令和ロマン
| コンビ名 | 令和ロマン |
|---|---|
| 画像 | —(宣材写真は公式サイトのギャラリーに掲載) |
| キャプション | ツッコミ役が“令和”の読み上げを間違え続ける構図で撮影されることが多い。 |
| メンバー | 相良(ボケ)/雁谷(ツッコミ) |
| 結成年 | 2020年 |
| 解散年 | —(現存) |
| 事務所 | 霞町ホールディングス |
| 活動時期 | 2020年 - 現在 |
| 芸種 | 漫才・コント |
| ネタ作成者 | 相良が主に担当(構成は雁谷も加担) |
| 出身 | 相良:埼玉県/雁谷:東京都 |
| 出会い | 学校の“元号暗記講座”サークルで偶然同じ原稿を拾ったことがきっかけ |
令和ロマン(れいわろまん、英: Reiwa Roman)は、東京の所属のお笑いコンビである。[[2020年]]に結成され、M-1グランプリ2023年ファイナリストとして注目を集めた。出囃子は「昭和のタイムカード」であり、令和という時代語の“意味を食い違えさせる技術”で知られている[1]。
概要[編集]
令和ロマンは、時代をあえて“契約書”のように扱い、言葉の効力を笑いに変換する漫才・コントで知られるお笑いコンビである。特に「令和」という語を、元号ではなく“交通系ICの契約更新”として語る手法が、SNS上で数千件単位の二次創作を誘発したとされる[1]。
本コンビの活動は、舞台上での笑いだけではなく、観客が持ち帰る“意味の齟齬”を設計する点に特色がある。なお、この語の由来を巡っては、2000年代の民間研修資料にまで遡るという説もあり、編集現場では「一見もっともらしいが、根拠の所在が不明瞭である」と指摘されることがある[2]。
メンバー[編集]
相良(さがら)は主にボケ担当である。台本には細かい“読点の呼吸”が書き込まれ、出番前に必ず「元号を一度だけ噛む」儀式を行うことで知られているが、本人は「噛むのではなく、奥歯に漢字を置き直しているだけ」と説明している[3]。
雁谷(かりや)はツッコミ担当である。雁谷はテンポよく訂正するだけでなく、訂正した内容自体を“別の訂正対象”にする二段ツッコミが持ち味とされる。特に2022年以降は「令和=理科の単位」という連想を挟む型が定着したとされ、ネタ研究会では“誤変換の美学”と呼ばれている[4]。
来歴/略歴/経歴[編集]
結成までと東京進出[編集]
コンビは[[2020年]]4月、東京のが主催する若手育成プログラム「令和語彙適性検査(第1次)」で知り合い、同年中に正式に結成されたとされる[5]。相良は埼玉で“公文式の暗記より速く読む”講座に通っていたとされ、雁谷は高校時代に東京の図書館で“元号の語源コレクション”を整理していたという[6]。
東京進出は同年10月とされるが、活動開始日は二転三転している。公式プロフィールでは「10月31日デビュー」と記載される一方、後年のインタビューでは「11月2日、地下劇場の床が新しくて滑った日が本番だった」と語られた。編集者によれば、これは“床の反射率が笑いの初速に影響した”という内部メモが根拠だと推定されている[7]。
ブレイクの契機[編集]
2022年、2人はYouTubeの短尺企画「令和を開封する」シリーズで話題となった。ここでは“令和”という単語を封筒に入れ、封印を解くたびに別の意味が現れるという演出が行われたとされる[8]。再生回数は公開されていないが、事務所側資料では「最初の動画は14,200回、コメントは398件、うち“嘘だろ”が61件」というように内訳まで控えめに記されていたという[9]。
2023年のM-1グランプリでは、準決勝でネタの中盤に“元号が変わる時の気圧”を入れたところ、観客の笑いが一度途切れ、逆にそこから爆発したと報じられた。後述するが、この“途切れ”が審査員の注目を集めた可能性があるとされる[10]。
芸風[編集]
令和ロマンの芸風は、漫才を基本形としつつ、コントでは「時代」を物理的な装置として扱う点が特徴である。相良が「令和ロマンカードを更新しないと、人生のレーンが詰まる」と言い始めると、雁谷が「それは年号の話ではなく、レーンの話です」と訂正し、さらに「レーンの話なら、なぜ改札がこちらを見ているのですか」と畳みかける構造が頻出する[11]。
技術面では、言葉の“誤差”をわざと残すことが重視されている。ネタ作成は相良が担い、雁谷は“誤差の許容量”を決める役割だとされる。稽古では、同じ一文を声の高さ3種類で読み分け、「どの高さが一番“令和らしさ”を裏切るか」を記録しているとも語られる[12]。
一方で、あまりに時事性が強い回は「笑いが翌日に死ぬ」問題が指摘されている。これに対し本コンビは、ネタの終盤で必ず“過去に置き去りにした意味”を回収するため、翌日になっても検索しなおす動線が生まれやすいと説明している[13]。
エピソード[編集]
デビュー直後、二人は舞台袖で台本を“交換”したが、交換後の相良の台本にはなぜか「令和のフォントサイズは12.7」と書かれていたという。雁谷は「数字は嘘でもいい、ただし誤差が人を笑わせる」と言い、その回から数字の挿入が“恒例儀式”になったとされる[14]。
また、2021年の地方営業では、楽屋の時計が1分13秒遅れていたことをネタに組み込んだ。結果として客席が気づく前に笑いが起き、気づいた観客が“なぜ分かったのか”をSNSで語り合う展開になったとされる[15]。この“気づかせる前に笑わせる”方針は、2022年の冠番組企画書にも「笑い=先行検知」として明記された[16]。
さらに、あるラジオ収録で相良が「令和」を噛んだのではなく“飲み込んだ”とされ、雁谷が追いかけるように「噛んでない、あなたが吸ってる」とツッコんだ。その瞬間、スタジオのマイクが一瞬だけノイズを出し、番組スタッフが「偶然ではない」と主張した。もっとも、当該スタッフの発言は裏取りされていないため、要出典とされる可能性がある[17]。
出囃子・賞レース成績・受賞歴[編集]
出囃子は「昭和のタイムカード」とされる。曲は作曲家による“クリック音を和音に変換する”試みで知られ、雁谷が「これを聴くと訂正が止まる」と冗談を言うことがある[18]。
賞レース成績としては、M-1グランプリ2023年にファイナリストへ進出し、同大会で“訂正の二段落ち”が評価されたと報じられた[10]。ほか、2024年では一次予選敗退とされるが、事務所資料によれば「敗退ではなく“令和の契約が未更新”だった」という言い換えがなされたとされる[19]。なお、この解釈は冗談に留まるとする見方もある。
受賞歴としては、2022年にで優勝、2023年にで準優勝という記録がある。公式サイトでは受賞年度が“令和◯年”表記のまま固定されており、編集部が西暦換算の際に一度だけ食い違ったため、訂正版が回覧されたという経緯が残っている[20]。
出演・作品・単独ライブ[編集]
テレビ出演としては、日本テレビ系バラエティ「ことばの裏側で」にレギュラー出演しているとされる。過去の出演番組としては、NHKの若手特番「舞台の元号(もとごう)」にゲスト出演した記録がある[21]。ラジオではの「毎週、訂正される」内コーナーを担当し、週替わりで“意味の誤差”を募集しているとされる[22]。
単独ライブは「令和ロマンの契約更新」を冠に2022年から継続されている。ライブタイトルは毎回微修正され、2022年は「契約更新(不備あり)」、2023年は「契約更新(不備なしに見せかける)」、2024年は「契約更新(不備を見つけないでください)」と変化している[23]。DVDは「契約更新の裏面」名義で発売されたとされ、収録時間は本編93分+特典映像27分であると記載されている[24]。
作品(書籍)としては、雁谷名義で『訂正の美学:なぜ“令和”をズラすのか』が出版されたとされる。ただし一部の書店データではISBNの桁が合わず、再発行された可能性が指摘されている[25]。
批判と論争[編集]
令和ロマンの“元号語法の拡張”は、賛否が分かれている。一部では「言葉を遊ばせるだけで、時事への理解が薄いのではないか」との批判があるとされる[26]。また、数字を多用するスタイルについては「“それっぽさ”の演出が強く、誤認を助長する」との指摘もあった。
一方で、研究者側からは「意味の齟齬を設計して観客の解釈を揺さぶる点が、現代のメディア環境と適合している」と評価する声もあるとされる[27]。ただし、この評価に用いられた資料が一般に公開されていないため、真偽は確定していない。
さらに、2024年の特番で相良が「令和は“ロマンの契約年”である」と発言したことが論争になった。元号の一般的な理解と整合しないとしてSNSで批判が起きたが、事務所は「ネタの文脈上の比喩であり、年号の制度を説明するものではない」と回答した。もっとも、この回答自体が“契約”という言葉で閉じていたため、当初の混乱が再燃したと報じられている[28]。
脚注[編集]
脚注
- ^ 霞町ホールディングス 編『若手育成プログラム年報(第1次)』霞町出版, 2020年, pp. 112-118.
- ^ 相良/雁谷『令和ロマン稽古録:訂正は先に来る』小夜書房, 2023年, pp. 41-57.
- ^ 雁谷 研太郎「“令和”という語を契約として扱う試み」『日本コメディ研究』第18巻第2号, 日本コメディ研究会, 2022年, pp. 77-95.
- ^ 遠藤ミチオ「クリック音の和音化と出囃子の機能」『音響芸能レビュー』Vol.6 No.1, 音響芸能社, 2021年, pp. 3-21.
- ^ 田中ハルカ「観客の解釈が遅れて爆発する条件:笑いの先行検知」『舞台芸術学会誌』第33巻第4号, 舞台芸術学会, 2024年, pp. 201-219.
- ^ 日本テレビ編『ことばの裏側で』番組資料集, 2023年, pp. 9-14.
- ^ NHK制作局『舞台の元号(もとごう)』収録台本(第1回), 日本放送出版協会, 2022年, pp. 26-33.
- ^ Kariya, Karu. “Dialectics of Misinterpretation in Modern Stand-up.” Comedy Studies Quarterly, Vol.12 No.3, 2024, pp. 55-73.
- ^ Sagara, Rei. “Contract-Based Semantics for ‘Reiwa’ Performances.” International Journal of Laughter, Vol.7 No.1, 2023, pp. 88-102.
- ^ 全国時代語選手権運営委員会『成績記録と審査基準(令和版)』, 2024年, pp. 1-19.
外部リンク
- 令和ロマン 公式サイト
- 霞町ホールディングス タレントページ
- 令和ロマン ライブアーカイブ
- 全国時代語選手権 公式記録
- 音響芸能社 出囃子特集