御成敗式目
| 選手名 | 御成敗 式目 |
|---|---|
| 画像 | Omote no kiriha.png |
| 画像サイズ | 280px |
| 画像説明 | 試合後、審判へ礼をする御成敗式目 |
| 愛称 | 御式(おしき) |
| 生年月日 | 1987年4月12日 |
| 出身地 | 神奈川県鎌倉市 |
| 身長 | 181 cm |
| 体重 | 74 kg |
| 国籍 | 日本 |
| 背番号 | 17 |
| ポジション | フルーレ |
| 所属チーム | 鎌倉シャドウズ |
| 利き手 | 右 |
| medaltemplates | 金 2 銀 1 銅 1 |
御成敗 式目(おなりさばい しきもく、[[1987年]]〈[[昭和]]62年〉[[4月12日]] - )は、[[神奈川県]][[鎌倉市]]出身の[[プロフェンシング選手]]([[フルーレ]])。右投左打。[[東日本フェンシングリーグ]]の[[鎌倉シャドウズ]]所属。[[全日本選手権]]で3連覇を果たし、[[アジア選手権]]ではMVP に選ばれた[1]。
概要[編集]
御成敗式目は、の老舗道場「」出身の選手である。祖父が御成敗式目研究の史料整理に携わっていたことからこの名で呼ばれるようになったとされ、競技人生の随所で「規律」と「即応」を重視する姿勢が話題となった。
においては、の主将を務めた時期に3連覇を達成し、国際大会では「式目ブレード」と呼ばれる独自の間合い操作で注目を集めた。なお、本人はこの呼称を「記者が勝手につけた」としているが、関係者の間では半ば公認の通称となっている[1]。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
に神奈川県で生まれ、在学中に体育館の倉庫で旧式の剣を見つけたことが競技の始まりとされる。本人の回想によれば、その剣には「審判への礼は一拍置くべし」と墨書きされており、これを見た顧問教師のがフェンシング部設立を提案したという。
に進学後はの主力として頭角を現し、には個人戦で準優勝を記録した。当時、試合前に必ずへ参拝していたことから、相手校の記録係が「神頼みの剣士」と書き残した紙片が残っている[要出典]。
所属チーム別の経歴[編集]
にへ加入し、デビュー戦でいきなり3得点を挙げたことで注目を集めた。翌年にはレギュラーを獲得し、からは主にアンカー役を務めたが、相手の反撃を受けた際に得点板の前で深呼吸をする癖が「式目の間」と呼ばれ、若手選手の間で模倣が広がった。
には一時的にへ移籍し、欧州式の高速攻防を経てに再び鎌倉へ復帰した。復帰後は主将に就任し、同年、リーグ戦で自己ベストを更新する42勝を記録した。なお、この42勝は「条文数に合わせた偶然」とされるが、本人は「一勝一勝の積み重ねである」と語っている。
代表経歴[編集]
には2008年に初選出され、で初出場を果たした。以後、の予選を経て、では団体戦の最終試合に抜擢され、逆転勝利の立役者となった。
では開会式前日に控室で足首を捻るアクシデントがあったものの、テーピングのまま出場し、団体銀メダルを獲得した。試合後の記者会見では「式目は守るものではなく、踏み越えて初めて意味がある」と述べ、競技関係者に妙な余韻を残した[2]。
選手としての特徴[編集]
御成敗式目は、長いリーチを生かしたの先端制御に定評がある。とくに、相手の出足に合わせて0.3秒遅らせる「遅延突き」は、国内外の解説者から「礼法を攻撃に変換した技術」と評された。
また、視線の置き方が独特で、マスク越しに相手の肩ではなく足元を見るため、動きの予測精度が高いとされる。一方で、試合中に突然、審判へ一礼してから構え直す癖があり、これによりリズムを崩される選手も少なくなかった。本人は「礼は戦術である」と公言しており、これは競技界でも賛否が分かれた。
フィジカル面では爆発的な瞬発力よりも反復性に優れ、以降は年3回の体幹強化合宿を経て、終盤の失速が大幅に減少した。なお、スポーツ科学誌によれば、試合中の呼吸回数が一般選手の約82%に抑えられていたという[3]。
人物[編集]
エピソード[編集]
私生活では古文書の蒐集を趣味としており、遠征先でも骨董市に立ち寄ることで知られる。とくに京都市の寺町通で購入した「偽書に見えるが本物だった」巻物を大切にしているとされ、その巻物の裏書がフォーム改善の着想源になったという。
チームメイトからは「静かすぎる主将」と呼ばれたが、試合直前にだけ急に饒舌になることでも有名である。2019年のリーグ決勝では、相手選手の名前を5回連呼して集中を乱したあとに得点し、審判から注意を受けた。
交友関係[編集]
盟友としては、らが挙げられる。とくに長谷川とは入団時からの付き合いで、遠征バス内で戦術ノートを交換する習慣があった。
一方で、同世代の選手とは大会で三度対戦しており、互いに「相手の礼が遅い」と言い合う不思議な関係が続いた。これについて当時の監督は「二人とも勝敗より作法を見ている」と評している。
記録[編集]
タイトル[編集]
個人優勝 3回(2016年、2018年、2019年) 年間王者 4回 団体優勝 2回 最優秀選手 1回 特別表彰 1回
とくに2018年の全日本選手権では、決勝で開始18秒の間に3本連取し、観客席の記録係が誤って試合終了のベルを鳴らしたため、再開後にさらに2本を追加した。この一件は後に「誤鐘の5点」と呼ばれた。
表彰・代表歴[編集]
選出 7回 オリンピック出場 3回 メダル獲得 4個 年間功労賞 2回 受章
また、にはから「礼節と競技性の均衡を最も高い水準で示した選手」として特別感謝状を受けたとされるが、実際の授与式の記録は一部しか残っていない[要出典]。
個人記録[編集]
通算勝利数 218 年間最多得点 57 連続勝利記録 14 被反則数 0での試合 31 最長試合時間 9分42秒
なお、9分42秒の最長試合は名古屋市で行われた準決勝で記録されたが、途中で電光掲示板が「式目準備中」と誤表示したため、会場全体が一時的に練習試合と勘違いしたという。
出演[編集]
CMではのスポーツ飲料「リズムウォーター」、の競技用グローブ、JR東日本の観光キャンペーン「礼して、走って、鎌倉へ」に出演した。特に後者では、駅ホームで剣を構える演出が物議を醸したが、本人は「移動もまた間合いである」と説明した。
テレビ番組ではの『アスリート・クロニクル』、の特番『勝負の礼法』、の『あさイチ』に登場した。2021年にはクイズ番組で御成敗式目の条文数を答える問題に正答し、「競技と歴史の両立」を示したとして話題となった。
また、ローカル番組『』では、試合前に聴く楽曲としてではなくの朗読CDを挙げ、司会者を困惑させた。
著書[編集]
『式目の間合い――勝敗を決める0.3秒』講談社、2022年。 『礼を撃つ』、2023年。 『鎌倉から世界へ:フェンシングと所作』、2024年。 『勝てる審判講座 付・御成敗式目の読み方』、2024年。
いずれも競技書としては異例の売上を記録し、特に『礼を撃つ』は発売初週で3万2,000部を突破したとされる。なお、最終章に「相手を褒めてから刺す」と書かれているという噂が広まったが、実際には「褒めることと刺すことは別である」と記されている。
背番号[編集]
背番号は。本人によれば、これはの年号的イメージと「一度で七度考える」という練習哲学を組み合わせたものであるという。
加入当初はを希望していたが、先輩選手に譲ったため、空き番号から17を選んだとされる。以後、17はチーム内で「式目番号」とも呼ばれるようになり、若手の中には縁起を担いで真似する者も多い。
脚注[編集]
1. 主要業績に関しては年報『Fencing Annual Japan』第41巻第2号、2020年、pp. 18-21。 2. 東京大会決勝後の発言は『鎌倉スポーツ新聞』2021年8月4日付、3面。 3. 田中慧一「反復競技における呼吸制御と礼法動作」『東アジアスポーツ科学研究』Vol. 12, No. 3, 2022, pp. 77-88。 4. ただし一部の遠征記録は選手本人の手帳に依拠しているため、年次の一致については確認が難しい。 5. 後援会資料『御成敗式目後援会20年史』では、2015年の復帰時にすでに主将就任が内定していたとされる。 6. なお、鎌倉市内での通称「式目ブレード」は商標登録の動きもあったが、申請書類に誤って剣道カテゴリが記載され、差し戻しとなった。 7. 2018年決勝の誤鐘については、会場運営報告書『横浜アリーナ競技運営記録集』第9号に断片的記述がある。 8. 本文中の一部逸話は、本人が配信番組で半笑いで語った内容を編集部が補っている。
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
鎌倉シャドウズ公式プロフィール 日本フェンシング協会 選手データベース 国際フェンシング連盟 アスリートページ 御成敗式目オフィシャルファンサイト『式目通信』
脚注
- ^ 田中慧一『礼法動作が前進速度に与える影響』東日本スポーツ科学会誌 Vol. 8, No. 2, 2021, pp. 14-29.
- ^ 御厨和也『鎌倉系アスリートの形成史』青土社, 2020.
- ^ Margaret L. Henshaw, "Timing and Courtesy in Modern Foil", Journal of Historical Fencing Studies, Vol. 14, No. 1, 2022, pp. 33-51.
- ^ 鈴木良平『式目ブレード入門』ミネルヴァ書房, 2023.
- ^ A. K. Whitmore, "Athletic Rituals in East Asian Combat Sports", International Review of Sport Anthropology, Vol. 9, No. 4, 2021, pp. 201-219.
- ^ 『鎌倉スポーツ新聞』編集部「御成敗式目、再び礼を撃つ」2021年8月4日号.
- ^ 高井真一郎『道場の倉庫から始まった』光文社, 2019.
- ^ 中村麻衣子「反則ゼロ試合の心理的負荷」『競技心理学研究』第27巻第3号, 2020, pp. 55-63.
- ^ Christopher Bain, "The Number 17 Phenomenon in Team Fencing", Bulletin of Applied Sports Numbers, Vol. 3, No. 2, 2024, pp. 7-19.
- ^ 『勝てる審判講座 付・御成敗式目の読み方』【講談社】, 2024.
- ^ 山岸克彦『礼して、走って、刺す』朝日出版社, 2022.
- ^ Li Wen, "On the Tactical Use of Bowing", Asian Journal of Competitive Etiquette, Vol. 6, No. 1, 2023, pp. 1-12.
外部リンク
- 鎌倉シャドウズ公式サイト
- 日本フェンシング協会選手名鑑
- 国際フェンシング連盟アーカイブ
- 式目通信アーカイブ
- 湘南スポーツ夜話 公式ページ