コント52号線
| コンビ名 | コント52号線 |
|---|---|
| 画像 | なし |
| キャプション | 下北沢の高架下で撮影された宣材写真とされる |
| メンバー | 浜田五郎、久我ルイ |
| 結成年 | 2011年 |
| 解散年 | 活動中 |
| 事務所 | 北区演芸企画 |
| 活動時期 | 2011年 - |
| 芸種 | 漫才、コント |
| ネタ作成者 | 久我ルイ |
| 出身 | 東京都板橋区、神奈川県藤沢市 |
| 出会い | 都内の深夜バス路線研究会 |
| 旧コンビ名 | 試走52 |
| 別名 | 52号線 |
| 同期 | ハローモータープール、東雲サボテン |
| 影響 | 都市交通ネタのコント化 |
| 現在の代表番組 | 『真夜中の終点会議』 |
| 過去の代表番組 | 『終電は語る』 |
| 現在の活動状況 | ライブ、配信、ラジオ |
| 受賞歴 | 都内小劇場コント賞2018優秀賞 |
| 公式サイト | 北区演芸企画 公式プロフィール |
コント52号線(こんとごじゅうにごうせん)は、東京都を拠点に活動する架空の。2011年結成。関東圏の深夜番組で名を上げたとされる。
メンバー[編集]
浜田五郎(はまだ ごろう)はツッコミ担当で、立ち位置は向かって左である。道路標識の再現に異様な執着を持ち、ネタ中にの告示番号を口にする癖がある。
久我ルイ(くが るい)はボケ担当で、ネタ作成は主に久我が担当している。元は東京都内のバス停案内放送のモニターアルバイトをしており、その語尾の抑揚が後の芸風に影響したとされる。
両者とも身長は170cm台前半とされるが、衣装の反射ベストを着るとやや大きく見えるため、初見では区別がつきにくいという指摘がある[1]。
来歴[編集]
芸風[編集]
芸種は漫才との中間に位置づけられており、本人らは「路線コント」と呼んでいる。ネタではバス停、踏切、環状線、迂回路などが頻繁に登場し、最後に必ず「52号線はまだ開通していない」というオチで締める形式が多い。
浜田は定型句を極端に正確に言い切るを担当し、久我は案内板や時刻表の誤植を利用して強引に場を崩すを担当する。とくに、久我がホワイトボードに路線図を描きながら話を進めるネタは、M-1グランプリ形式の漫才としても成立すると一部のライブ関係者から評された。
また、出囃子は『終点、ひとつ前』である。これは実在の楽曲ではなく、都内の効果音制作会社が2009年に録音した「鉄扉の開閉音」を編集して作った16秒のジングルである[3]。
エピソード[編集]
の単独ライブ『52番目の停車駅』では、開演10分前に舞台袖の照明が落ち、代替として池袋の地下街で使われる館内放送が流れた。しかし久我がそれをネタに取り込み、結果的に最も盛り上がった回になったとされる。
浜田はかつての施設見学会に紛れ込もうとして係員に止められたが、その際に持っていたメモ帳に「終点に芸はある」とだけ書いてあり、係員が感心して入場を許可したという逸話が残る。
一方で、のラジオ番組では、二人とも実際の52号線がどの道路を指すのか最後まで一致せず、放送作家が急きょ地図帳を差し替えた。その回はメール件数が通常の4.7倍に増えたと発表されているが、集計方法にはやや疑義がある[4]。
出囃子[編集]
出囃子は『終点、ひとつ前』で、路面電車のブレーキ音を下敷きにした短いインストゥルメンタルである。冒頭の3秒にだけ踏切の警報音に似たパーカッションが入り、その後に低音のベースが重なる構成になっている。
の舞台監督によれば、初出しの際に観客の半数が「終電のチャイム」と誤認し、退場しかけたという。また、ライブ会場によっては音源が古いため、再生すると最初の2拍が欠けることがあり、それがかえって緊張感を生むとされる。
賞レース成績・受賞歴[編集]
に『都内小劇場コント賞』で優秀賞を受賞した。審査員コメントでは「路線図の構造を笑いの起承転結に転用した点が新しい」と評価されたが、同時に「やや地理の説明が長い」とも記されていた。
には『第8回 深夜バス演芸フェスティバル』で準優勝し、決勝ネタ『快速52号線、各駅に止まる』が話題となった。なお、この大会には芸人部門のほかに車掌部門が存在したが、そちらは3組しか出場しなかったという。
また、の地方予選では、審査員が「会場の出口までネタが続く」と評したものの、タイムオーバー扱いで敗退した。これについては本人らが後日「時間設定も都市交通の一部である」とコメントしている。
出演[編集]
テレビ番組[編集]
『真夜中の終点会議』()では、路線図を使った即興コントを行う準レギュラーを務めた。視聴率は0.8%前後だったが、沿線住民からの熱量が高く、放送後に駅名標の写真がSNSへ大量に投稿された。
過去には『終電は語る』『改札前で会いましょう』などに出演した。特に後者では、浜田が改札機の役を演じ、久我が「IC残高不足」の人物を演じるという、局側も想定していなかった構成が採用された。
ラジオ[編集]
ラジオ番組『52分遅れのご案内』では、リスナーから届く「最寄り駅の変な思い出」を読み上げるコーナーが人気を博した。番組末期にはメールテーマが完全に交通情報化し、スタッフが時刻表を見ながら進行する異様な回が続いた。
また、特番ではJR東日本の駅構内で公開収録を行ったが、改札内で笑い声が反響しすぎて、隣接するコンコースの案内放送が聞き取りづらくなったため、以後は原則として地下会議室で収録されるようになった。
作品[編集]
DVD『コント52号線 1周目』には、デビュー直後のネタから『環状線の恋』まで12本が収録されている。特典映像では、久我が路線図を折り紙で再現する未公開企画が収められ、予想外に高く評価された。
配信限定作品『終点前夜』では、駅名を一切言わずに都市の空気だけで笑わせる実験的構成が試みられた。制作陣は「伝わりにくいが、伝わる人には極めて深く伝わる」と説明している。
単独ライブ[編集]
単独ライブは年1〜2回の頻度で行われている。とくにの『52号線はまだ見えない』は、会場入口から客席までに仮設の横断歩道が敷かれたことで知られる。
の『終点、再編集』では、アンコールで浜田が「このライブは目的地ではなく、経路である」と宣言し、客席の一部が静かに拍手した。なお、その公演の物販では路線図柄のタオルが1,940枚売れたとされるが、売上集計表の一部に手書き修正がある[5]。
書籍[編集]
著書に『笑いのバス停学』(、2020年)がある。これはネタの組み立てを「停車」「乗換」「終点」の3段階で分析したという体裁の本で、実際にはエッセイ集に近い。
また、インタビュー集『52号線の向こう側』(2024年)では、二人が初めて「自分たちが何の路線を名乗っているのか」を担当編集者に問われ、30分以上沈黙した末に「たぶん比喩です」と答えたことが明かされている。
脚注[編集]
脚注
- ^ 佐伯真一『都市路線と笑いの相関――深夜帯コントの成立過程』北区演芸出版, 2021, pp. 44-71.
- ^ Margaret A. Thornton, "Comedy on the Last Mile: Japanese Transit Humour after 2010", Journal of Urban Performance Studies, Vol. 18, No. 2, 2022, pp. 113-129.
- ^ 渡辺修一『終点前の演芸史』芸能評論社, 2019, pp. 9-38.
- ^ Kenta Morishita, "Route Diagrams as Comic Devices", The Bulletin of Applied Laughter, Vol. 7, No. 1, 2020, pp. 5-22.
- ^ 久我ルイ『52号線の作り方』北区演芸文庫, 2023, pp. 81-104.
- ^ 高橋和美『関東深夜バス文化誌』みちのり書房, 2018, pp. 201-219.
- ^ A. Sato, "Terminal Announcements and Timing Errors in Live Comedy", Performance Mechanics Review, Vol. 4, No. 3, 2021, pp. 55-68.
- ^ 『都内小劇場年鑑 2017-2022』編集委員会編、都内小劇場協会, 2023, pp. 312-315.
- ^ 中野晴彦『路線図の民俗学』青灯社, 2020, pp. 146-171.
- ^ Haruka Endo, "The Joke Stops Here: An Ethnography of Station-Based Duos", Urban Folklore Quarterly, Vol. 11, No. 4, 2024, pp. 233-247.
- ^ 『バス停の向こうの笑い』という書名のない会報, 北関東演芸研究会, 2022, pp. 1-14.
外部リンク
- 北区演芸企画 公式プロフィール
- 52号線アーカイブ
- 真夜中の終点会議 番組ページ
- 都内小劇場ライブ情報局
- 終電は語る データベース