カス (神奈川県出身のプロ野球選手)
| 選手名 | カス |
|---|---|
| 画像 | Kasu_2024.jpg |
| 画像サイズ | 220px |
| 画像説明 | 2024年の横浜スタジアムでのカス |
| 愛称 | 海風のカス、藤沢の残像 |
| 生年月日 | 1994年7月18日 |
| 出身地 | 神奈川県藤沢市 |
| 身長 | 178 cm |
| 体重 | 82 kg |
| 国籍 | 日本 |
| 背番号 | 51 |
| ポジション | 外野手 |
| 所属チーム | 横浜蒼潮ベイスターズ |
| 利き手 | 右投左打 |
| medaltemplates | なし |
カス(かす、平成6年 - )は、神奈川県出身のプロ野球選手(外野手)。右投左打。日本プロ野球の所属。2023年にとを獲得し、同年のに選ばれた[1]。
経歴[編集]
プロ入り前[編集]
では硬式ではなく、地元の少年軟式野球連盟が採用していた「軽球区分」でプレーし、当時から送球の低さを武器にしていたとされる。高校はにし、2年秋にで1試合4盗塁を記録したことから注目されたが、本人は打撃よりも「砂浜の向かい風に強い守備」を売りにしていた。
3年夏には横浜スタジアムでの地区代表決定戦にし、右翼線への逆風を計算したバント安打で話題になった。なお、この頃からスコアボードの表示名が短いことを理由に「カス」と書かれる機会が増え、のちの登録名採用の下地になったとする説が有力である[2]。
所属チーム別の経歴[編集]
2012年のでから4位指名を受け、した。入団後は二軍ので鍛えられ、2014年に一軍デビューを果たしたが、初安打は記録上「失策のように見える内野安打」として処理され、球団記録係が半日かけて訂正したという。
2017年にへ本格転向し、同年は守備固めで34試合にした。2020年には規定打席未満ながら.341を記録し、翌2021年にレギュラーを獲得した。2023年は1番打者として開幕から好調を維持し、自己ベストを更新する178安打を放ってを獲得、さらに交流戦では10試合連続安打を記録してに選ばれた[3]。
代表経歴[編集]
2018年にはの強化試合メンバーに選出され、当時の監督であったのもとで代走要員として起用された。同年の戦では、9回裏に左翼線へ落ちる二塁打を放ち、国際試合で初めて勝利打点を記録した。
2021年の東京オリンピックでは正式な代表候補に残り、外野のユーティリティとして帯同したが、本大会ではベンチに入ることが多かった。ただし、練習試合で観客席に飛び込んだファウルを素手で回収し、そのままボールボーイへ返した所作が国際放送で繰り返し映され、海外メディアから「silent left fielder」と呼ばれたという[4]。
選手としての特徴[編集]
最大の特徴は、低い弾道のライナーを量産する打撃である。本人は「空に上げるより、潮風の層に通す方が速い」と述べたとされ、これが打撃理論として一部のアマチュア指導者に引用された。
また、出塁後のリード幅が極端に小さいことで知られているが、これは高校時代に強風で帽子が飛ばされた経験から身につけた安全志向だとされる。盗塁成功率はキャリア通算で.874と高く、2022年には7年連続で二桁盗塁を記録した。
守備では、打球判断の早さと肩の柔らかさが評価されている。一方で、送球時に体勢を整えすぎる癖があり、首脳陣からは「たまに芸術点が高い」と評された。なお、春先だけ異様に打球が伸びる傾向があり、球団内部では花粉との相関が議論されたことがあるが、詳細は公表されていない。
人物[編集]
寡黙な選手として知られるが、試合後のヒーローインタビューでは妙に具体的な語彙を選ぶため、ファンの間では「職人肌なのに比喩が長い」と評される。2023年6月には、得点圏での凡退について問われ「打球が地面に相談しすぎた」と答え、球団広報が記者席で笑いをこらえたという。
また、地元の海岸清掃活動に継続的に参加しており、オフには同市の少年野球教室で「逆風の日の打ち方」を教えている。彼が教室で必ず最初に言うのは「まず潮を読むこと」であるが、実際に潮位表を持参するのは本人だけだとされる。
私生活では甘い炭酸飲料を好み、遠征先では必ず同じ銘柄を6本まとめ買いする習慣がある。2022年の日本シリーズ遠征では、ホテルの冷蔵庫に自分用のラベルを貼ったボトルが12本並び、球団マネジャーが「事実上の個人スポンサー」と冗談を述べた[5]。
記録[編集]
タイトル・表彰[編集]
首位打者:1回(2023年)。
最多安打:1回(2023年)。
交流戦MVP:1回(2023年)。
月間MVP:2回(2021年8月、2023年6月)。
ゴールデングラブ賞:1回(2024年)。
代表歴[編集]
侍ジャパン強化試合(2018年)。
東京オリンピック代表候補(2021年)。
アジア野球親善シリーズ日本代表(2022年)。
なお、2022年の遠征では5試合連続で代打待機となったが、全試合でネクストバッターズサークルに最初に立っていたため、スタッフの間では「精神的先発」と呼ばれた。
個人記録[編集]
一軍通算打率 .287。
一軍通算本塁打 48本。
一軍通算安打 921本。
一軍通算盗塁 173。
2023年には1シーズン178安打、32二塁打、41犠打という、現代の外野手としてはやや不自然なバランスを記録したが、これが監督の戦術と合致したため固定起用につながったとされる[6]。
出演[編集]
CM出演としては、2021年の「地元を支える人篇」に出演し、無表情で通帳を差し出す演技が「逆に信頼できる」と好評だった。また、2024年にはのマナー啓発動画に起用され、ベンチでの静かな座り方を実演した。
テレビ番組では、NHKのスポーツ番組『』や、のローカル特番『湘南野球図鑑』に登場したほか、バラエティ番組では珍しくトークよりも守備道具の手入れを長く語ったため、司会者から「説明が職人会議」と評された。
なお、2023年のオフに出演した情報番組では、キャスターの「今年を漢字一文字で」との質問に対し「層」と回答した。この回答は一見意味不明であったが、本人は「打球も人生も層でできている」と説明している。
著書[編集]
『逆風に立つ——カス打撃論』(、2024年)
『外野の潮目』(、2025年)
『一歩目の静けさ』(共著、講談社、2025年)
同書では、出塁時の第一歩を「走塁の句読点」と表現しており、野球書としては異例に文学的であると評された。なお、巻末付録には本人直筆の「風向きメモ」が収録されているが、記載されている潮位データの一部は球場と無関係である。
背番号[編集]
高校時代は7番、直後の二軍では63番を着用した。2017年に一軍定着後は51番へ変更し、本人は「前の番号が大きすぎて動きにくかった」と語ったとされる。
51番は、球団の歴代外野手では比較的新しい番号であったが、2023年の活躍以降は「海風の51」としてファンに親しまれている。なお、一時期だけ練習試合で背番号99を着用したことがあるが、これはユニフォームの手配ミスによるもので、本人は後年「一番似合わない数字だった」と回想している。
脚注[編集]
[1] 2023年の成績は球団広報資料による。
[2] 登録名の由来については複数説があり、本人は明言を避けている。
[3] 交流戦MVPの選考経緯はの発表を参照。
[4] 国際放送での呼称は現地局スタッフの通称であり、公式呼称ではない。
[5] 遠征時の飲料本数はマネジャーの証言に基づく。
[6] 32犠打の内訳にはスクイズ失敗を犠打に含める独自集計が一部混在している。
外部リンク[編集]
横浜蒼潮ベイスターズ 公式プロフィール
日本野球機構 選手データ
神奈川スポーツ人物録
湘南野球アーカイブ
カス後援会 公式サイト
脚注
- ^ 佐伯和真『湘南外野手の研究――風向と打球角度の相関』神奈川野球学会誌, Vol.12, No.3, pp.44-61.
- ^ M. Thornton, "The Quiet Left Fielder in Modern NPB", Journal of Pacific Baseball Studies, Vol.8, No.2, pp.101-128.
- ^ 横山俊介『登録名「カス」の社会的受容と応援文化』スポーツ社会学研究, 第19巻第1号, pp.7-29.
- ^ 田所美咲『潮風と走塁――藤沢系外野手の形成史』ベースボール・リサーチ・レビュー, Vol.5, No.4, pp.88-112.
- ^ H. Sato, "Bunt Hits and Coastal Wind Conditions: A Case Study", Asian Baseball Quarterly, Vol.14, No.1, pp.15-39.
- ^ 小泉拓也『プロ野球選手の遠征飲料消費に関する一考察』現代球界論集, 第7巻第2号, pp.53-70.
- ^ 編集部『2023年交流戦総括:横浜蒼潮ベイスターズの1番打者戦略』月刊プロ野球, 2023年9月号, pp.22-31.
- ^ C. Williams, "Silent Defense and Loud Results", Baseball International Review, Vol.11, No.6, pp.190-207.
- ^ 藤本康平『一歩目の静けさ――走塁哲学の実践』講談社スポーツ新書, 2025年.
- ^ 神奈川新聞運動部編『ベイスターズ列伝 2010-2024』神奈川新聞出版, 2024年.
外部リンク
- 横浜蒼潮ベイスターズ公式選手名鑑
- 日本野球機構 選手検索
- 湘南スポーツ人物年鑑
- 神奈川野球資料館
- 藤沢市少年野球連盟OB会