 『Subsurface Light』(配信限定、2023年)
アルバム[編集]
『Quartz Manual』(2001年、インディーズEP) 『Gleam Archive』(2008年) 『Facet Theory』(2012年) 『After the Polished Rain』(2017年) 『Subsurface Light』(2023年、配信EP)
映像作品[編集]
『Live at Budokan: The 12-String Night』(2013年) 『Glass Garden Sessions』(2020年)
ストリーミング認定[編集]
2023年末時点で、代表曲『Marble Horizon』は国内主要サービスにおいて累計1億2,300万回再生を突破したとされる。特に朝の通勤時間帯に再生率が高く、JR東日本の首都圏路線におけるイヤホン装着率上昇と不思議な相関を示したという。
ただし、同曲は雨音と相性が良いとして環境音プレイリストに組み込まれることが多く、純粋なファン再生数の算定は難しい。データ会社の担当者は「都市の湿度が数値を押し上げた可能性がある」とコメントしている。
タイアップ一覧[編集]
・『Luminous Fault』 - 日本テレビ系深夜番組『Night Window File』エンディングテーマ ・『Marble Horizon』 - トヨタ自動車「AURIS ZERO」CMソング ・『Starlit Grout』 - 紀行番組『石のある風景』テーマ曲 ・『Cold Facet』 - スマートフォンゲーム『Crystal Loop』主題歌 ・『After the Polished Rain』 - JR東日本車内映像コンテンツ使用曲
タイアップは比較的多いが、本人たちは「駅と相性が良いだけ」と語っており、実際には駅構内の自動放送で断片的に流れたことがきっかけで採用された案件もある。
ライブ・イベント[編集]
Precioustoneは、演出の細かさからライブ・コンサートツアーに定評がある。2008年の『Archive in Blue Tour』では、全18都市を回り、各会場でステージ床の反射率を同じ値に揃えるため、現地スタッフが前日からワックス調整を行ったとされる。
2019年の再結成後は『Glass Garden Reunion』を開催し、、、を巡った。最終公演ではアンコールが4回行われ、終演が予定より42分遅れたが、観客はむしろ満足度が高かったという。
主なツアー[編集]
・Archive in Blue Tour(2008年) ・Facet Theory Hall Circuit(2012年) ・After the Polished Rain Tour(2017年) ・Glass Garden Reunion(2019年)
出演[編集]
テレビでは音楽番組への出演が中心であるが、2009年に桐生が料理番組で誤ってギターをまな板代わりにしかけた回が今も語り草である。ラジオでは系の特番『Midnight Mineral』に準レギュラー出演し、メンバーが自作の曲紹介を毎回20秒以内に収める企画が人気を博した。
映画ではドキュメンタリー『The Polish of Silence』(2021年)に出演し、CMでは風の架空ブランド「Sequoia Time」の企業広告に参加した。なお、CM撮影で使用した鏡面セットは、後日スタジオ備品として港区の倉庫に保管されたという。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
2012年に初出場し、『Marble Horizon』を披露した。2020年の再結成後にも特別企画枠で出演したが、舞台装置の一部が反射しすぎて歌詞テロップが見えにくくなったため、放送後に字幕室から軽い抗議が入ったとされる。
脚注[編集]
注釈[編集]
[1] 初期の資料では「Precyoustone」と誤記された例もある。 [2] 由来に関する証言は複数あり、時期によって説明が変化している。 [3] 再生数の集計方式については、関係者のあいだでも見解が分かれている。
出典[編集]
・『月刊ミュージックトレース』2008年9月号、K. Hayasaka「都市照明とバンド演出の同期」pp. 44-51。 ・『現代音響文化研究』Vol. 12, No. 3、M. Tachibana「光沢系ロックの成立過程」pp. 88-103。 ・『Rock and Civic Life in Japan』Northbridge Press, 2016. ・『North Crown Records Yearbook 2012』North Crown Records, 2013. ・『ライブハウスの社会学』青山出版, 2010. ・『The Polished Sound: Studies in Reflective Pop』Camden Academic, Vol. 5, No. 1, pp. 11-29. ・『音楽産業白書 2024』文化資料研究会, 2024. ・『Precioustoneとその周辺』白石ミュージック文庫, 2022. ・『Quartz Manual Reissue Notes』Kite Signal Office, 2009. ・『なぜ人は石を聴くのか』東都書房, 2018. ・『The Complete Guide to Gloss Rock』Bridgeman & Hall, 2019. ・『光る演出の倫理』第4巻第2号, 佐々木由紀子, pp. 6-17.
参考文献[編集]
山口啓介『都市の反射音楽』白峰社, 2015.
Eleanor P. Mills, “Facet Pop and the Japanese Nightscape,” Journal of Popular Sound Studies, Vol. 8, No. 2, pp. 201-224.
中野一誠『ライブ演出の鉱物学』星屑書房, 2011.
Harold J. Finch, “The Precioustone Phenomenon,” East Asian Music Review, Vol. 14, No. 4, pp. 55-79.
桐谷真央『Glass Gardenの経営史』都心文化出版, 2020.
佐伯りえ『反射率とファン動員の相関』音楽統計研究所, 2023.
Miyu K. Tanabe, “Why Stones Shine Louder on Stage,” The Journal of Reflective Arts, Vol. 3, No. 1, pp. 9-26.
『日本ロックバンド年鑑 2000-2024』第7巻第1号, 日本音楽史料センター, 2024.
Daniel A. Cross, “Silent Gaps in Early Indie EPs,” Popular Music Quarterly, Vol. 19, No. 3, pp. 140-158.
『Precioustone公式アーカイブブック 1998-2023』North Crown Archives, 2024.
外部リンク[編集]
Precioustone公式サイト
North Crown Records アーティストページ
Glass Garden 会員向けアーカイブ
Kite Signal Office 事務所紹介
Precioustoneライブ年表データベース
脚注
- ^ 山口啓介『都市の反射音楽』白峰社, 2015.
- ^ Eleanor P. Mills, “Facet Pop and the Japanese Nightscape,” Journal of Popular Sound Studies, Vol. 8, No. 2, pp. 201-224.
- ^ 中野一誠『ライブ演出の鉱物学』星屑書房, 2011.
- ^ Harold J. Finch, “The Precioustone Phenomenon,” East Asian Music Review, Vol. 14, No. 4, pp. 55-79.
- ^ 桐谷真央『Glass Gardenの経営史』都心文化出版, 2020.
- ^ 佐伯りえ『反射率とファン動員の相関』音楽統計研究所, 2023.
- ^ Miyu K. Tanabe, “Why Stones Shine Louder on Stage,” The Journal of Reflective Arts, Vol. 3, No. 1, pp. 9-26.
- ^ 『日本ロックバンド年鑑 2000-2024』第7巻第1号, 日本音楽史料センター, 2024.
- ^ Daniel A. Cross, “Silent Gaps in Early Indie EPs,” Popular Music Quarterly, Vol. 19, No. 3, pp. 140-158.
- ^ 『Precioustone公式アーカイブブック 1998-2023』North Crown Archives, 2024.
外部リンク
- Precioustone公式サイト
- North Crown Records アーティストページ
- Glass Garden 会員向けアーカイブ
- Kite Signal Office 事務所紹介
- Precioustoneライブ年表データベース