RAP BATTLE DOME
| 名前 | RAP BATTLE DOME |
|---|---|
| 画像 | RAP_BATTLE_DOME_live_2019.jpg |
| 画像説明 | 2019年のさいたまスーパーアリーナ公演にて |
| 画像サイズ | 250px |
| 背景色 | #101820 |
| 別名 | RBD |
| 出生名 | Rap Battle Dome |
| 出身地 | 東京都渋谷区 |
| ジャンル | ヒップホップ、バトルラップ、オルタナティブ・ラップ |
| 職業 | ラッパー、音楽プロデューサー、作詞家 |
| 担当楽器 | ボーカル、サンプラー、ターンテーブル |
| 活動期間 | 2011年 - |
| レーベル | Crown Circuit Records |
| 事務所 | Dome Forge Entertainment |
| 共同作業者 | KAMUI SPARK、DJ Minato Vanta |
| メンバー | KAI-9、Mellow G、JIN-R、NOVA |
| 旧メンバー | なし |
| 公式サイト | rbd-dome.jp |
RAP BATTLE DOME(ラップ・バトル・ドーム)は、日本の4人組ヒップホップ・クルーである。所属事務所はDome Forge Entertainment。レコード会社はCrown Circuit Records。2011年に結成、2014年にメジャーデビュー。略称および愛称は「RBD」。公式ファンクラブは「DOME SEAT」である。
概要[編集]
RAP BATTLE DOMEは、東京都発祥の4人組ヒップホップ・クルーである。即興性の高いバトルラップと、スタジアム級のコーラスを組み合わせた演出で知られ、2010年代後半には「国民的バトルユニット」と称されることもあった。
元来は渋谷の小規模なクラブイベント用に組まれた即席ユニットであったが、後に巨大ドーム会場を想定した「円環型ラップ構造」を標榜するようになり、観客のコール&レスポンスを楽曲の一部として固定化した点が特徴とされる。なお、初期の活動記録には、練習場所として新宿の廃校舎地下を使っていたとの記述があるが、関係者の証言は一致していない[要出典]。
グループ名は「戦う言葉が屋根を持つ場所」という意味で名づけられたとされ、実際には、デビュー前に使用していた防音倉庫の天井が半球状だったことに由来するとの説が有力である。
メンバー[編集]
現在のメンバーはKAI-9、Mellow G、JIN-R、NOVAの4人である。いずれもMCとして活動しているが、作品によってはDJやトラックメイカーを兼任することがある。
KAI-9はリーダー格で、語頭の子音を極端に詰め込む高速フロウを得意とする。Mellow Gはメロディアスなフック制作を担当し、ライブでは観客の腕時計の同期点滅を誘導するパートを受け持つ。JIN-Rは社会派のリリックで知られ、NOVAは即興バトルの勝率がデータ上92.4%とされるが、集計母体が小さすぎるとの指摘がある[要出典]。
バンド名の由来[編集]
グループ名は、結成初期に彼らが用いていた地下練習場「Dome No.3」の通称と、当時流行していた公開バトル企画「RAP ARENA」を合成して作られたとされる。もっとも、メンバー本人たちは別の場で「最初は『R.A.P.』を英語の略称と誤認した観客が、そのまま『ラップ・バトル・ドーム』と呼び始めた」と述べており、命名経緯には揺れがある。
2012年頃には、会場設営スタッフが誤って送電盤に「RBDOME」と記してしまい、その札がツアーグッズ化したことで略称が定着した。以後、ファンの間では「ドームに響くなら、どんな小箱でもドームになる」という解釈が広がり、彼らの美学を象徴する言葉として扱われている。
来歴[編集]
結成[編集]
2011年、渋谷区内のインディーズ・イベント「Quarter Circle Session」にて、個別に活動していた4人が即興セッションを行ったことがきっかけで結成された。主催者である早川誠一は、当初彼らを1回限りの客演扱いとしていたが、観客アンケートの87%が「MC同士の応酬を再演してほしい」と回答したため、継続ユニット化が決まった。
翌2012年には、深夜帯のライブハウスを巡る「半径3キロのドーム化計画」を実施し、都内12会場で連続公演を敢行した。最終公演では、観客が配布されたメタリックシートを振り、会場全体が一時的に競技場のような反響を示したことから、現在の演出様式の原型が固まったとされる。
メジャーデビュー[編集]
2014年、Crown Circuit Recordsよりシングル『Inner Dome』でメジャーデビューした。発売初週の売上は推定4.8万枚で、オリコン週間シングルチャートで7位を記録したとされる。ミュージックビデオは千葉県の倉庫群で撮影され、空撮映像に合わせてラップの韻が字幕ではなく「床面投影」で表示されたことが話題となった。
この時期、所属事務所Dome Forge Entertainmentが「ステージ上の円環を聴覚化する」という独自方針を打ち出し、客席中央に可動式ターンテーブルを埋め込む演出が導入された。これにより、観客が自分のいる位置によってコーラスの位相が変わるという、ほとんど工学実験に近いライヴ形式が成立した。
2016年 - 2019年[編集]
2016年のアルバム『Seventeen Echoes』は、売上累計23.6万枚を記録し、ストリーミングでは2億回再生を突破したと発表された。特に収録曲「Round Table Cipher」は、地方自治体の成人式会場で非公式に使用されたことから、若年層への浸透が一気に進んだとされる。
2018年には全国ホールツアー「DOME SCALE 2018」を開催し、横浜アリーナ、大阪城ホール、日本武道館など計17公演を完走した。終盤のアンコールでは、4人が同時に異なるテンポで16小節を回す「多重バトル」演出を行い、映像作品の発売後に研究者から「コンサートではなく現代詩の合議制である」と評された。
2019年には活動休止説が流れたが、実際には2週間の集中特訓期間であったと説明された。もっとも、その間に公式サイトが白紙化されていたため、ファンの一部は解散発表と誤解し、都内のCDショップ前で自主的な黙祷を行ったという。
2020年以降[編集]
2020年以降は、オンライン・バトル形式「DOME SHIFT」を導入し、無観客配信ながら同時接続数38万人を記録した。画面上に観客のコメントが円形に配置される独自UIが採用され、コメント欄そのものがサビとして機能する構造は、後続の配信系ラップグループに影響を与えたとされる。
2023年には、結成12周年を記念して再録ベスト・アルバム『Dome After Dome』を発表し、旧曲の一部を能楽の掛け声風に再構成したことで議論を呼んだ。現在も解散はしておらず、むしろ「いつ休止しても再開できるように毎年年表を更新している」という運営方針が知られている。
音楽性[編集]
RAP BATTLE DOMEの音楽性は、オールドスクール・ヒップホップを基調としつつ、サビ部分で大人数の観客を仮想合唱として扱う点に特色がある。ビートはBPM90前後の中速が中心であるが、バトルパートに入ると急にBPMが可変し、リスナーに「一曲の中で3回くらい会場が変わったように感じさせる」構造を持つ。
制作面では、DJ Minato Vantaが手がける低域の圧縮処理と、KAMUI SPARKによる和声的サンプルの断片化が特徴である。また、彼らはしばしば「韻を踏むのではなく、韻が先に床を作る」と説明しており、この発言は音楽誌の見出しに多用された。実際には、楽曲の4割ほどで韻よりも空白が目立つが、その空白こそが群衆の応答を吸収する余白であると解釈されている。
人物[編集]
4人とも公的な発言では寡黙であるが、楽屋では極端に几帳面なことで知られる。KAI-9は機材のケーブルを長さ順に並べ替えないと歌えないとされ、Mellow Gは控室の加湿器の湿度が63%を下回るとフックの母音が変わるという。JIN-Rは新聞の折り目まで使って即興ネタをメモする癖があり、NOVAはバトル前に必ず駅の改札音を聴くという習慣を持つ。
また、メンバー全員が東京都内の同じ弁当店を贔屓にしていることで知られており、2017年のツアー中に発売された限定弁当「DOME弁当」は、歌詞カードより先に売り切れた。本人たちはこれを「食文化との接続点」と呼んでいるが、実際には唐揚げの数を巡って何度か口論になったとの証言もある。
評価[編集]
批評家からは、ライブの熱量をレコードに封じ込めた稀有な例として高く評価されている一方で、過度に演出が巨大化しているとの批判もある。特に初期の音源に比べ、近年はラップというより「群衆の気圧変化を聴かせる作品」になっているとの指摘がある。
一方で、教育現場では言語感覚の教材として取り上げられることがあり、国立国語研究所の公開講座では「RBDの母音変形は、若年層のスラング生成を理解する手がかりになる」と紹介されたことがある。ただし、講座資料の脚注には、担当研究員が私的に追加したとみられる「サビでドームが増える」という表現が残っていた。
受賞歴・賞・記録[編集]
2015年に第57回日本レコード大賞の企画賞を受賞したとされるほか、2018年には「年間最長コール&レスポンス時間」でギネス風の非公式記録を樹立した。記録は1公演あたり平均11分42秒の返答持続時間で、審査員が途中でラップに参加してしまったため、正式認定には至らなかった。
また、2022年には配信限定曲『No Roof Cypher』がBillboard Japan類似集計で週間1位を獲得したと発表された。もっとも、集計ページには同じ週に「観客拍手回数」という独自指標も並んでいたため、業界内では半ば伝説として扱われている。
ディスコグラフィ[編集]
== シングル == * 『Inner Dome』(2014年) - メジャーデビュー曲。発売元はCrown Circuit Records。 * 『Round Table Cipher』(2016年) - 文化祭シーズンに急伸し、配信ランキングで異例のロングヒットを記録した。 * 『No Roof Cypher』(2022年) - 配信限定。公式では「無屋根だが逃げ場はない」と説明された。
== アルバム == * 『Seventeen Echoes』(2016年) - 代表作とされる。全17曲で、偶数曲のみ群唱が入る構成であった。 * 『Dome After Dome』(2023年) - 再録ベスト・アルバム。旧録音の会場ノイズを意図的に残したことで賛否を呼んだ。
== 映像作品 == * 『DOME SCALE 2018 at Nippon Budokan』(2019年) - ライブ映像作品。客席中央の回転舞台が特典映像より目立つと評された。 * 『DOME SHIFT ONLINE FINAL』(2021年) - 配信公演の記録。コメント欄が映像本編の半分を占める編集で知られる。
ストリーミング認定[編集]
2024年時点で、RAP BATTLE DOMEの主要楽曲は累計ストリーミング再生数5億回を突破したと発表されている。なかでも『Inner Dome』は1.1億回、『Round Table Cipher』は1.6億回を超えたとされ、ファンの再生習慣が朝礼・通勤・終電後の3区分に分かれているとの分析もある。
また、同グループはプレイリスト再生における「都市圏集中率」が高いとされ、首都圏での再生比率が全体の48%を占めるという。なお、配信会社の内部資料に「耳で聴くより先に円陣を組ませる効果」と記されていたとの報告があるが、真偽は定かでない。
タイアップ一覧[編集]
『Inner Dome』は、東京都の某スポーツ用品店のキャンペーンソングとして使用された。『Round Table Cipher』は、深夜アニメ風CM枠の間に流れるラジオドラマ企画とタイアップし、内容とはほぼ無関係なまま知名度を上げた。
『No Roof Cypher』は、首都高速道路公団を模した架空の啓発映像「上を見ろ、しかし歌うな」に起用されたとされ、渋滞情報の読み上げとリリックが同期する仕掛けが物議を醸した。さらに、2023年のコラボでは、都内の老舗銭湯チェーンと組み、「湯気の向こうで韻を踏め」というキャンペーンが実施された。
ライブ・イベント[編集]
RAP BATTLE DOMEは、通常のホールツアーのほかに、即興性を重視した「ラップ・コロシアム」と呼ばれる対戦形式のイベントを開催してきた。これは、開演前に対戦テーマを抽選で決定し、観客が勝敗を拍手音量で判定するというものである。
2018年の「DOME SCALE 2018」は、横浜アリーナ、大阪城ホール、日本武道館を回る全国ツアーで、各会場の地形に合わせてステージの高さが3段階で調整された。2021年の「DOME SHIFT ONLINE FINAL」では、無観客にもかかわらずアンコールが4回発生し、配信スタッフが終了ボタンを押すタイミングを失ったことで知られる。
出演[編集]
テレビでは、音楽番組のほか、深夜の教養番組や地方局の生放送企画にしばしば出演している。特にNHKの特別番組『ことばの最前線』では、即興韻の生成過程を可視化する装置の実演が行われ、司会者が途中でメモを諦めたことが話題となった。
ラジオでは、TOKYO FM系の深夜枠で準レギュラーを務めたことがあり、映画では劇中ラップの提供、CMでは飲料・通信・学習塾など幅広い業種に起用されている。ただし、本人たちはCM撮影よりもナレーション原稿の語尾修正に時間をかけることで有名である。
NHK紅白歌合戦出場歴[編集]
RAP BATTLE DOMEは、2020年に初出場を果たしたとされる。演目は『Inner Dome』の特別版で、舞台上に巨大な半球スクリーンが設置され、サビのたびに客席上空へ韻の残像が投影された。
2023年には2回目の出場を記録し、NHK側の事前説明では「歌唱中のコールは控えめに」とされたが、実際には審査員席付近までリズムが届いたため、番組終了後に音響班から感謝状が送られたという。
脚注[編集]
1. デビュー年、所属事務所、公式ファンクラブ名などの基礎情報は、公式年表と当時の配布資料に基づくとされる。 2. 活動休止説や地下練習場の使用については、一次資料が乏しく、編集者間でも見解が分かれている。 3. 各種売上・再生回数・観客動員は、公開された範囲の数値をもとにした推定値である。 4. 「ドーム化計画」や「コメント欄がサビとして機能する」などの表現は、関係者インタビューの意訳である可能性がある。
参考文献[編集]
・佐伯航一『都市型ヒップホップの円環構造』Dome Press, 2019, pp. 41-88. ・M. Thornton, "Echo Chambers and Battle Rhyme in Tokyo", Journal of Urban Music Studies, Vol. 12, No. 3, 2020, pp. 115-139. ・白石玲子『ライブ演出としての即興韻』音楽評論社, 2018, pp. 9-57. ・Kenji Arai, "From Club to Dome: The RAP BATTLE DOME Phenomenon", Asian Sound Review, Vol. 7, Issue 2, 2021, pp. 201-224. ・高橋真由『配信時代の群衆コーラス論』文化出版局, 2022, pp. 63-104. ・L. Peterson, "The Semiotics of Circular Stages", Contemporary Beat Quarterly, Vol. 5, No. 1, 2017, pp. 33-49. ・黒田歩『韻の都市計画』新星社, 2020, pp. 120-171. ・R. H. Blake, "Audience as Instrument: A Case Study of RBD", Music & Society, Vol. 18, No. 4, 2023, pp. 77-96. ・松井あかね『DOME SHIFTの夜』光輪書房, 2024, pp. 5-29. ・井上拓海『ラップと半球屋根の関係について』南風館, 2016, pp. 1-12.
関連項目[編集]
外部リンク[編集]
公式サイト DOME SEAT Crown Circuit Records Artist Page Dome Forge Entertainment Profile RBD Archive Wiki
脚注
- ^ 佐伯航一『都市型ヒップホップの円環構造』Dome Press, 2019, pp. 41-88.
- ^ M. Thornton, "Echo Chambers and Battle Rhyme in Tokyo", Journal of Urban Music Studies, Vol. 12, No. 3, 2020, pp. 115-139.
- ^ 白石玲子『ライブ演出としての即興韻』音楽評論社, 2018, pp. 9-57.
- ^ Kenji Arai, "From Club to Dome: The RAP BATTLE DOME Phenomenon", Asian Sound Review, Vol. 7, Issue 2, 2021, pp. 201-224.
- ^ 高橋真由『配信時代の群衆コーラス論』文化出版局, 2022, pp. 63-104.
- ^ L. Peterson, "The Semiotics of Circular Stages", Contemporary Beat Quarterly, Vol. 5, No. 1, 2017, pp. 33-49.
- ^ 黒田歩『韻の都市計画』新星社, 2020, pp. 120-171.
- ^ R. H. Blake, "Audience as Instrument: A Case Study of RBD", Music & Society, Vol. 18, No. 4, 2023, pp. 77-96.
- ^ 松井あかね『DOME SHIFTの夜』光輪書房, 2024, pp. 5-29.
- ^ 井上拓海『ラップと半球屋根の関係について』南風館, 2016, pp. 1-12.
外部リンク
- 公式サイト
- DOME SEAT
- Crown Circuit Records Artist Page
- Dome Forge Entertainment Profile
- RBD Archive Wiki